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LLVision、世界初プロフェッショナルAR翻訳メガネ「Leion Hey2」を米国発売。500ms以下の遅延で100言語対応

[更新]2026年1月8日

LLVision、世界初プロフェッショナルAR翻訳メガネ「Leion Hey2」を米国発売。500ms以下の遅延で100言語対応 - innovaTopia - (イノベトピア)

LLVisionは2026年1月6日、CES 2026において世界初のAI搭載プロフェッショナルARトランスレーションメガネ「Leion Hey2」を発表し、米国での正式発売を開始した。100以上の言語と方言に対応し、実使用環境で500ミリ秒以下の翻訳遅延を実現する。

1回の充電で6〜8時間の連続翻訳が可能で、充電ケース経由で最大96時間使用できる。重量は49グラムで、カメラは搭載していない。価格は549米ドルで、1月6日から31日までの予約注文は499米ドルとなる。予約購入にはクリップオン式サングラスレンズと1,200分のPro翻訳サービスが含まれる。

2014年設立のLLVisionは、前世代のLeion Heyを世界で30,000台以上出荷しており、ユーザーは平均1日150分使用している。Hey2のソウルでの公開時には1日で10,000件以上の予約注文があった。

From: 文献リンクLLVision Introduces Leion Hey2, the World’s First Professional AR Translation Glasses, Launching in the United States at CES 2026

【編集部解説】

このLeion Hey2が「世界初のプロフェッショナルARトランスレーションメガネ」と銘打たれている点に注目すべきです。スマートグラス市場では、Meta Ray-Banスマートグラスのようなエンターテインメント志向の製品が主流ですが、LLVisionは翻訳という単一機能に特化することで差別化を図っています。

500ミリ秒以下という翻訳遅延は、人間の会話において極めて重要な数値です。一般的に、会話の自然なリズムを維持するには1秒以内の応答が必要とされますが、この製品はその半分の時間で処理を完了します。この速度が実現できているのは、Microsoft Azureを基盤としたクラウドインフラと、デバイス側での最適化された音声処理の組み合わせによるものと考えられます。

カメラを搭載していない設計は、プライバシー配慮の観点から注目に値します。多くのスマートグラスが録画機能を持つことで公共空間での使用が制限される中、Hey2は外交や医療、法務といったセンシティブな環境での利用を想定していると考えられます。

4マイクアレイによる360度空間音声検出と、60度の前方指向性ピックアップの組み合わせは技術的に興味深い選択です。これにより「誰に顔を向けているか」で翻訳対象を判断するため、複数人が同時に話す会議やカンファレンスでも混乱が生じにくくなります。

ビジネス利用における実用性は、6〜8時間のバッテリー持続時間が証明しています。国際会議や商談は数時間に及ぶことが多く、充電の心配なく使用できる点は導入障壁を大きく下げるでしょう。

一方で、100以上の言語対応と謳われていますが、方言や専門用語への対応精度は実使用で検証が必要です。特に日本語の敬語表現や業界特有の用語をどこまで正確に翻訳できるかは、ビジネスシーンでの信頼性を左右します。

価格設定の549ドル(予約価格499ドル)は、競合するAI翻訳デバイスと比較して妥当な水準です。ただし1,200分のPro翻訳サービスが含まれる点から、継続利用にはサブスクリプション費用が発生する可能性が高いと推測されます。

前世代が30,000台以上出荷され、ユーザーが平均1日150分使用している実績は、この製品カテゴリーに確かな需要があることを示しています。CES 2026での発表というタイミングは、グローバル市場での本格展開を意図したものと言えるでしょう。

【用語解説】

ARトランスレーションメガネ
AR(拡張現実)技術を用いて、リアルタイム翻訳字幕を装着者の視界に直接表示するスマートグラスである。従来のスマートフォンやイヤホン型翻訳デバイスと異なり、視線を落とすことなく対面会話を継続できる点が特徴だ。

翻訳遅延(レイテンシー)
音声入力から翻訳結果が表示されるまでの時間差を指す。人間の会話では1秒以内の応答が自然とされるが、500ミリ秒以下の遅延は会話のリズムを損なわない水準である。

エッジコンピューティング
データ処理をクラウドサーバーではなく、デバイス本体や近接するサーバーで行う技術である。処理速度の向上と通信遅延の削減が可能になり、リアルタイム性が求められるアプリケーションで重視される。

空間音声検出
複数のマイクを用いて音源の方向を特定する技術である。360度の範囲から話者の位置を認識し、特定方向の音声を優先的に拾うことで、騒音環境下でも明瞭な音声入力を実現する。

指向性ピックアップ
特定方向からの音声を選択的に収音する技術である。Leion Hey2では約60度の前方範囲を強調することで、装着者が顔を向けた相手の声を優先的に処理する仕組みとなっている。

【参考リンク】

LLVision公式サイト(外部)
2014年設立のAR・AI技術企業。100カ国以上で5,000社以上の顧客に製品を提供し、Microsoft、Googleとのパートナーシップを持つ。

LEION Hey製品ページ(外部)
Leion HeyシリーズのARトランスレーションメガネ専用サイト。製品仕様、購入オプション、サポート情報を提供している。

CES公式サイト(外部)
世界最大級の家電・技術見本市。米国ラスベガスで毎年1月に開催され、最新テクノロジーの発表の場として知られる。

【参考動画】

【参考記事】

LLVision Introduces Leion Hey2, the World’s First Professional AR Translation Glasses(外部)
Yahoo Financeに掲載されたプレスリリース。技術仕様と価格情報、Microsoft Azureを用いたGDPR準拠のデータ処理について報じている。

LLVision Launches AR Translation Glasses Built for Face-to-Face Conversation(外部)
PCMagによる報道。4マイクアレイによる360度空間音声検出と60度前方指向性ピックアップの技術的特徴を解説している。

These smart glasses ditch speakers and cameras to focus on real-time translation(外部)
Android Authorityの記事。カメラとスピーカー非搭載の設計選択について、プライバシー配慮の観点から分析している。

LLVision launches Leion Hey2 AR translation glasses at CES 2026(外部)
TechEDTによるCES 2026発表のレポート。前世代30,000台以上出荷実績と1日平均150分の使用時間を報じている。

CES 2026: Leion Hey2 review–where AR translation meets real conversation(外部)
The Gadget Flowのレビュー。ウェーブガイド光学系とマイクロLEDライトエンジンによる視覚表示技術を詳述している。

【編集部後記】

言語の壁がなくなる未来は、私たちの働き方やコミュニケーションをどう変えていくのでしょうか。

Leion Hey2のようなデバイスは、翻訳という単一機能に絞ることで、カメラを搭載した多機能グラスとは異なる選択肢を提示しています。会議室や商談の場で、相手に警戒感を与えずに使える道具があれば、国境を越えた対話はもっと自然になるかもしれません。

一方で、機械翻訳に頼ることで失われるニュアンスや、言語学習の意義についても考えさせられます。みなさんは、こうした翻訳技術をどんな場面で使いたいと思いますか?ぜひご意見をお聞かせください。

投稿者アバター
乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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