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XRP急騰後に急落、CFTC諮問委員会任命も上昇維持できず

2026年2月15日、RippleのCEOブラッド・ガーリングハウスがCFTC(商品先物取引委員会)のイノベーション諮問委員会に任命されたことを受け、XRP価格は8%急騰し日中高値1.66ドルに達した。しかし翌16日には利益確定売りとテクニカル面の弱さから11%下落し、1.47ドル(前日比-2.34%)で取引された。

日足チャートでは長い上ヒゲを伴う弱気の十字線パターンが形成され、1.51〜1.57ドルのレジスタンスでの反落が確認された。サポートレベルは1.26ドルおよび1.12ドルに位置する。同日Bitcoinは約6万8700〜6万8900ドルで推移しており、2月初旬には6万ドル割れ寸前となり、暗号資産市場全体で20億ドル以上のリクイデーションが発生した。

一方、Standard Charteredのジェフリー・ケンドリックは XRPの2026年末目標を8ドル、2027年を10〜12ドル、2028年を12.50ドルと予測しており、ETF資金流入合計40〜80億ドルを前提としている。

From: 文献リンクWhy Is XRP Going Down Today? Analysis And XRP Price Prediction for 2026

【編集部解説】

今回のニュースの核心は、RippleのCEOがCFTCの諮問委員会に任命されたという「規制当局との関係性の変化」と、その好材料にもかかわらずXRP価格が下落を続けているという「市場の現実」の乖離にあります。

まず前提として、このCFTCイノベーション諮問委員会の全体像を補足します。2026年2月12日にCFTCのマイケル・セリグ委員長が発表した同委員会は、ガーリングハウス氏だけでなく、CoinbaseのCEOブライアン・アームストロング氏、GeminiのCEOタイラー・ウィンクルボス氏、RobinhoodのCEOヴラド・テネフ氏、Uniswap LabsのCEOヘイデン・アダムス氏など、暗号資産業界と伝統的金融機関の双方から計35名が任命されたものです。つまりこれはRippleだけに与えられた特別な地位ではなく、暗号資産業界全体が米国の規制策定プロセスに組み込まれつつあることを示す動きといえます。

この点は、従来の「取り締まり型」から「対話・協調型」への規制アプローチの転換として注目に値します。とくにCFTCは暗号資産デリバティブ市場の主要規制機関となることが見込まれており、セリグ委員長はSECとの連携による暗号資産分類の共同整備にも言及しています。業界関係者が政策立案に直接参加する枠組みが整ったことは、規制の予見可能性を高め、機関投資家の参入障壁を下げる効果が期待されます。

一方で、元記事における価格予測には重要な更新があります。元記事ではStandard Charteredが2026年末のXRP目標価格を8ドルとしていますが、同行のジェフリー・ケンドリック氏は2月12日付の投資家向けレポートで、この目標を65%引き下げ2.80ドルに修正しました。DL Newsの報道によると、同氏は修正の理由として暗号資産市場全体の厳しい価格動向を挙げ、短期的にはさらなる下落を見込んでいるとしています。同時にBitcoinの目標も15万ドルから10万ドルへ、Ethereumは7000ドルから4000ドルへ、Solanaは250ドルから135ドルへと、それぞれ大幅に引き下げられました。

この修正が示しているのは、暗号資産市場が過去約4年間で最も深刻な下落局面にあるという現実です。XRPは一時1.16ドルまで下落し、2024年後半以来の安値を記録しました。XRP連動ETFの運用資産も、1月5日時点の約16億ドルから2月中旬には約10億ドルへと約40%減少しています(SoSoValueのデータによる)。

ただし、長期的な視点では明るい材料も存在します。Rippleがみずほ銀行、SMBC日興証券、Securitize Japanと連携して2025年12月に立ち上げたJapan Financial Infrastructure Innovation Program(JFIIP)」は、XRP Ledger上でステーブルコインやRWA(現実資産のトークナイゼーション)を開発するスタートアップに1万ドルの助成金を提供するプログラムです。日本の金融庁による明確な規制枠組みのもとで、メガバンクがブロックチェーンインフラの実装に踏み込んでいることは、投機的な価格変動とは異なる次元での基盤構築を意味しています。

また、米国では包括的暗号資産法案であるDigital Asset Market Clarity Act(Clarity Act)が2025年7月に下院を超党派(賛成294、反対134)で通過し、現在上院で審議が進行中です。この法案が成立すれば、デジタル資産の法的分類が明確になり、機関投資家がXRPを含む暗号資産への投資判断を下しやすくなると見られています。

読者の皆さんにお伝えしたいのは、暗号資産市場では「好材料のニュースが価格上昇を保証しない」という場面がしばしば訪れるということです。規制環境の改善、機関投資家向けインフラの整備、そして日本を含むアジアでのユースケース拡大は着実に進んでいますが、マクロ経済環境やBitcoinの動向といった外部要因が短期的な価格形成を左右する構造は依然として変わっていません。テクノロジーの進化と市場価格の間にあるこのギャップをどう読み解くかが、今後の暗号資産投資において重要な視点となるでしょう。

