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CES 2026:Himax・AUO共同開発のLCoSマイクロディスプレイ、わずか0.21gでARグラス市場に革新

[更新]2026年1月1日

CES 2026:Himax・AUO共同開発のLCoSマイクロディスプレイ、わずか0.21gでARグラス市場に革新 - innovaTopia - (イノベトピア)

わずか0.21グラム、スマートフォンの350倍の明るさ――。来週開幕するCES 2026で、ARグラスを「日常の道具」へと押し上げる決定的な技術が披露されます。台湾HimaxとAUOが共同開発した超薄型LCoSディスプレイは、これまでARデバイスを阻んできた「重さ」「暗さ」「電力」の三重苦を一気に解消する可能性を秘めています。


Himax Technologies, Inc.とAUO Corporationは2025年12月30日、ARグラスおよびウェアラブルデバイス向けフロントライトLCoSマイクロディスプレイを2026年1月6日から9日まで米国ラスベガスで開催されるCES 2026で発表すると発表した。

新製品は解像度720 × 720、消費電力200 mW、輝度350,000ニット、出力1ルーメンを実現する。光学効率は1,000ニット/lmに達する。コリメーターレンズなしのディスプレイモジュールは体積0.09立方センチメートル、重量0.21グラム、Giga-Image Technology共同開発のコリメーター装備時は0.34立方センチメートル、0.79グラムである。

色域はsRGB 140%カバレッジを達成する。現在、複数のトップティア技術企業およびプロフェッショナルARグラスメーカーが評価中である。展示はThe Venetian ExpoのブースTitian 2201Aで行われる。

From: 文献リンクHimax and AUO Partner to Unveil Ultra-Slim High-Brightness LCoS Microdisplay at CES 2026 Targeting the AR Glasses Market

【編集部解説】

今回HimaxとAUOが発表したLCoS(Liquid Crystal on Silicon、液晶オンシリコン)は、シリコン基板上に液晶を配置する反射型ディスプレイ技術です。プロジェクターなどで実績のある成熟技術ですが、ARグラス向けには小型化と明るさの両立が課題でした。

注目すべきは「350,000ニット」という驚異的な輝度です。一般的なスマートフォンが1,000ニット前後であることを考えると、この数値は桁違いといえます。ただしこれはディスプレイパネル自体の輝度であり、導波路(ウェーブガイド)を経て実際にユーザーの目に届く明るさは「1,000ニット/ルーメン」という光学効率で調整されます。

CES 2026が1月6日から開催される直前のタイミングでの発表は、AR業界の競争激化を物語っています。実際、他社も同時期にAR関連製品を展示予定であり、2026年がARグラスの実用化元年になる可能性を示唆しています。

消費電力200ミリワットという省電力性は、バッテリー駆動のウェアラブルデバイスにとって極めて重要です。長時間装着が前提となるARグラスでは、発熱も快適性に直結するため、低消費電力は技術的必須要件といえます。

一方で、複数のトップティア企業が「評価中」という表現にとどまっている点は、量産化までにはまだ検証段階があることを示しています。価格、耐久性、量産体制といった商用化のハードルは依然として存在するでしょう。

【用語解説】

LCoS(Liquid Crystal on Silicon)
シリコン基板上に液晶層を配置した反射型ディスプレイ技術である。透過型液晶と異なり、光を反射させることで画像を生成する。高解像度化が容易で、プロジェクターやARデバイスに適している。

導波路(ウェーブガイド)
ARグラスにおいて光を目に導く光学素子である。ディスプレイから発せられた光を全反射により伝送し、ユーザーの視野に重ね合わせる役割を持つ。光学効率が装置全体の性能を左右する。

ニット(nit)
ディスプレイの輝度を表す単位で、1平方メートルあたりのカンデラ(cd/m²)に相当する。数値が高いほど明るく、屋外視認性が向上する。一般的なスマートフォンは500〜1,000ニット程度である。

ルーメン(lm)
光源から放出される光の総量を示す単位である。ディスプレイやプロジェクターの明るさ性能を表す際に用いられ、ニットとは測定方法が異なる。

sRGB
色空間の国際標準規格である。デジタル機器で広く採用されており、sRGB 100%は標準的な色再現、140%は標準より40%広い色域を表現できることを意味する。

CES(Consumer Electronics Show)
毎年1月に米国ラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市である。最新テクノロジーや製品が発表される場として、業界関係者が注目する。

【参考リンク】

Himax Technologies, Inc.(外部)
ディスプレイドライバーICや光学技術を手がける台湾の半導体企業。LCoSマイクロディスプレイやAR/VR分野の先進ソリューションを提供。

AUO Corporation(外部)
1996年設立の台湾ディスプレイメーカー。液晶パネルから導波路技術まで幅広く手がけ、2024年連結純収益85.7億米ドル。

Giga-Image Technology(外部)
2025年1月設立の光学製品設計・製造企業。台湾上場企業が出資し、AR/VRから医療機器まで光学ソリューションを提供。

CES 2026公式サイト(外部)
全米民生技術協会主催の世界最大の家電・技術見本市。2026年1月6日〜9日に米国ラスベガスで開催予定。

【参考記事】

Himax Technologies And AUO To Showcase Front-lit LCoS Microdisplay At CES 2026(外部)
720×720解像度、200mW消費電力、350,000ニット輝度、1ルーメン出力といった技術仕様を詳述する記事。

Himax (HIMX) and AUO Collaborate on Advanced LCoS Microdisplay for CES 2026(外部)
光学効率1,000ニット/ルーメン、sRGB 140%カバレッジなどの性能指標と市場への影響を分析。

Himax and AUO Partner to Unveil Ultra-Slim High-Brightness LCoS Microdisplay(外部)
コリメーターレンズなしで0.09立方cm・0.21g、装備時0.34立方cm・0.79gという超小型軽量設計を詳説。

LCoS Illumination Takes Center Stage In AR Glasses(外部)
LCoS技術の仕組みとARグラスへの応用における技術的課題、フロントライト方式の利点を解説する技術記事。

【編集部後記】

ARグラスが日常に溶け込む未来は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。今回の超薄型LCoSディスプレイは、これまで「重い」「暗い」「バッテリーが持たない」という課題を一気に解消する可能性を秘めています。

CES 2026で実機を目にした企業が、どのような製品として世に送り出すのか。あるいは、この技術がスマートフォンの次の主役になり得るのか。みなさんはARグラスに何を期待されますか?ナビゲーション、翻訳、それとも全く新しい体験でしょうか。

私自身も、この技術がどう実用化されていくのか、ワクワクしながら追いかけていきたいと思います。

投稿者アバター
乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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