Shutterstockが2024年6月27日に、テキストプロンプトから3Dアセットを生成できる新サービス「Shutterstock 3D」をリリースした。このサービスはNVIDIAのOmniverseプラットフォームを活用しており、生成された3Dアセットは様々な3Dソフトウェアと互換性がある。
一方、Getty Imagesも同日、NVIDIAのAI技術を活用して「Generative AI by Getty Images」サービスをアップグレードした。このサービスは、Getty Imagesの膨大な画像ライブラリーを基にAIが学習し、高品質で商業利用可能な画像を生成できる。
両社のサービスは、クリエイティブ制作の民主化を促進し、誰もが簡単に高品質なビジュアルコンテンツを作成できるようにすることを目指している。しかし、AIが生成したコンテンツの著作権や倫理的な問題など、新たな課題も浮上している。
これらのサービスは、映画やゲーム制作のワークフローの効率化、個人や小規模企業による高品質コンテンツ制作の可能性など、クリエイティブ産業全体に大きな影響を与える可能性がある。
from:Shutterstock releases generative 3D, Getty Images upgrades service powered by Nvidia
【編集部解説】
画像生成AI技術の進化に関する興味深い展開をお伝えします。Shutterstockが3D生成AIサービスを発表し、Getty Imagesがそのサービスをアップグレードするという、クリエイティブ業界に大きな影響を与える可能性のある動きです。
まず、Shutterstockの新サービス「Shutterstock 3D」について解説しましょう。このサービスは、テキストプロンプトから3Dアセットを生成できる革新的なツールです。これにより、クリエイターは複雑な3Dモデルを簡単に作成できるようになります。
特筆すべきは、このサービスがNVIDIAのOmniverseプラットフォームを活用していることです。これにより、生成された3Dアセットは様々な3Dソフトウェアと互換性を持つことになります。つまり、生成されたモデルを他のツールで簡単に編集・活用できるのです。
一方、Getty Imagesも負けてはいません。彼らのサービス「Generative AI by Getty Images」も、NVIDIAのAI技術を活用してアップグレードされました。このサービスの特徴は、Getty Imagesの膨大な画像ライブラリーを基にAIが学習していることです。これにより、高品質で商業利用可能な画像を生成できるようになりました。
これらの動きが示すのは、AIによるクリエイティブ制作の民主化が急速に進んでいるということです。従来、3Dモデリングや高品質な画像制作には専門的なスキルと高価なソフトウェアが必要でした。しかし、これらのAIツールにより、誰もが簡単に高品質なビジュアルコンテンツを作成できるようになるのです。
しかし、この技術の普及には課題もあります。例えば、AIが生成したコンテンツの著作権や倫理的な問題は依然として議論の的となっています。また、プロのクリエイターの仕事が奪われるのではないかという懸念もあります。
長期的には、これらのツールがクリエイティブ産業全体を変革する可能性があります。例えば、映画やゲーム制作のワークフローが大幅に効率化されるかもしれません。また、個人や小規模企業が、大手企業に匹敵する品質のビジュアルコンテンツを作成できるようになるかもしれません。
このような技術の進化は、私たちの創造性の限界を押し広げる一方で、新たな倫理的・法的課題も生み出しています。今後、これらの課題にどう対応していくかが、AI時代のクリエイティブ産業の健全な発展の鍵となるでしょう。
【用語解説】
- Omniverse:
NVIDIAが開発した3D設計・シミュレーションプラットフォームです。様々な3Dソフトウェア間でのデータ互換性を実現し、協働作業を可能にします。 - プロンプト:
AIに対して与える指示や命令のことです。テキストベースのAIでは、ユーザーが入力する文章がプロンプトとなります。
【参考リンク】
- Shutterstock(外部)
説明: 高品質な画像、動画、音楽のライセンスを提供するストックコンテンツプラットフォーム。 - Getty Image(外部)
説明: プレミアムな写真、イラスト、動画のライセンスを提供する世界最大級のビジュアルメディア企業。 - NVIDIA(外部)
説明: GPUの開発・製造で知られる半導体企業。AI、グラフィックス、自動運転技術などの分野でも先進的。