Last Updated on 2024-05-24 21:13 by 荒木 啓介
CISOの役割と責任は、デジタルトランスフォーメーションの進展に伴い変化している。セキュリティオペレーションチームとの協力が重要であり、意思決定において影響力を持つための方法が求められている。
DevOps環境では、開発の加速化によりセキュリティの制御が難しくなっており、セキュリティが後回しにされがちである。これにより脆弱性が導入されるリスクが高まっている。CISOは、セキュリティを確保しつつイノベーションを促進する方法を見出す必要がある。
CISOとCTOの協力関係は、特にクラウドセキュリティの優先順位を定める上で重要である。CISOはCTOとのコミュニケーションを改善する方法を模索する必要がある。
MDR(Managed Detection and Response)は、CISOに大きな影響力を与える。24/7の監視と早期警告により、セキュリティインシデントへの迅速な対応が可能となる。MDRと内部セキュリティチームとの連携は、効果的なセキュリティ対策の実施において重要である。
【ニュース解説】
デジタルトランスフォーメーションが進む中で、企業の情報セキュリティを守るCISO(最高情報セキュリティ責任者)の役割は、これまで以上に重要かつ複雑になっています。特にDevOpsの文脈では、開発プロセスの加速化がセキュリティ管理の難易度を高めており、CISOは新たな戦略と技術を駆使して、セキュリティとイノベーションのバランスを取る必要に迫られています。
DevOpsは、ソフトウェア開発(Dev)と運用(Ops)の連携を強化することで、製品のリリースサイクルを高速化するアプローチです。しかし、この高速化はセキュリティ対策を後回しにする傾向にあり、脆弱性が生じやすくなっています。CISOは、開発初期段階からセキュリティを組み込むことで、この問題に対処する必要があります。
CISOとCTO(最高技術責任者)との協力は、特にクラウドセキュリティを強化する上で不可欠です。クラウド環境は柔軟性とスケーラビリティを提供しますが、適切なセキュリティ対策が施されていなければ、攻撃者にとって魅力的なターゲットとなり得ます。CISOは、CTOとの効果的なコミュニケーションを通じて、セキュリティがビジネスの成長を支える要素であることを強調し、共同でセキュリティ戦略を策定する必要があります。
MDR(Managed Detection and Response)は、CISOにとって強力なツールです。MDRサービスは、24時間365日の監視と早期警告システムを提供し、セキュリティインシデントが発生する前に対処することを可能にします。これにより、CISOはセキュリティチームが戦略的な取り組みに集中できるよう支援し、開発チームとの協力関係を築くことができます。
しかし、MDRサービスが内部セキュリティチームの代わりになるわけではありません。セキュリティチームは、MDRからのデータとアラートを解釈し、脅威を優先順位付けすることで、組織のセキュリティ状態を維持する上で重要な役割を果たします。また、インシデント対応やセキュリティ要件の管理など、専門的な知識とスキルが求められる業務も担います。
結論として、CISOはDevOps環境において、セキュリティとイノベーションのバランスを取るために、CTOや開発チームとの協力関係を築くことが重要です。MDRなどの先進的なツールを活用しつつ、内部セキュリティチームの専門知識を最大限に活用することで、セキュリティを確保しながらも、ビジネスの成長とイノベーションを促進することが可能です。
from DevOps Dilemma: How Can CISOs Regain Control in the Age of Speed?.