TSMC決算|AI半導体需要が急増、純利益57%増の過去最高を記録 – 2025年も成長継続へ

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世界最大の半導体受託製造企業TSMCが2024年第4四半期決算を発表。AI関連製品の需要急増により、過去最高の業績を達成した。

業績ハイライト

・売上高:8,684.6億台湾ドル(約263.6億米ドル)、前年同期比38.8%増
・純利益:3,746.8億台湾ドル(約113.7億米ドル)、前年同期比57.0%増
・ハイパフォーマンスコンピューティング部門が売上の53%を占め、前四半期比19%増

2024年通期実績と2025年見通し

・年間総売上高:2.9兆台湾ドル(約879億米ドル)
・2025年設備投資計画:380億~420億米ドル(前年比約41%増)
・AIアクセラレータ製品の売上は2025年に倍増見込み

from:TSMC net profit hits record high as fourth-quarter results top expectations on robust AI chip demand

【編集部解説】

TSMCの今回の決算は、AI時代における半導体産業の転換点を示す重要な指標となっています。

特に注目すべきは、AI関連製品の売上が総売上の15%程度を占めるまでに成長したことです。これは、データセンターやAIアクセラレータ向けの高性能チップ需要が急増していることを示しています。

同社のWendell Huang CFOは、2025年にはAIアクセラレータからの売上が2倍になると予測しています。これは、生成AIの実用化が本格化し、企業のAIインフラ投資が加速することを示唆しています。

一方で、2025年には複数の課題に直面する可能性があります。米国の対中輸出規制の強化や、次期大統領ドナルド・トランプの通商政策による不確実性が挙げられます。

また、アリゾナ工場の本格稼働に伴う減価償却費の増加や、台湾での電力料金上昇が利益率に影響を与える可能性があります。

しかし、TSMCの技術的優位性は揺るぎなく、特に3nmと5nmプロセスでの量産体制は、競合他社との差を広げています。今後5年間のAI需要の持続的な成長を見込み、過去最大となる設備投資を計画していることは、同社の強い自信を示しています。

【用語解説】

  • ファウンドリ
    半導体の受託製造に特化した企業形態
  • AIアクセラレータ
    AI処理を高速化する専用半導体チップ
  • 3nmプロセス
    最先端の半導体製造技術、より小さく高性能なチップの製造が可能

【参考リンク】

  1. TSMC公式サイト(外部)
    世界最大の半導体受託製造企業の日本語公式サイト。最新の技術情報や企業情報を提供
  2. TSMCジャパン(JASM)(外部)
    熊本工場の詳細情報や採用情報を提供する公式ページ

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