advertisements

SwitchBot、CES 2026で家庭用ロボット「onero H1」発表。エンボディドAIで家事を代行する時代へ

[更新]2026年1月6日

SwitchBot、CES 2026で家庭用ロボット「onero H1」発表。エンボディドAIで家事を代行する時代へ - innovaTopia - (イノベトピア)

SwitchBotは2026年1月5日、CES 2026でスマートホーム2.0ビジョンを発表し、エンボディドAIを搭載した新製品群を紹介した。家庭用ロボットonero H1は22自由度を備え、OmniSense VLAモデルを搭載する。A1ロボットアームとともに予約注文が可能となる。

Lock Visionシリーズは2,000以上の赤外線投影ポイントを用いた3D構造化光顔認証を搭載し、Matter-over-Wi-Fi接続によりApple Homeと直接統合できる。Lock Vision Proは手のひら静脈認証オプションを備える。AI MindClipは重量18gの音声ベースAIアシスタントで、100以上の言語をサポートし、サブスクリプションベースのクラウドAIサービスを採用する。Weather Stationは7.5インチE-Inkディスプレイを搭載し、6日間の天気予報を表示する。OBBOTOは2,900個以上のRGB LEDを搭載したピクセルグローブライトである。Acemate Tennisロボットは2025年夏のIFAで初公開され、今回CESで初展示される。

From: 文献リンクSwitchBot Ups its Game at CES With Multiple New Releases

【編集部解説】

SwitchBotが今回CES 2026で掲げた「スマートホーム2.0」というビジョンは、単なるマーケティング用語ではありません。従来のスマートホームが「個別のデバイスをアプリで制御する」という形態だったのに対し、同社が目指すのは「エンボディドAI」を核とした統合エコシステムです。

エンボディドAI(身体性AI)とは、クラウド上の頭脳だけでなく、物理的な身体を持ち、現実世界と直接相互作用できるAIを指します。onero H1はまさにこの概念を体現した製品で、視覚、深度センシング、触覚フィードバックを組み合わせることで、物体の位置や形状を理解し、掴む、押す、開けるといった操作を実行します。WebProNewsの報道によれば、価格は約1,500ドル(約22万5000円、1ドル150円換算)程度になると推測されており、Teslaのオプティマスなど数百万円規模のロボットと比べて、現実的な価格帯に収まる可能性があります。

ただし、家庭用ロボットの実用化には依然として課題があります。布のような変形する物体の操作、バッテリー持続時間、騒音レベル、安全機構など、実環境での信頼性はデモ映像だけでは判断できません。SwitchBotは2026年半ばにベータプログラムを開始する予定とされており、実際の使用データを収集してから製品化される見込みです。

Lock Visionシリーズで注目すべきは、Matter-over-Wi-Fi対応により、ハブなしでApple Homeと直接統合できる点です。これは日本の住宅事情において重要な意味を持ちます。多くのスマートロックがBluetooth接続やプロプライエタリなハブを必要とする中、標準規格への対応は相互運用性を大きく向上させます。2,000以上の赤外線投影ポイントによる3D顔認証は、写真や動画による「なりすまし」を防ぐ3Dライブネス検出機能を備えており、セキュリティ面での懸念に応えています。

一方、AI MindClipには重大なプライバシーの懸念があります。「常時録音」という機能は、会議や会話を記録する上で便利ですが、同時に監視社会への一歩となり得ます。Engadgetの取材によれば、実機での動作確認はまだできておらず、価格や発売時期も未定です。サブスクリプション型クラウドサービスに依存する点も、データの保管場所や暗号化の詳細が明らかになるまで、慎重な評価が必要でしょう。

Weather Stationは地味ながら実用的な製品です。7.5インチのE-Inkディスプレイは、目に優しく、常時表示に適しています。AI生成の気象ブリーフィングは、単なる天気予報ではなく、その日の服装や行動の推奨まで含まれるとのことです。

SwitchBotの戦略で興味深いのは、大型ロボットから小型ウェアラブルまで、幅広い製品群を「エンボディドAI」という一つのコンセプトで統合しようとしている点です。これは、個別のガジェットを売るのではなく、生活全体を支援するエコシステムを構築するという長期的な視点を示しています。

今回の発表が現実のものとなるかは、今後数ヶ月の実機レビューと市場投入のタイミング次第です。特にonero H1については、実際の家庭環境でどれだけの作業をこなせるのか、その検証が鍵となるでしょう。

【用語解説】

エンボディドAI(Embodied AI / 身体性AI)
クラウド上の頭脳だけでなく、センサーやアクチュエーターなど物理的な身体を持ち、現実世界と直接相互作用できるAIのこと。単なる情報処理ではなく、視覚、触覚、深度認識などを統合して物理的な操作を実行する能力を持つ。

