Last Updated on 2024-09-14 15:20 by admin
WordPress.orgは、プラグインやテーマの開発者に対して、アカウントのセキュリティ強化策として、2024年10月1日から二要素認証(2FA)の導入を義務付けると発表した。
この措置は、数百万のWordPressサイトで使用されるプラグインやテーマの更新や変更を行う権限を持つアカウントの不正アクセスを防ぎ、WordPress.orgコミュニティのセキュリティと信頼を維持するためのものである。
さらに、SVNパスワードという新しいセキュリティ層を導入し、ユーザーのコードコミットアクセスをWordPress.orgアカウントの資格情報から分離することで、セキュリティを強化する。
この発表は、悪意のある攻撃者が正規のプラグインやテーマに悪意のあるコードを導入し、大規模なサプライチェーン攻撃を引き起こす可能性を防ぐための対策とされている。
from:WordPress Mandates Two-Factor Authentication for Plugin and Theme Developers
【編集部解説】
WordPress.orgが発表した二要素認証(2FA)の義務化は、プラグインやテーマの開発者にとって重要なセキュリティ強化策です。この措置は、2024年10月1日から施行され、数百万のWordPressサイトで使用されるプラグインやテーマの更新や変更を行う権限を持つアカウントの不正アクセスを防ぐことを目的としています。この背景には、悪意のある攻撃者が正規のプラグインやテーマに悪意のあるコードを導入し、大規模なサプライチェーン攻撃を引き起こすリスクがあることが挙げられます。
二要素認証の導入に加え、WordPress.orgはSVNパスワードという新しいセキュリティ層を導入します。これは、ユーザーのコードコミットアクセスをWordPress.orgアカウントの資格情報から分離することで、主要なパスワードの露出を防ぎ、SVNアクセスを簡単に取り消すことができるようにするものです。このようなセキュリティ強化策は、技術的な制約により既存のコードリポジトリに2FAを適用できない場合でも、アカウントレベルでの二要素認証や高エントロピーのSVNパスワード、デプロイ時のセキュリティ機能(リリース確認など)を組み合わせることで、セキュリティを高めることができます。
この新しいセキュリティ対策は、WordPressコミュニティ全体にとってポジティブな影響をもたらします。開発者はより安全にプラグインやテーマを管理でき、ユーザーは安心してWordPressを利用することができます。しかし、開発者にとっては、2FAの導入やSVNパスワードの管理が新たな負担となる可能性もあります。そのため、これらの対策をスムーズに導入するためのサポート体制やガイドラインが求められます。
将来的には、このようなセキュリティ強化策が他のオープンソースプロジェクトにも波及し、全体的なセキュリティ意識の向上につながる可能性があります。特に、サプライチェーン攻撃のリスクが高まる中で、セキュリティ対策の強化は不可欠です。WordPressの取り組みは、他のプラットフォームにとっても参考となるでしょう。