「iPhone Ultra」向けApple PencilをAppleが試作・テスト、製品化は見送りの可能性

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折りたたみiPhoneは、画面が大きくなればiPadのように使えるのでしょうか。Appleは「iPhone Ultra」向けApple Pencilを試作したと報じられましたが、製品化には折りたたみ画面特有の制約が立ちはだかっているようです。


2026年8月30日、9to5Macは、Appleが折りたたみ式iPhoneとして登場するとみられる「iPhone Ultra」向けに、新型Apple Pencilを試作・テストしていたと報じた。Bloombergのマーク・ガーマンによれば、試作モデルはiPad向けより短く、本体側面へ磁力で装着して充電する設計だったという。

一方、端末を持つ際の邪魔になりやすさや、内側ディスプレイに跡を残す可能性が課題として挙げられ、製品化される可能性は低いとされている。

From: 文献リンクiPhone Ultra向けApple Pencilの試作・テストを報じた9to5Macの記事

【編集部解説】

今回の報道で興味深いのは、Apple PencilをiPhoneで技術的に利用できるかどうかよりも、折りたたみiPhoneという筐体にApple Pencilをどう組み込むかが課題になっている点です。

9to5MacがBloombergのマーク・ガーマンの情報として伝えた試作案では、Apple PencilはiPhone Ultraの高さに合わせて既存モデルより短くし、本体側面へ磁力で取り付けて保管・充電する設計だったとされています。

現在のApple Pencil Proでも、対応するiPadの長い側面に磁力で装着することでペアリングと充電を行う仕組みが採用されています。

つまり報道された試作機は、Apple Pencilの使い方そのものを大きく変えるのではなく、iPadで成立している仕組みを折りたたみiPhoneのサイズへ縮小するアプローチだったと整理できます。

しかし、この方法はiPhoneでは使い勝手の問題が出てきます。iPadを横向きで使う場合、Apple Pencilは上辺に沿う形になりますが、iPhoneでは側面に装着したPencilを手と一緒に握る場面が増えます。ガーマンは、こうした配置では端末を持った際に邪魔になりやすかったと伝えています。

もう一つ報じられている問題が、内側ディスプレイです。

ガーマンによれば、Apple Pencilを使用すると、iPhone Ultraのよりデリケートな内側画面に目立つ跡を残す可能性があったとされています。

これはAppleが公式に耐久性上の問題を認めたものではなく、現時点では開発段階についての報道として扱う必要があります。

一方、既存のApple Pencilは、メモ、スケッチ、書類への注釈など、ペン先をディスプレイへ直接接触させる用途を前提としています。Apple Pencil Proではピクセルレベルの精度、低レイテンシ、筆圧感知などが提供され、iPadのディスプレイと組み合わせた入力機器として設計されています。

折りたたみiPhoneにペン入力を導入するなら、入力デバイスだけでなく内側画面の耐久性を含めた設計が必要になると考えられます。これは今回の報道から読み取れる重要なポイントです。

報道されている折りたたみiPhoneは、開くことで従来のiPhoneより広い画面を利用する設計とされています。手書きメモや注釈との相性は一見すると良さそうです。

Apple自身もApple Pencilを、メモ、スケッチ、注釈、日記などに利用できる入力機器として位置づけています。

しかし今回報じられた試作が製品化されないのであれば、画面サイズがiPadに近づくことと、iPadと同じ入力方法を採用できることは別問題だと分かります。

iPadでは広い筐体の側面をApple Pencilの保管場所として利用できます。一方、日常的に片手でも握るiPhoneでは、同じ仕組みをそのまま縮小すると携帯性や持ちやすさに影響します。さらに折りたたみ式では、内側画面への接触という別の条件も加わります。

そのため今回の試作情報は、Apple Pencilが必要か不要かという議論以上に、折りたたみ端末では画面が大きくなるだけでは既存のタブレット向け操作体系をそのまま移植できないことを示す事例として見ると分かりやすいでしょう。

なお、Appleは現時点でこのApple Pencilを正式発表しておらず、製品化されないという情報もGurman氏による報道段階です。

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Appleは、画面への直接接触を前提としないPencil技術も研究しています。折りたたみ画面との相性という課題に対し、将来的に別の入力方法が選択肢になるのかも注目点です。

【編集部後記】

iPhone UltraでApple Pencilが使えれば、かなりiPadに近い使い方ができそうです。
ただ、今回の報道を見ると、画面が大きくなるだけではiPadと同じ体験にはならないようです。iPadでは自然に成立しているPencilの収納や持ち方も、iPhoneでは意外と難しいのだと感じました。個人的には、開いた画面にそのままメモを書けるならかなり魅力的です。一方で、そこまでiPadに近づくなら、iPhoneとiPadをどう使い分けるのかも気になります。
折りたたみiPhoneが「小さなiPad」になるのか、それとも別の方向に進むのか注目したいです。


【参考リンク】

Apple Pencil|Apple(外部)
Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)の機能、対応するiPad、磁気装着や充電方法などを掲載するApple公式ページ。

Apple Pencilの互換性|Apple Support(外部)
各Apple Pencilを利用できるiPadと必要なiPadOSのバージョンを確認できる公式サポートページ。

【参考動画】

【参考記事】

Apple Pencil|Apple(外部)
現行Apple Pencilの精度、低レイテンシ、筆圧感知、磁気装着、ワイヤレス充電などの仕様を掲載。今回の試作Pencilと既存製品を比較する際の公式情報。

Apple Pencilの互換性|Apple Support(外部)
Apple Pencil ProおよびApple Pencil(USB-C)の公式対応機種を掲載。現行ラインアップでは対応機種としてiPadが案内されている。

Apple Pencil(USB-C)技術仕様|Apple Support(外部)
メモ、スケッチ、書類への注釈といった用途や、USB-Cによる充電、iPad側面への磁気装着などを掲載する公式仕様ページ。

【用語解説】

iPhone Ultra
Apple初の折りたたみ式iPhoneとして報道されている端末の呼称。2026年8月31日時点で、Appleは「iPhone Ultra」という製品名やApple Pencil対応を公式発表していない。

Apple Pencil
AppleがiPad向けに展開するスタイラス。Appleの現行製品ページでは、Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)が案内されており、手書き、スケッチ、書類への注釈などに利用できる。Apple Pencil Proは対応するiPad側面への磁気装着によるペアリングとワイヤレス充電に対応する。

フォルダブルスマートフォン
柔軟なディスプレイとヒンジを使い、本体を折りたためるスマートフォン。横方向に開いて小型タブレットに近い画面を作るブックスタイルと、縦方向に折りたたむフリップスタイルなどがある。

内側ディスプレイ
折りたたみ端末を開いた状態で使用する画面。今回の報道では、Apple Pencilを使用した場合に、この画面へ目立つ跡を残す可能性が試作段階の問題として挙げられている。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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