“FIDO2認証の落とし穴: セッショントークンの盗難リスクと対策必須”

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Last Updated on 2024-07-06 04:40 by admin

FIDO2はパスワードレス認証を提供するが、セッショントークンの保護が不十分であり、中間者攻撃によるセッションクッキーの盗難や悪用のリスクが存在する。開発者やエンジニアがFIDO2の使用において中間者攻撃に完全に保護されていると誤解している可能性がある。

セッショントークンは認証成功後に作成されるが、多くのアプリケーションで適切に保護されていない。中間者攻撃者はこれらのトークンを盗み、被害者になりすましてシングルサインオン(SSO)を介してアクセス可能なアプリケーションにアクセスすることができる。そのため、セッショントークンの保護とトークンバインディングの実装が重要である。

FIDO2を使用してSSO認証を保護する組織は、デフォルト設定を変更し、トークンバインディングを可能な限り有効にすることを検討すべきである。また、開発者に対して認証後のセッション保護の重要性を広める必要がある。

【ニュース解説】

FIDO2は、パスワードを使用せずに認証を行うことができる技術であり、ユーザーがウェブサイトやオンラインサービスにログインする際のセキュリティを強化することを目的としています。この技術は、生体認証やUSBトークン、パスキーなど、さまざまな方法を用いてユーザーの身元を確認します。FIDO2が提供するパスワードレス認証は、フィッシング攻撃やクレデンシャル盗難(認証情報の盗み出し)に対して非常に強い抵抗力を持っています。

しかし、認証後に生成されるセッショントークンの保護が不十分であると、FIDO2のセキュリティメリットが損なわれる可能性があります。セッショントークンとは、ユーザーが認証された後にサーバーとクライアント間でやり取りされる情報のことで、このセッション中にユーザーが認証済みであることを示します。適切に保護されていないセッショントークンは、中間者攻撃(MITM攻撃)によって盗まれるリスクがあり、攻撃者が正規のユーザーになりすまして行動することを可能にします。

この問題に対処するためには、セッショントークンの保護と、トークンバインディングの実装が重要です。トークンバインディングは、認証トークンをTLS接続に暗号的に結びつけることで、トークンの盗難や再利用を防ぐセキュリティメカニズムです。FIDO2を使用してシングルサインオン(SSO)認証を保護する組織は、デフォルト設定を見直し、可能な限りトークンバインディングを有効にすることが推奨されます。

この問題の認識と対策の必要性を広めることは、開発者やエンジニアにとって特に重要です。多くの場合、彼らはFIDO2を使用することで中間者攻撃から完全に保護されていると誤解している可能性があります。しかし、認証自体は保護されていても、認証後のセッションが適切に保護されていなければ、セキュリティリスクが残ります。

このように、FIDO2はパスワードレス認証を実現する強力な技術である一方で、セッショントークンの保護という課題を解決するためには、トークンバインディングのような追加のセキュリティ対策を講じる必要があります。組織や開発者は、認証後のセッション保護の重要性を理解し、適切な対策を実施することで、FIDO2のセキュリティメリットを最大限に活用することができます。

from Unprotected Session Tokens Can Undermine FIDO2 Security.

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