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Strium Network、StartaleとSBIが発表。トークン化証券の24時間取引を実現するレイヤー1ブロックチェーン

[更新]2026年2月8日

Strium Network、StartaleとSBIが発表。トークン化証券の24時間取引を実現するレイヤー1ブロックチェーン

株式市場が眠らない未来が、いよいよ現実のものとなりつつあります。StartaleとSBIホールディングスが発表した「Strium Network」は、トークン化証券の24時間365日取引を実現し、18.9兆ドル規模の新市場創出を目指す野心的なプロジェクトです。


Startale GroupとSBIホールディングス株式会社は2026年2月5日、暗号資産、トークン化株式、リアルワールドアセット連動型金融商品を含むあらゆる金融資産のオンチェーン取引に特化したレイヤー1ブロックチェーン「Strium Network」を共同発表した。Striumは24時間365日稼働する現物およびデリバティブ市場を提供する。

本プロジェクトは2025年8月に両社が合意した戦略的パートナーシップの主要なマイルストーンであり、現在は機関投資家向けのオンチェーン資本市場インフラとしての実効性を検証する概念実証フェーズに移行している。SBIホールディングスは国内外に8,000万人超の顧客基盤を有する。今後、Striumテストネットを公開予定で、数カ月以内に更なる発表を行う予定である。

From: 文献リンクStartale and SBI Holdings Unveil Strium, a Layer 1 Blockchain Designed for Tokenized Securities and Real-World Asset (RWAs) Trading

アイキャッチはStartale 公式プレスリリースより引用

【編集部解説】

Striumが目指すのは、従来の金融市場が抱える構造的な制約からの解放です。株式市場は通常、平日の限られた時間しか開いていません。しかし、グローバル化した経済では、ニュースや企業発表は24時間365日発生します。Striumのような常時稼働するオンチェーン取引所は、この時間的なギャップを埋める可能性を持っています。

技術的な観点から注目すべきは、StriumがAIエージェントによる取引も視野に入れている点です。これは単なる自動取引プログラムではなく、AI自体が市場参加者として機能する未来を想定しています。人間の判断速度を超えた取引が日常化すれば、市場の流動性と価格発見メカニズムは劇的に変化するでしょう。

一方で、慎重に見るべきリスクも存在します。24時間取引が可能になることで、投資家は常に市場の動きを気にする必要に迫られる可能性があります。また、規制の枠組みが追いつかない段階での運用は、投資家保護の観点から課題を残しています。

SBIホールディングスが持つ8,000万人超の顧客基盤は、この実験的なインフラに一定の信頼性を与えます。概念実証(PoC)が既に社内提示可能な段階に達しているという事実は、技術的な実現可能性が単なる構想段階を超えていることを示唆しています。

規制当局との対話を優先する姿勢も興味深い点です。多くのクリプト関連プロジェクトが規制を回避する方向に進む中、Striumは「堅牢な金融インフラ」の構築を最優先に掲げています。これは、トークン化証券市場が実際に機能するためには、規制当局との協調が不可欠であるという現実的な認識の表れと言えます。

長期的には、Striumのような取引インフラが成功すれば、アジアにおけるデジタル証券取引の基盤レイヤーとなる可能性を秘めています。ただし、今後予定されているテストネットの公開、そしてその後の商用化までには、技術的検証だけでなく、各国の証券規制との整合性確保という高いハードルが待ち構えています。

【用語解説】

レイヤー1ブロックチェーン
ブロックチェーンのベース層となる独立したネットワーク。ビットコインやイーサリアムなどが代表例である。他のネットワークに依存せず、独自のコンセンサスメカニズムで動作する。

トークン化株式
従来の株式をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現したもの。24時間取引や即時決済、少額からの分割所有が可能になる。

リアルワールドアセット(RWA)
不動産、商品、債権など、現実世界に存在する有形・無形の資産をブロックチェーン上でトークン化したもの。従来は流動性が低かった資産の取引を容易にする。

オンチェーン
ブロックチェーン上で直接処理・記録されることを指す。対義語はオフチェーン(ブロックチェーン外で処理)である。

デリバティブ
株式や債券などの原資産から派生した金融商品。先物取引やオプション取引などが含まれる。

概念実証(PoC)
Proof of Conceptの略。新技術やシステムが実際に機能するかを検証する初期段階の試験。商用化前の技術的実現可能性を確認する目的で実施される。

機関投資家
保険会社、年金基金、投資信託など、大規模な資金を運用する法人投資家。個人投資家と比べて取引規模が大きく、市場への影響力も大きい。

AIエージェント
人間の指示なしに自律的に判断・行動できる人工知能プログラム。金融市場では、取引戦略の実行や流動性供給などを自動的に行う。

テストネット
本番環境(メインネット)に移行する前の試験用ネットワーク。開発者や初期参加者が機能をテストし、問題を発見・修正するために使用される。

流動性
金融市場において、資産を速やかに売買できる度合い。流動性が高いほど、大量の取引でも価格への影響が小さく、取引コストも低い。

価格発見メカニズム
市場参加者の売買を通じて、資産の適正価格が形成されるプロセス。取引時間が長く、参加者が多いほど、より効率的な価格発見が可能になる。

【参考リンク】

Startale Group(外部)
シンガポール拠点の日本発ブロックチェーン企業。ソニーとの合弁でSoneium開発。

SBIホールディングス(外部)
1999年設立の総合金融グループ。国内外に8,000万人超の顧客基盤を持つ。

Strium Network(外部)
トークン化証券取引専用レイヤー1ブロックチェーン。24時間365日稼働を実現。

【参考記事】

Asset Tokenization Market Size, Trends, Share & Industry Report 2031(外部)
資産トークン化市場が2026年3.01兆ドルから2031年18.74兆ドルへ成長と予測。

Unlocking the $19 Trillion Opportunity: The Future of Real-World Asset Tokenization(外部)
BCGレポート引用。トークン化資産市場は2033年までに18.9兆ドル規模へ。

Tokenized Assets Statistics By Market Size, Industry, Classes and Facts (2025)(外部)
トークン化資産は2020年8,500万ドルから2025年4月210億ドル超に成長。

The market for tokenized equities has exploded by 2,800% in a single year(外部)
トークン化株式市場が2026年1月約9.63億ドルに達し、前年比2,878%増。

SBI, Startale launch Strium blockchain to power tokenized securities(外部)
SBIとStartaleが2026年第2四半期に円建てステーブルコイン発行予定と報道。

SBI Holdings, Startale Launch Strium Network for Tokenized Securities Trading(外部)
Striumは取引所レイヤーとして機能し、18.9兆ドル市場機会を狙うと解説。

Startale and SBI Holdings Unveil Strium, a Layer 1 Blockchain Designed for Tokenized Securities and Real-World Asset (RWAs) Trading(外部)
StartaleとSBIによるStrium公式発表。18.9兆ドル市場機会について言及。

【編集部後記】

24時間365日稼働する株式市場が実現したら、あなたの投資スタイルはどう変わるでしょうか。Striumのような取引インフラは、従来の金融市場が抱える時間的制約を取り払う可能性を秘めています。

一方で、常時取引可能な市場は、投資家に新たなストレスをもたらすかもしれません。このような技術革新が、私たちの暮らしや働き方にどんな影響を与えるのか、みなさんはどう考えますか。ぜひご意見をお聞かせください。

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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