AEKE INC.は2026年2月2日、ニューヨークでAI搭載ホームジム「AEKE 1 Smart Home Gym K1」の発売を発表した。本製品は43インチ4Kディスプレイを搭載し、有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟性トレーニング、アクティブリカバリーなど数百種類のエクササイズに対応する。
6Dスマートテクノロジーにより、体重、心肺能力、バランスなどをリアルタイムで追跡し、姿勢修正や負荷調整、パーソナライズされたトレーニング計画を提供する。5つのパワーモードを搭載し、ワンクリックで折りたたみ可能な設計により玄関マットサイズに収納できる。サブスクリプション料金は不要で、ガイド付きエクササイズへの生涯アクセスが可能である。AEKEはKickstarterで140万ドルの資金調達に成功した。別売りアクセサリーとしてAEKE B1 Fitness Benchも提供される。
From:
AEKE Launches Revolutionary AI-Powered Home Gym to Help Consumers Smash 2026 Fitness Goals
アイキャッチはAEKE globenewswireより引用


【編集部解説】
スマートホームジム市場は、コロナ禍を経て急速に成熟しています。TonalやTempo Studioといった先行プレイヤーが確立したこの市場において、AEKEが打ち出す「サブスクリプション不要」という戦略は、業界の収益モデルに一石を投じるものです。
多くの競合製品が月額39ドルから49ドルのサブスクリプション料金を課している中、AEKEは初期費用のみで生涯アクセスを提供します。これは5年間で計算すると、2,340ドルから2,940ドルの差額を生むことになります。TonalやTempoと同価格帯でありながら、長期的なコストパフォーマンスでは明確な優位性を持つ製品といえるでしょう。
技術面では、17ポイント骨格追跡システムによるリアルタイムフォーム修正、6Dスマートテクノロジーによる体組成分析、5つの異なるレジスタンスモードなど、競合製品と遜色ない機能を搭載しています。特に注目すべきは、デジタルモーターによる即座の負荷調整機能です。これは従来のフリーウェイトでは実現できない、AIならではの強みといえます。
折りたたみ時に0.3平方メートル(玄関マットサイズ)になる省スペース設計も、日本を含むアジア市場を意識した設計と考えられます。競合のTonalが壁面取り付け必須で7×7フィート(約2.1×2.1メートル)のスペースを要求するのに対し、AEKEの可搬性は大きなアドバンテージです。
ただし、いくつかの課題も見えてきます。Kickstarterで140万ドルを調達し、既に市場投入されているものの、認知度では先行するTonalやPelotonに及びません。また、サブスクリプション不要というビジネスモデルは、継続的なコンテンツ更新やカスタマーサポートの質を長期的に維持できるかという疑問も残ります。
ユーザーレビューを見ると、ソフトウェアアップデートの頻度やカスタマーサポートの質は高く評価されていますが、一部でワークアウトのタイミング調整やオーディオ同期の問題が報告されています。これらは今後のアップデートで改善される可能性が高いものの、購入検討者は留意すべきポイントでしょう。
フィットネステック業界全体で見ると、この製品は「所有」から「利用」へというトレンドに逆行する興味深い試みです。サブスクリプション疲れが指摘される中、買い切り型のプレミアム製品が市場でどう受け入れられるか、その動向は他の業界にも示唆を与えるかもしれません。
【用語解説】
6Dスマートテクノロジー
体重、体脂肪率、筋肉量、骨密度、心肺能力、バランス感覚の6つの指標を多次元的に測定・分析する技術。従来の体組成計が主に静的データを測定するのに対し、運動中のリアルタイムデータも含めて総合的に身体状態を把握し、個別最適化されたトレーニングプランを生成する。
17ポイント骨格追跡
カメラとAIを用いて、人体の主要な17箇所の関節や骨格ポイントをリアルタイムで追跡する技術。肩、肘、手首、腰、膝、足首などの動きを立体的に捉え、運動フォームの正確性を判定してフィードバックを提供する。モーションキャプチャ技術の民生応用例といえる。
デジタルモーター(による負荷調整)
電磁力や磁気抵抗を用いて、物理的なウェイトを使わずにトレーニング負荷を生成・調整する仕組み。ユーザーの動作速度や筋力に応じて瞬時に抵抗値を変更できるため、従来のフリーウェイトでは困難だった細かな負荷制御が可能になる。
サブスクリプションモデル
製品やサービスを買い切りではなく、月額または年額で継続課金する収益モデル。フィットネステック業界では、ハードウェア販売後も継続的にコンテンツやサポートを提供する対価として月額39〜49ドル程度を徴収するのが一般的。
【参考リンク】
AEKE公式サイト(外部)
AI搭載スマートホームジムK1の製品詳細、仕様、価格情報を掲載。5つのレジスタンスモード、300種類以上のエクササイズ、折りたたみ機能などの技術仕様が確認できる。
AEKE K1 Kickstarterキャンペーン(外部)
635人のバッカーから140万ドルを調達したクラウドファンディングページ。初期支援者のコメントや製品開発の経緯が閲覧可能。
Tonal公式サイト(外部)
スマートホームジム市場のリーディングブランド。壁面設置型で最大200ポンドのデジタル負荷を提供。月額49ドルのサブスクリプションが必要。
Tempo公式サイト(外部)
フリーウェイトとAIを組み合わせたスマートホームジム。3Dセンシング技術でフォーム分析を行う。壁面設置不要の独立型が特徴。
【参考記事】
We Tested the Most Popular Smart Home Gym Equipment. Here’s What We Liked Best.(外部)
Men’s Health誌によるスマートホームジム機器の総合テスト記事。Tonal 2の仕様やPeloton Cross-Training Bike+のサブスクリプション料金など、競合製品の詳細が比較されている。
Best Smart Home Gym Equipment (2026) | Garage Gym Reviews(外部)
Garage Gym Reviewsによる詳細なテストレビュー。Tonal 2の保証条件やSpeediance Gym Monsterの価格帯など、製品比較に役立つ情報が掲載されている。
Tonal vs. Tempo: Smart Home Gym 2026 | Garage Gym Reviews(外部)
TonalとTempoの詳細比較記事。両製品の技術的特徴、サブスクリプションモデル、返品ポリシーや保証条件などが詳しく解説されている。
We tested a Smart Home Gym and really liked it(外部)
GizmochinaによるAEKE K1の実機レビュー。43インチタッチスクリーン、カメラ技術、月額サブスクリプション不要の買い切りモデルなどの特徴が確認されている。
AEKE K1: Your AI-Powered Home Gym and Personal Trainer by AEKE — Kickstarter(外部)
AEKEのKickstarterキャンペーンページ。635人のバッカーから140万ドルの資金調達に成功。目標額48,000ドルの約30倍の支援を獲得したことが記録されている。
【編集部後記】
ジムの会費とサブスクリプション料金を合わせると、年間で数十万円の支出になる方も多いのではないでしょうか。AEKEのような買い切り型の製品は、5年、10年という長期スパンで見ると確かに経済合理性があります。一方で、サブスクリプションモデルには継続的なコンテンツ更新やサポートの充実というメリットもあります。
皆さんは、フィットネスにおける「所有」と「利用」、どちらに価値を感じますか?そして、AIによるフォーム指導は、人間のトレーナーとの対話を本当に代替できるものなのでしょうか。このテクノロジーがもたらす未来について、ぜひご意見をお聞かせください。





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