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KalshiとPolymarketで「エイリアン存在」マーケットが急騰、トランプ大統領が機密ファイル公開を指示

予測市場プラットフォームKalshiおよびPolymarketで、エイリアンの存在に関するマーケットの取引量が急増した。ドナルド・トランプ大統領がTruth Socialに投稿し、国防総省を含む米国の各機関に対し、エイリアンおよび地球外生命体に関する政府ファイルの特定と公開のプロセスを開始するよう指示すると表明したことがきっかけである。

Kalshiの「2027年までに米国がエイリアンの存在を認めるか」というマーケットでは取引額が160万ドルからおよそ500万ドルに増加し、過去24時間で100万ドル以上が取引された。確率は17%から最大28%に上昇した。Polymarketの関連マーケットでも確率が先週の9%から17%に上昇している。背景には、バラク・オバマ元大統領がポッドキャストで「実在する」と発言したことがある。トランプ大統領はオバマ氏の発言を「機密情報の漏洩」と批判し、自身はエイリアンの存在について肯定も否定もしなかった。

From: 文献リンクPrediction Markets See Huge Trading Volume on Aliens Existing, as Trump Will Release Files

【編集部解説】

予測市場(Prediction Market)とは、現実の出来事の結果に対して「Yes」か「No」のポジションを売買できるプラットフォームです。株式市場のように価格が変動し、その価格がそのまま「集合知による確率予測」として機能します。たとえば、あるイベントのYes株が28セントで取引されていれば、それは市場参加者の総意として「起こる確率は28%」と解釈されます。

今回注目すべきは、この仕組みが「エイリアンの存在を米国政府が認めるか」という、従来であれば荒唐無稽に思えるテーマに対しても、リアルタイムの確率シグナルを生成しているという事実です。

KalshiはCFTC(米商品先物取引委員会)に登録された正規の取引所であり、Polymarketはブロックチェーン上で動作する分散型プラットフォームです。2025年の年間取引高は両プラットフォーム合計で約440億ドルを超え、2024年の米大統領選を契機に急成長を遂げました。現在、予測市場全体の取引量の85〜90%をこの2社が占めています。

元記事ではオバマ元大統領がポッドキャストで「実在する」と発言したことが大きく取り上げられていますが、複数の主要メディア(NBC News、CNN、PBSなど)の報道によると、オバマ氏はその翌日にInstagramで発言を修正しています。ポッドキャストの「ライトニングラウンド」(即答形式の質問コーナー)の趣旨に沿った回答であったとし、「宇宙は広大であるため統計的に生命が存在する可能性は高いが、大統領在任中に地球外生命体が我々と接触した証拠は見ていない」と明確に補足しました。

一方、トランプ大統領はエアフォースワン機内でオバマ氏の発言を「機密情報の漏洩」と批判しつつ、自身はエイリアンの存在について「分からない」と述べるにとどめました。しかしその直後、Truth Socialでピート・ヘグセス国防長官を含む関係機関に対し、エイリアンや地球外生命体、未確認航空現象(UAP)、未確認飛行物体(UFO)に関する政府ファイルの「特定と公開のプロセスを開始する」よう指示すると投稿しています。

ただし、Scientific American誌は、この指示がどのファイルをいつ公開するかを具体的に定めたものではなく、文書の選定・審査・機密解除・公開には数週間から数年を要する可能性があると指摘しています。また、国防総省傘下の全領域異常解決局(AARO)はこれまで約80年にわたるUAP関連報告を調査し、2024年3月の報告書で「地球外の存在・活動・技術を示す証拠は発見されていない」と結論付けています。2024年11月の最新報告でも1,652件の報告を受理した上で同様の結論を維持しており、ファイル公開が即座にエイリアンの存在確認につながるとは限りません。

とはいえ、今回の事象にはテクノロジーの視点から見ていくつかの重要な示唆があります。まず、予測市場が政治的発言や情報公開の「確率的インパクト」をリアルタイムで可視化するツールとして機能している点です。KalshiやPolymarketのデータは、従来の世論調査では捉えきれない、情報に対する人々の「賭け」を通じた確信度を映し出しています。

さらに、予測市場は規制面でも大きな転換期にあります。CFTCが連邦レベルでの排他的管轄権を主張する一方、ネバダ州がPolymarketに差止命令を出すなど、州レベルのギャンブル規制との衝突が続いています。エイリアンの存在のように政策やスポーツ以外のテーマが巨額の取引を集めるようになれば、予測市場の社会的位置づけや規制の在り方に関する議論がさらに加速する可能性があります。

