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Hello SpaceのMAG DRIVE|走りながら充電する電動自転車|CES 2026で公開

[更新]2026年1月6日

Hello SpaceのMAG DRIVE|走りながら充電する電動自転車|CES 2026で公開 - innovaTopia - (イノベトピア)

日本拠点のクリーンテック・スタートアップであるHello Space株式会社は、CES 2026において「MAG DRIVE」を公開する。これは磁気抵抗を発生させずにペダリングによってバッテリーを充電する、特許取得済みの半超電導再生駆動システムである。

通常のペダリング速度での出力は100Wから250Wで、2つのバッテリーを搭載し、各バッテリーは2~3時間の走行で完全に充電される。Hello Spaceは2021年からトヨタ通商ネクスティエレクトロニクスグループと共同開発を行っており、CES 2022でコンセプトを発表した。

同社はインドのEV製造業者XERO(Anantshree Vehicle Pvt. Ltd)と覚書を締結し、ペダル充電システムを搭載したスマート電動自転車を共同開発する。最初のスマート電動自転車は2026年に利用可能となり、バイクシェアリングサービス、配送用EV、フィットネスバイクなどを対象とする。Hello Spaceは2018年に設立された。

From: 文献リンクJapan’s Hello Space to Unveil “MAG DRIVE” at CES 2026: A Zero Magnetic Resistance System Revolutionizing E-Bike Charging

 - innovaTopia - (イノベトピア)
Hello Space PRNewswireより引用

【編集部解説】

電動自転車のレンジ不安(range anxiety)は、都市モビリティにおける大きな課題の一つです。特にバイクシェアリングサービスや配送業務では、頻繁な充電が運用コストと利便性の両面でボトルネックとなっています。

Hello Spaceが発表したMAG DRIVEは、この課題に対して従来とは異なるアプローチで挑んでいます。既存の回生ブレーキ技術は、減速時や下り坂での運動エネルギーを回収するものですが、その効率は全体の1〜2%程度に留まり、外部充電を代替できるものではありませんでした。

今回の技術で注目すべきは「ゼロ磁気抵抗」を謳っている点です。通常、発電機はペダリングに対して抵抗を生じさせるため、漕ぎ心地が重くなるという本質的な課題がありました。しかし、同社が「半超電導再生駆動システム」と呼ぶ技術によって、この抵抗をゼロにしたと主張しています。

一般的な超電導技術は極低温環境を必要とするため、自転車のような小型モビリティへの応用は技術的ハードルが高いとされてきました。Hello Spaceがどのような方式でこれを実現しているのか、具体的な技術詳細は明らかにされていませんが、2021年からトヨタ通商ネクスティエレクトロニクスグループと共同開発を進めており、特許も取得済みとのことです。

システムの構成は比較的シンプルで、2つのバッテリーを搭載し、一方が充電中にもう一方が駆動用として機能します。通常のペダリング速度で100Wから250Wの出力を発生させ、各バッテリーは2〜3時間の走行で完全充電されるとしています。

この性能が実際の使用環境で達成されれば、バイクシェアリングサービスの運用は大きく変わる可能性があります。充電ステーションへの頻繁な回収が不要になり、利用者が乗っている間に自動的に充電されるため、稼働率の向上が期待できます。

ただし、技術メディアT3が指摘するように、「ゼロ抵抗」と「ペダリングだけでの完全充電」という主張は、実際の使用環境での検証が必要です。坂道、ライダーの体重、気象条件などの実世界の変数が、プロトタイプでの性能をどれだけ維持できるかは未知数です。

CES 2026での実機デモンストレーションと、インドのEVメーカーXEROとの提携による2026年の商用化計画は、この技術の実用性を評価する重要な機会となるでしょう。eモビリティの「充電問題」という根本的課題に対する、日本発の革新的なソリューションとして注目に値します。

【用語解説】

半超電導再生駆動システム
超電導技術の一部を応用した発電・充電システム。通常、超電導は極低温環境(絶対零度近く)で電気抵抗がゼロになる現象を指すが、Hello Spaceのシステムは「半超電導」として、ペダリング時の磁気抵抗を大幅に低減する技術を採用していると推測される。具体的な技術詳細は公開されていない。

回生ブレーキ(regenerative braking)
減速時や下り坂でのブレーキング時に、運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに戻す技術。電気自動車や一部の電動自転車に採用されているが、回収できるエネルギーは走行エネルギー全体の1〜2%程度と限定的である。

レンジ不安(range anxiety)
電気自動車や電動自転車などのバッテリー駆動の乗り物において、目的地に到着する前にバッテリーが切れるのではないかという利用者の不安感。eモビリティの普及における主要な心理的障壁の一つとされている。

【参考リンク】

Hello Space株式会社(外部)
熊本を拠点とする日本のクリーンテック・スタートアップ。超電導や量子技術などを活用した先進モビリティおよび新エネルギー技術の開発を行っている。2018年設立。

XERO(Anantshree Vehicle Pvt. Ltd)(外部)
インドを拠点とするEVメーカー。持続可能性とビジネス向け電動輸送ソリューションに取り組むグローバルブランドを目指している。

CES 2026(外部)
世界最大級のテクノロジー見本市。毎年1月に米国ラスベガスで開催される。最新のコンシューマーエレクトロニクス製品やイノベーションが発表される場として知られている。

【参考記事】

CES just teased the future of e-bikes and it might finally fix range anxiety(外部)
英国の技術メディアT3による分析記事。MAG DRIVEの概要を紹介しつつ、実世界での検証の必要性を指摘している。

Why Does Regenerative Charging Matter for E-Bikes?(外部)
電動自転車における回生充電技術の解説記事。既存の回生ブレーキシステムの仕組みと限界について詳しく説明している。

Do E-Bikes Charge While Pedaling or Braking? Understanding Regenerative Charging(外部)
電動自転車の充電メカニズムについての解説。回生ブレーキによる充電は全体のバッテリー容量の1〜2%程度の範囲拡張にしかならないとしている。

【編集部後記】

電動自転車の充電問題は、多くの方が日常的に感じている課題かもしれません。出先でバッテリー残量を気にしながら走った経験はありませんか。

今回のMAG DRIVEが本当に「走りながら充電できる」技術として実用化されれば、eモビリティの使い方は大きく変わりそうです。ただ、「ゼロ磁気抵抗」という主張がどこまで実現できているのか、実際の走行でどれほどの充電効率が得られるのか、CES 2026での実機デモが気になるところです。

みなさんは、電動自転車にどのような進化を期待されますか。充電の手間が減ることで、利用シーンはどう広がると思われるでしょうか。ぜひご意見をお聞かせください。

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omote
デザイン、ライティング、Web制作を行っています。AI分野と、ワクワクするような進化を遂げるロボティクス分野について関心を持っています。AIについては私自身子を持つ親として、技術や芸術、または精神面におけるAIと人との共存について、読者の皆さんと共に学び、考えていけたらと思っています。

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