Last Updated on 2024-08-31 15:28 by 荒木 啓介
画像生成AI「Midjourney」が、ウェブサイトでのサービス提供を一般に開放した。
Midjourneyは、サンフランシスコを拠点とする独立した研究所Midjourney, Inc.が開発した画像生成AIで、テキストプロンプトから画像を生成する。
これまでDiscordを主な利用プラットフォームとしていたが、今回の変更により、新規ユーザーを含む誰でもウェブサイトから利用できるようになった。
新規ユーザーは約25枚の画像を無料で生成できる。
Midjourneyの共同創設者兼CEOであるDavid Holz氏がDiscordのメッセージでこの変更を発表した。
この動きは、Elon Musk氏のxAIが開発したGrok 2チャットボットや、新たに登場したIdeogram 2画像生成ツールなど、競合他社からの競争が激化する中で行われている。
Midjourneyは現在、著作権で保護された作品を許可なく学習データとして使用したとして、アーティストたちから著作権侵害で訴訟を起こされている。
新規ユーザーはGoogleアカウントまたはDiscordアカウントでサインアップできる。
既存のユーザーには、過去の生成画像の履歴を維持するためにDiscordアカウントでログインすることが推奨されている。
この記事の公開日は明確に示されていませんが、内容から2024年の最新の動向を報じていると推測されます。
from:Midjourney opens website to all users, offering 25 free AI image generations
【編集部解説】
Midjourneyの最新バージョン「V6」が2023年12月に公開され、AI画像生成の世界に新たな進化をもたらしました。この更新は、単なる機能追加ではなく、AIの画像生成能力を大きく向上させる革新的なものとなっています。
V6の特筆すべき点は、プロンプトに対する理解力の向上です。以前のバージョンと比べ、より簡潔な指示でも驚くほど精密な画像を生成できるようになりました。これにより、AIとのコミュニケーションがより直感的になり、ユーザーの創造性をより自由に表現できるようになりました。
また、V6では画像の解像度と細部の表現力が大幅に向上しています。特に人物の手や顔の表情など、従来のAIが苦手としていた部分でも、リアルな表現が可能になりました。これは、CGやデジタルアートの分野に革命をもたらす可能性があります。
さらに、V6では文字の生成精度も向上しています。これにより、ロゴデザインやタイポグラフィーなど、テキストを含む画像制作の幅が広がりました。
一方で、このような高度な画像生成技術の発展には、倫理的な課題も伴います。例えば、著作権の問題や、フェイクニュースの拡散、個人のプライバシー侵害などのリスクが懸念されます。実際に、Midjourneyは現在、著作権侵害の疑いで訴訟を受けています。
長期的な視点では、V6の登場は、クリエイティブ産業全体に大きな影響を与える可能性があります。デザイナーやアーティストの役割が変化し、AIとの協働がより一般的になると予想されます。また、教育分野でも、視覚的な教材作成や学習支援ツールとしての活用が期待されます。
Midjourneyは、ウェブプラットフォームのベータ版も公開し、Discordサーバー以外での利用も可能になりつつあります。さらに、モバイルアプリの開発も進行中で、より多くのユーザーがアクセスしやすい環境を整備しています。
V6の登場は、AIと人間の創造性の融合における新たな章の始まりと言えるでしょう。技術の進化と倫理的な配慮のバランスを取りながら、この強力なツールをいかに社会に統合していくかが、今後の大きな課題となります。