SpaceX スターシップ第6回テスト飛行が11月18日に決定 ─ 宇宙空間でのエンジン再点火に挑戦

SpaceX スターシップ第6回テスト飛行が11月18日に決定 ─ 宇宙空間でのエンジン再点火に挑戦 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-11-09 08:30 by admin

SpaceXは2024年11月18日午後5時(米東部時間)、スターシップの第6回テスト飛行を実施予定です。テキサス州ボカチカのスターベースから打ち上げられる本機は、約30分の飛行を予定しています。

主な技術実証内容

宇宙空間でのラプターエンジン再点火試験や、熱シールドの新素材テストが計画されています。特筆すべきは、より高角度での大気圏再突入試験も実施される点です。前回10月13日の飛行からわずか5週間という、最短ターンアラウンドでの打ち上げとなります。

from:Starship’s Next Launch Could Be Just Two Weeks Away

【編集部解説】

SpaceXの第6回スターシップテスト飛行は、宇宙開発の新たな地平を切り開く重要な一歩となります。

今回の打ち上げで特に注目すべきは、宇宙空間でのラプターエンジンの再点火試験です。これは将来の軌道上給油や月・火星ミッションに不可欠な技術となります。エンジンの再点火能力は、宇宙船が地球軌道から他の天体へ向かう際の軌道変更や、大気圏再突入時の制御に必要不可欠だからです。

熱シールドの実験も興味深い点です。意図的にタイルを除去した状態での飛行は大胆な試みに見えますが、これは将来的な完全再使用型システムの実現に向けた重要なデータ収集となります。

打ち上げ時刻を午後に変更した理由も注目に値します。インド洋上空での日中の再突入は、熱シールドの性能や機体の挙動をより詳細に観察できる機会を提供します。

第5回テスト時には、ブースター回収の1秒前でミッションが中止される可能性があったことが明らかになっています。この経験を活かし、今回は推進システムの冗長性強化やソフトウェア制御の改良が施されています。

特筆すべきは、わずか5週間という短期間での次回打ち上げです。これはFAAのライセンス取得手続きの簡素化によって可能となりました。この迅速な開発サイクルは、将来の商業宇宙輸送の実現に向けた重要な一歩となります。

今回が初期型スターシップの最後の飛行となることも重要です。次世代機では前方フラップの再設計や推進剤タンクの大型化など、大幅な改良が予定されています。これらの改良は、NASAのアルテミス計画における月面着陸船としての性能向上にも直結します。

スターシップの開発は、単なるロケット開発の枠を超えて、人類の宇宙進出の可能性を大きく広げる可能性を秘めています。特に、軌道上での給油能力の実現は、深宇宙探査のコストを劇的に低減させる可能性があります。

【参考情報】

  • スターシップの全長:122メートル(東京タワーの約3分の1)
  • エンジン数:
    • スーパーヘビー(第1段):33基
    • スターシップ(第2段):6基2
  • アルテミス計画での役割:
    • 月面着陸船として使用
    • 軌道上での燃料補給が必要4

【参考リンク】

  1. SpaceX スターシップ公式ページ(外部)
    次世代宇宙船スターシップの詳細仕様と開発状況を確認できる公式サイト
  2. NASA アルテミス計画(外部)
    スターシップが月面着陸船として使用される予定のNASAの月探査計画の詳細

【参考YouTube】

The Insane Engineering of SpaceX Raptor Explained – Part 1 | Starship Engineering Series

【関連記事】

スペーステクノロジーニュースをinnovaTopiaでもっと読む

ホーム » スペーステクノロジー » スペーステクノロジーニュース » SpaceX スターシップ第6回テスト飛行が11月18日に決定 ─ 宇宙空間でのエンジン再点火に挑戦