最後に、Bloombergが報じたところによると、Tuttle CapitalはUFO情報公開をテーマとしたETF「UFOD」を運用しており、トランプ大統領の指示を受けて注目が集まっています。政治的な情報公開が金融商品にまで波及する現象は、予測市場の普及とあわせて、「情報と市場の境界線」が急速に曖昧になっていることを示しているのではないでしょうか。

【用語解説】

予測市場(Prediction Market)
現実世界の出来事の結果に対して「Yes」「No」のポジションを売買できる市場。価格がそのまま集合知による確率予測として機能する。たとえばYes株が28セントで取引されていれば、市場参加者の総意として「28%の確率で起こる」と解釈される。

UAP(Unidentified Anomalous Phenomena/未確認異常現象)
従来のUFO(未確認飛行物体)に代わり、空中・海中・宇宙・地上を含む全領域の未確認現象を包括的に指す用語。米国防総省が公式に使用している。

CFTC(Commodity Futures Trading Commission/米商品先物取引委員会)
米国における先物・オプション市場を規制する連邦機関。KalshiはCFTCに「指定契約市場(DCM)」として登録されており、連邦レベルの規制下で運営されている。

Truth Social
ドナルド・トランプ大統領が設立したソーシャルメディアプラットフォーム。Trump Media & Technology Groupが運営する。

【参考リンク】

Kalshi公式サイト(外部)
CFTCに登録された米国初の規制対応型予測市場。政治、経済、スポーツなどのイベント・コントラクトを売買できる。

Polymarket公式サイト(外部)
ブロックチェーン上で動作する分散型予測市場。USDCで取引を行い、2024年米大統領選では33億ドル以上の取引量を記録した。

AARO(全領域異常解決局)公式サイト(外部)
米国防総省傘下のUAP調査機関。2022年設立。1945年以降のUAP報告を調査し、地球外生命体の証拠は未発見と結論付けている。

CasinoBeats(外部)
オンライン・オフラインのカジノ・ギャンブル業界に特化したニュースメディア。予測市場やスポーツベッティングの動向も広くカバー。

【参考記事】

Trump says he’s directing the Pentagon to release files related to UFOs and aliens(外部)
トランプ大統領のファイル公開指示の詳細を報道。ヘグセス国防長官やフェターマン上院議員の反応にも触れている。

Trump says he doesn’t know if aliens are real but directs government to release files on UFOs(外部)
トランプ大統領がエイリアンの存在を肯定も否定もせずファイル公開を指示した経緯を詳述。ララ・トランプ氏の発言にも言及。

Trump’s order to release evidence for aliens obscures the scientific search(外部)
公開対象や時期は未定で数週間〜数年を要する可能性を指摘。AARO元局長のコメントも含む科学的視点からの分析記事。

Barack Obama clarifies he’s seen ‘no evidence’ of aliens after saying they’re real(外部)
オバマ元大統領がポッドキャストでの発言の翌日、Instagramで「証拠は見ていない」と修正した経緯を詳しく報道。

Prediction Markets Statistics 2026: Market Size, Growth & Trends(外部)
2025年の予測市場全体の年間取引高440億ドル超、2社の市場シェア85〜90%など主要統計データを網羅した調査レポート。

Transparency proponents meet Trump’s UAP disclosure tease with hope — and caution(外部)
元国防副次官補がAAROの報告義務未履行を指摘し、公開命令を「建設的な圧力」と評価。情報公開推進派の反応を伝えている。

【編集部後記】

予測市場は、人々の「確信」をリアルタイムに可視化するという、これまでにない情報のかたちを生み出しています。エイリアンの存在確認という一見突飛なテーマですら、数百万ドル規模の取引を通じて「確率」として表現される時代になりました。

みなさんは、こうした集合知が導き出す数字をどのように受け止めますか? 予測市場の動向を追うことで、テクノロジーと社会の新たな接点が見えてくるかもしれません。

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Ami
テクノロジーは、もっと私たちの感性に寄り添えるはず。デザイナーとしての経験を活かし、テクノロジーが「美」と「暮らし」をどう豊かにデザインしていくのか、未来のシナリオを描きます。 2児の母として、家族の時間を豊かにするスマートホーム技術に注目する傍ら、実家の美容室のDXを考えるのが密かな楽しみ。読者の皆さんの毎日が、お気に入りのガジェットやサービスで、もっと心ときめくものになるような情報を届けたいです。もちろんMac派!

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