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DHS警告:イラン核施設攻撃後、親イラン系ハッカーが米国ネットワークを標的に Truth Social攻撃も発生

DHS警告:イラン核施設攻撃後、親イラン系ハッカーが米国ネットワークを標的に Truth Social攻撃も発生 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-06-24 08:56 by TaTsu

2025年6月21日午後7時46分(東部時間)、トランプ大統領がTruth Social上で米軍によるイラン核施設3カ所(フォルド、ナタンズ、エスファハン)への攻撃成功を発表した。

この発表直後の午後8時頃、Truth Socialが「ネットワーク障害…再試行してください」というエラーメッセージと共にアクセス不能となった。

親イラン系ハッカーグループ「313 Team」が数時間後にこのプラットフォームに対する分散型サービス拒否(DDoS)攻撃の実行を主張した。インターネットセキュリティセンター(CIS)や複数のソーシャルメディア監視団体がこの攻撃の特徴を確認している。

米国土安全保障省(DHS)は、イラン・イスラエル戦争が2025年6月13日に開始されて以降、親イラン系グループによる米国ネットワークへのサイバー攻撃の可能性が高まっているとの警告を発していた。DHSは「親イラン系ハクティビストによる米国ネットワークに対する低レベルのサイバー攻撃が起こる可能性が高い」と述べている。

From: 文献リンクDHS Warns Pro-Iranian Hackers Likely to Target U.S. Networks After Iranian Nuclear Strikes

【編集部解説】

今回の事案は、地政学的な軍事行動とサイバー攻撃が極めて短時間で連鎖する現代戦争の特徴を鮮明に示しています。トランプ大統領の発表から約15分という驚異的な速さでサイバー報復が開始されたことは、デジタル時代の紛争がいかに即座にエスカレートするかを物語っています。

313 Teamは単独のハッカーグループではなく、親ロシア・親パレスチナ系ハクティビストの大規模ネットワークの一部として活動しています。彼らの標的選択は戦略的で、単なる技術的な妨害ではなく、政治的メッセージの発信を阻害することを狙っています。Truth Socialという政治的に象徴的なプラットフォームを選んだのは偶然ではありません。

技術的な観点から見ると、Truth SocialはTwitter(X)やMetaのような大手プラットフォームと比較してサイバーセキュリティ対策が脆弱である可能性が指摘されています。これは政治的に関連するプラットフォームが「より柔らかい標的」として狙われやすいことを示唆しています。

この攻撃は単発的な報復に留まらない可能性があります。既にイランは月曜日に物理的な報復として、カタールのアル・ウデイド空軍基地とイラクの米軍基地に対する「勝利の祝福」ミサイル作戦を実行しています。サイバー攻撃から物理攻撃への段階的エスカレーションは、現代のハイブリッド戦争の典型的なパターンです。

長期的には、このような政治的プラットフォームへの攻撃が常態化することで、情報インフラの安全保障が国家安全保障の重要な要素として認識される転換点となる可能性があります。特に2024年の大統領選挙に向けて、政治的なデジタルプラットフォームのセキュリティ強化が急務となるでしょう。

【用語解説】

313 Team
親イラン系ハクティビストグループで、親ロシア・親パレスチナ系の大規模ハクティビストネットワークの一部。イスラム教シーア派で神聖視される数字「313」を名称に使用している。

DDoS攻撃(分散型サービス拒否攻撃)
複数のコンピューターから同時に大量のアクセスを送信し、対象のサーバーを過負荷状態にしてサービスを停止させる攻撃手法。

ハクティビスト
政治的・社会的な主張を表現するためにサイバー攻撃を行う個人やグループ。「ハッカー」と「アクティビスト」を組み合わせた造語。

NetBlocks
インターネットアクセシビリティを監視する国際的な監視団体。政府による検閲やサイバー攻撃によるネットワーク障害を追跡・報告している。

【参考リンク】

米国土安全保障省(DHS)(外部)
米国の国土安全保障を担当する連邦政府機関。サイバーセキュリティ、テロ対策、国境警備、災害対応などを所管している。

Truth Social外部)
ドナルド・トランプが所有するTrump Media & Technology Groupが運営するソーシャルメディアプラットフォーム。

インターネットセキュリティセンター(CIS)(外部)
サイバーセキュリティのベストプラクティスを開発・普及する非営利組織。今回の攻撃確認に重要な役割を果たした。

【参考記事】

Cyberattack of Donald Trump’s Truth Social linked to Iranian hackers – The Hill(外部)
313 TeamによるTruth Social攻撃について、CISの確認情報を含めて詳細に報じた記事。

Iranian Hackers Claim DDoS Attack on Truth Social After Trump’s Iran Strike Post – UNDERCODE NEWS(外部)
サイバーセキュリティ専門メディアによる詳細な分析記事。313 Teamの背景と攻撃の技術的側面について解説。

Iran-Aligned Hackers Claim Attack on Trump’s Truth Social – Newsmax(外部)
攻撃後のイランによる物理的報復(カタール・イラクの米軍基地攻撃)についても言及した包括的な報道記事。

【編集部後記】

今回の事案を見ていて、現代の紛争がいかに瞬時にデジタル空間に波及するかに驚かされました。軍事攻撃の発表から15分でサイバー報復が開始されるという速度は、私たちが想像していた以上にデジタル戦争が身近になっていることを示しています。

皆さんが日常的に利用しているプラットフォームやサービスも、こうした地政学的な緊張の影響を受ける可能性があります。特に政治的な色彩を持つサービスは標的になりやすいことが今回明らかになりました。

このような状況で、個人や組織はどのような備えをすべきでしょうか。また、情報インフラの安全保障について、皆さんはどのようにお考えになりますか。ぜひご意見をお聞かせください。

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TaTsu
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