【用語解説】

レジスタンス/サポート
テクニカル分析の用語。レジスタンスは価格上昇を阻む抵抗帯、サポートは価格下落を支える支持帯を指す。過去の価格推移から導かれ、市場参加者の売買が集中しやすい水準である。

弱気の十字線(ベアリッシュDoji)
ローソク足チャートのパターンの一つ。始値と終値がほぼ同水準で、長い上ヒゲが買い圧力の失敗を示す。上昇トレンド後に出現すると、反転下落のシグナルとされる。

フィボナッチエクステンション
フィボナッチ数列に基づく価格予測手法。過去の値動きの幅を基準に、次の値動きの到達目標を算出する。100%エクステンションは、直前の下落幅と同じ幅だけさらに下落する水準を意味する。

リクイデーション(強制清算)
レバレッジ取引において、証拠金の維持率を下回った場合に取引所が自動的にポジションを決済する仕組み。連鎖的に発生すると急激な価格変動を引き起こす。

ETF(上場投資信託)
取引所に上場され、株式と同様に売買できる投資信託。XRPのスポットETFは2025年11月に米国で上場が開始された。機関投資家が暗号資産に間接的にアクセスする手段として注目される。

RWA(現実資産のトークナイゼーション)
Real World Assetsの略。不動産、債券、株式などの従来型金融資産をブロックチェーン上のデジタルトークンとして発行・取引する仕組みである。

RLUSD
Rippleが発行する米ドル連動型ステーブルコイン。NYDFSの信託承認を取得しており、XRP Ledger上で稼働する。

Digital Asset Market Clarity Act(Clarity Act)
米国でデジタル資産の法的分類と規制の枠組みを定めるために審議中の包括的暗号資産法案。2025年7月に下院を超党派(賛成294、反対134)で通過し、上院での審議が進行中である。

【参考リンク】

Ripple公式サイト(外部)
クロスボーダー決済ソリューションを提供するブロックチェーン企業。XRP LedgerとRLUSDの開発元。

CFTC(米国商品先物取引委員会)公式サイト(外部)
米国デリバティブ市場の連邦規制機関。イノベーション諮問委員会のメンバーリストや公式発表を掲載している。

Standard Chartered公式サイト(外部)
1853年設立の英国系国際銀行。デジタル資産リサーチ部門を擁し、暗号資産の価格予測レポートを定期発行している。

SoSoValue(外部)
暗号資産ETFの資金流入・流出データや運用資産残高をリアルタイムで追跡できるデータプラットフォーム。

XRP Ledger公式サイト(外部)
Rippleの基盤技術XRP Ledgerの開発者向けドキュメント、ネットワーク情報、エコシステム最新動向を提供。

【参考記事】

Standard Chartered slashes XRP price target by 65%, expects ‘further declines’ for crypto market(外部)
ケンドリック氏がXRP目標を8ドルから2.80ドルへ65%引き下げ。Bitcoin、Ethereum、Solanaも大幅下方修正。ETF運用資産は約40%減少。

172-year-old bank cuts XRP price target after December upgrade(外部)
Standard Charteredが12月の8ドル予測を2月中旬に2.80ドルへ修正した経緯を報道。短期的な追加下落リスクにも言及。

XRP Outlook Slashed: Standard Chartered Lowers Forecast From $8 To $2(外部)
Standard Charteredの目標価格引き下げの詳報。暗号資産市場全体の下落が修正の主因。XRPは約1.47ドルで推移。

Coinbase’s Armstrong, Ripple’s Garlinghouse among familiar crypto execs in U.S. CFTC advisory group(外部)
CFTCセリグ委員長が35名のイノベーション諮問委員会メンバーを発表。Coinbase、Ripple、RobinhoodのCEOらが含まれる。

CFTC Appoints Ripple CEO as Member of Its Advisory Committee Alongside DTCC President(外部)
CFTCが1月に規約改正、2月12日に正式発足。ガーリングハウス氏の政策関与の経緯も詳述。

XRP Price Prediction as Standard Chartered Slashes Target 65% to $2.80(外部)
韓国Upbitで6億ドル超のXRP取引量を記録。週末の急騰と急落の経緯を報道。BofAのETF保有情報も掲載。

【編集部後記】

今回のXRPの動きは、「良いニュースが出たのに価格が下がる」という暗号資産市場の不思議さを改めて見せてくれました。規制当局との関係改善、日本での金融インフラ構築、ETFの普及——着実に進む制度面の変化と、日々激しく揺れる価格との間にあるギャップを、みなさんはどう受け止めていますか。

短期の値動きと長期の技術基盤、どちらに目を向けるかで見える景色はまったく違ってきます。みなさんの視点をぜひ聞かせてください。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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