Googleの放棄した「Blocks」がオープンソースで復活、VR創造の新時代へ

Googleの放棄した「Blocks」がオープンソースで復活、VR創造の新時代へ - innovaTopia - (イノベトピア)

Googleの3Dモデリングプラットフォーム「Blocks」が、オープンソースプロジェクト「Open Blocks」として再生されることになった。

これは、Googleが放棄したVRアートツールのオープンソース版として、以前に「Tilt Brush」をオープンソース化したIcosa Foundationによるものである。

GoogleはTilt Brushを3D描画用に買収し、VRヘッドセット用の3DモデリングツールとしてBlocksを立ち上げたが、VR技術への投資を減らすにつれて、Tilt Brushはその作成者によってオープンソース化された。

プロジェクトの進行が停止してから6年以上経った後、Icosa Foundationは、Quest、Pico、Steam向けに現代化されたリリースを準備している。オリジナルのオープンソースファイルは既にGithubで利用可能である。

Open Blocksの開発には、Google AR & VRチームとの協力の下、コードベースを使用可能な状態にする作業が含まれている。

OpenXRフレームワークとUnity内の新しい入力システムの使用に切り替えることで、より幅広いXRデバイスに対応することを目指している。

将来的には、Open BlocksをQuestおよびPicoプラットフォームに持ち込むためのスタンドアロンXRポートを作成する予定であり、MRパススルーなどの没入型XR機能の追加の機会も多くある。

glTFのインポートサポートと、Googleの廃止された3DオブジェクトリミックスプラットフォームPolyの代替となるIcosa Galleryへのサポートが計画されている。

また、GoogleとSamsungは、Metaの9月のConnectイベントの後、10月にAndroid XRの個人コンピューティングの次のステップを発表する予定である。

【編集者追記】用語解説

  • OpenXR:
    OpenXRは、バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)のアプリケーションを開発するための標準化されたインターフェースです。様々なVR/ARデバイスに対応したアプリケーションを、一度の開発で作成できるようにすることが目的です。
  • glTF (GL Transmission Format):
    3Dモデルやシーンを効率的に伝送し、表示するためのファイル形式です。3D業界における「JPEG」のような存在と言えるでしょう。
  • Icosa Foundation:
    GoogleのTilt BrushやPolyの代替となるオープンソースプロジェクトを開発している非営利団体です。

【参考リンク】
Icosa Foundationオフィシャルサイト(外部)

VIRTUAL REALITY 3D SCULPTING | Google Blocks VR (HTC Vive Gameplay)

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【ニュース解説】

Googleが以前に開発していた3Dモデリングプラットフォーム「Blocks」が、オープンソースプロジェクト「Open Blocks」として復活することになりました。この動きは、VRアートツール「Tilt Brush」をオープンソース化した経験を持つIcosa Foundationによって推進されています。GoogleはVR技術への投資を縮小する中で、Tilt Brushをオープンソース化しましたが、今回はBlocksが同様の運命をたどり、新たな命を吹き込まれることになりました。

Open Blocksの開発には、GoogleのAR & VRチームとの密接な協力があり、コードベースを現代の技術に合わせて更新する作業が行われています。特に注目すべきは、OpenXRフレームワークへの移行とUnity内での新しい入力システムの採用です。これにより、Open BlocksはさまざまなXRデバイスに対応し、より広いユーザー層に届けられるようになります。また、MRパススルーのような没入型のXR機能の追加も計画されており、ユーザー体験の向上が期待されます。

このプロジェクトの背景には、VR技術とその応用範囲の拡大があります。Open Blocksの復活と進化は、クリエイターやデザイナーにとって新たな表現の場を提供し、VR空間での3Dモデリングの可能性を広げることになります。また、glTFのインポートサポートやIcosa Galleryへのサポートを通じて、ユーザーが作成したコンテンツの共有や再利用が容易になり、VRコンテンツのエコシステムを豊かにします。

しかし、オープンソース化には潜在的なリスクも伴います。例えば、セキュリティの問題や、不適切なコンテンツの拡散などが挙げられます。これらの問題に対処するためには、コミュニティの監視と適切なガイドラインの設定が重要になります。

長期的な視点で見ると、Open Blocksのようなプロジェクトは、VR技術の民主化に貢献し、より多くの人々がVR開発に参加できるようになることを意味します。これは、VR技術のイノベーションを加速させ、将来的には教育、設計、エンターテインメントなど、さまざまな分野での応用が期待されます。また、GoogleとSamsungがAndroid XRの個人コンピューティングに関する次のステップを発表することで、VR/AR技術の進化と普及がさらに加速することになるでしょう。

from Google Blocks Set For Open Source Rebirth On Quest, Pico & Steam.

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