innovaTopia

ーTech for Human Evolutionー

ウクライナ狙う悪意のExcel攻撃、Cobalt Strike使用でセキュリティ危機に

ウクライナ狙う悪意のExcel攻撃、Cobalt Strike使用でセキュリティ危機に - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-06-05 14:32 by admin

ウクライナのシステムが悪意のあるExcelファイルを介してCobalt Strikeによって攻撃された。このキャンペーンは、複数段階のペイロード配信プロセスと回避及び持続性のための様々なメカニズムを使用している。攻撃者は、ウクライナをテーマにしたExcelファイルに埋め込まれたVisual Basicアプリケーション(VBA)マクロを初期の誘引として使用し、不注意なユーザーがマクロを有効にすると、被害者のシステムにダウンローダーを展開する。このダウンローダーは、アンチウイルスや他のマルウェア検出ツールの存在を確認し、検出された場合はさらなる活動を即座に終了する。そうでない場合は、Webリクエストを使用してリモートの場所から次の段階のペイロードを引き出す。ダウンローダーは、特定のウクライナに位置するデバイスでのみ第二段階のペイロードをダウンロードできるように設計されており、その後、Cobalt Strikeが被害者のデバイスに展開される一連のステップを実行する。

この攻撃は、ウクライナの個人や組織を標的とした多数のキャンペーンと類似しており、特にロシアの2022年の侵攻後に報告されたものである。これらの攻撃の多くは、ウクライナの重要インフラの能力を妨害し、低下させることを目的としている。他の攻撃は、しばしばロシアの軍事目的を支援するために、ウクライナの政府や軍事機関を標的としている。これらの攻撃の主な実行者は、ロシアに基づくサイバーグループやその軍事情報機関で働く者たちであり、使用される武器はデータワイパーやランサムウェアから、ウクライナの電力網に対する攻撃でロシアのSandwormグループが使用した「Industroyer」のような高度にカスタマイズされたツールまで様々である。

【ニュース解説】

ウクライナのシステムが、悪意のあるExcelファイルを介してCobalt Strikeというツールによって攻撃された事件が発生しました。この攻撃キャンペーンは、複雑なペイロード(悪意のあるコードやデータ)配信プロセスと、検出を避けるためのさまざまな技術を使用しています。攻撃者は、ウクライナをテーマにしたExcelファイルにVisual Basicアプリケーション(VBA)マクロを埋め込み、このマクロを有効にすることで被害者のシステムにダウンローダーを展開します。このダウンローダーは、アンチウイルスなどのマルウェア検出ツールの存在を確認し、存在しない場合にのみ次の段階のペイロードをリモートからダウンロードして実行します。

この攻撃の特徴は、特定の地域(この場合はウクライナ)に位置するデバイスをターゲットにしている点です。また、Cobalt Strikeというツールが使用されていることも注目されます。Cobalt Strikeは、セキュリティテストで使用されることもある合法的なツールですが、攻撃者によって悪用されることもあります。このツールを使用することで、攻撃者はリモートからシステムを完全に制御し、さらなる悪意のある活動を行うことが可能になります。

このような攻撃は、ウクライナに対して行われている多くのサイバー攻撃の一つに過ぎません。特に、ロシアの2022年の侵攻以降、ウクライナの重要インフラや政府、軍事機関を標的とした攻撃が増加しています。これらの攻撃は、ウクライナの能力を妨害し、混乱を引き起こすことを目的としており、ロシアに基づくサイバーグループやその軍事情報機関が主な実行者とされています。

この事件は、サイバーセキュリティの重要性を改めて浮き彫りにしています。特に、国家間の対立が背景にある場合、サイバー攻撃は重要なインフラや政府機関に対して行われる可能性があり、その影響は甚大です。また、攻撃者が合法的なツールを悪用することで、検出を避けることが可能になるため、セキュリティ対策は常に進化し続ける必要があります。このような攻撃から身を守るためには、最新のセキュリティ対策の適用や、不審なメールやファイルの開封を避けるなど、個人レベルでの注意も重要です。

from Ukrainian Systems Hit by Cobalt Strike Via a Malicious Excel File.

ホーム » サイバーセキュリティ » サイバーセキュリティニュース » ウクライナ狙う悪意のExcel攻撃、Cobalt Strike使用でセキュリティ危機に