OmniSense VLA
onero H1に搭載されているオンデバイスのVision-Language-Action(視覚・言語・行動)モデル。視覚入力と言語理解を統合し、適切な物理的行動を実行するためのAIシステム。

Matter-over-Wi-Fi
スマートホーム機器の相互運用性を実現する標準規格「Matter」を、Wi-Fi接続で実装する方式。従来のBluetooth接続やプロプライエタリなハブを必要とせず、異なるメーカーの製品間で直接通信が可能になる。

3Dライブネス検出
生体認証システムにおいて、写真や動画などの偽造物ではなく、実際の生きた人間であることを確認する技術。3D構造化光を用いて立体的な顔の形状を検出し、平面的な画像による「なりすまし」を防ぐ。

E-Ink(電子インク)
電子ペーパー技術の一種。紙のような見た目で目に優しく、表示を維持するのに電力を消費しないため、常時表示に適している。直射日光下でも視認性が高い。

DualPower / DualBackup
充電式メインバッテリーと長寿命バックアップバッテリーを組み合わせた二重電源システム。メインバッテリーが切れてもバックアップで動作を継続でき、緊急時にはUSB-Cポートから給電も可能。

CES(Consumer Electronics Show)
毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市。最新のテクノロジー製品やイノベーションが発表される場として、業界の動向を占う重要なイベント。

【参考リンク】

SwitchBot公式サイト(外部)
スマートホームデバイスメーカーSwitchBotの公式サイト。今回のCES 2026で「スマートホーム2.0」ビジョンを発表。

CES公式サイト(外部)
世界最大級のテクノロジー見本市の公式サイト。毎年1月にラスベガスで開催される。

Apple Home(HomeKit)(外部)
Appleが提供するスマートホームプラットフォーム。iPhoneやiPadから対応デバイスを一元管理できる。

Matter規格 – Connectivity Standards Alliance(外部)
スマートホームデバイスの相互運用性を実現するオープン標準規格。主要企業が参加している。

【参考記事】

CES 2026: SwitchBot Debuts $1,500 Onero H1 Humanoid Robot for Home Tasks(外部)
onero H1の価格が約1,500ドル程度になる可能性を報じた記事。2026年半ばにベータプログラムを開始予定。

SwitchBot Demonstrates Smart Home 2.0 Powered by AI Robotics at CES 2026(外部)
SwitchBot公式のプレスリリース。エンボディドAIを核とした「スマートホーム2.0」ビジョンの詳細を説明。

SwitchBot turned up to CES with an AI wearable that records everything you say(外部)
AI MindClipに焦点を当てた記事。実機での動作確認ができず、価格や発売時期が未定であることを報告。

SwitchBot at CES 2026: the connected home is switching to AI robotic mode(外部)
Lock Visionシリーズのバッテリー仕様を詳細に報告。10,000mAhで最大6ヶ月動作、CR123Aで最大5年間対応。

SwitchBot’s CES 2026 includes 3D-mapping smart locks, robot assistance(外部)
onero H1の技術仕様に焦点。OmniSense VLAモデルが深度センシング、触覚フィードバックを組み合わせることを説明。

SwitchBot Unveils Smart Home 2.0 with Embodied AI at CES 2026(外部)
スマートホーム2.0エコシステム全体を俯瞰。Lock Vision Proの手のひら静脈認証の詳細を説明。

【編集部後記】

SwitchBotが掲げる「スマートホーム2.0」のビジョンに、みなさんはどのような未来を感じたでしょうか。家庭用ロボットという存在は、SF映画の世界を現実に引き寄せる一歩かもしれません。一方で、常時録音するAI MindClipのようなデバイスには、便利さと引き換えに何を差し出すのか、という問いも生まれます。

これらの製品が実際の生活にどう溶け込むのか、あるいは溶け込まないのか、実機レビューを心待ちにしています。みなさんなら、どの製品に最も関心を持たれますか。

投稿者アバター
Ami
テクノロジーは、もっと私たちの感性に寄り添えるはず。デザイナーとしての経験を活かし、テクノロジーが「美」と「暮らし」をどう豊かにデザインしていくのか、未来のシナリオを描きます。 2児の母として、家族の時間を豊かにするスマートホーム技術に注目する傍ら、実家の美容室のDXを考えるのが密かな楽しみ。読者の皆さんの毎日が、お気に入りのガジェットやサービスで、もっと心ときめくものになるような情報を届けたいです。もちろんMac派!

読み込み中…

innovaTopia の記事は、紹介・引用・情報収集の一環として自由に活用していただくことを想定しています。

継続的にキャッチアップしたい場合は、以下のいずれかの方法でフォロー・購読をお願いします。