VR開発会社Stress Level Zeroは、人気VRゲーム「Bonelab」に、Quest 3およびQuest 3Sの内蔵カメラを利用した上半身トラッキング機能「Inside-Out Body Tracking (IOBT)」を実装する計画を発表した。
Stress Level Zeroの創設者Brandon J Laatschは、IOBTを「2016年のトラックコントローラー以来、最もゲームチェンジングなVRハードウェアの機能」と評価している。
IOBTは2023年12月にリリースされたMeta社の機能で、Quest 3とQuest 3Sの側面カメラを使用して、手首、肘、肩、胴体を高度なコンピュータビジョンアルゴリズムでトラッキングする。
Laatschによると、この機能はBonelabのパッチ7または8で実装される予定だ。最新のパッチ6は2024年8月にリリースされている。
現在、IOBTを使用しているスタンドアロンアプリは「Swordsman VR」「Drunkn Bar Fight」「XRWorkout」「FastHands」など、ごく少数にとどまっている。
from Bonelab Plans To Add Inside-Out Upper Body Tracking On Quest 3 & Quest 3S
【編集部解説】
VRゲーム「Bonelab」に実装予定のInside-Out Body Tracking (IOBT)機能は、VR業界に大きな影響を与える可能性があります。この機能は、Meta Quest 3およびQuest 3Sの内蔵カメラを利用して上半身の動きを追跡するもので、従来のVRシステムでは困難だった自然な体の動きの再現を可能にします。
IOBTの導入により、VRゲームやアプリケーションにおける没入感が大幅に向上すると予想されます。特に「Bonelab」のような物理ベースのゲームでは、プレイヤーの動きがより正確に反映されることで、ゲームプレイの質が向上するでしょう。
この技術は、ゲーム以外の分野でも大きな可能性を秘めています。例えば、フィットネスアプリケーションでは、ユーザーの姿勢や動きをより正確に分析できるようになり、効果的なトレーニング指導が可能になるかもしれません。また、遠隔コミュニケーションツールでは、より自然な身振り手振りを伴うアバターの動きが実現し、オンライン上でのコミュニケーションがより豊かになる可能性があります。
しかし、この技術の普及には課題もあります。現在、IOBTを利用しているアプリケーションはまだ少数です。開発者がこの新しい技術を効果的に活用するためには、時間とリソースが必要となるでしょう。また、ユーザー側も新しい操作方法や体験に慣れる必要があります。
今後、IOBTのような先進的な技術がVR業界全体にどのような影響を与えるか、注目していく必要があります。技術の進化とユーザーのニーズのバランスを取りながら、より魅力的でユーザーフレンドリーなVR体験を創出していくことが、業界全体の課題となるでしょう。
【参考情報】
用語解説:
1. Inside-Out Body Tracking (IOBT): VRヘッドセットに搭載されたカメラを使用して、ユーザーの上半身の動きを追跡する技術。従来の手法と比べ、より正確な動きの再現が可能。
2. Bonelab: Stress Level Zeroが開発した物理演算ベースのVRゲーム。プレイヤーの動きを正確に反映することが特徴。
関連ウェブサイト:
YouTube動画:
Bonelab公式トレーラー
Quest 3 Inside-Out Body Tracking解説