Metaは2024年10月8日、Facebook広告とInstagram広告において、AIを使用して編集された動画の使用を許可すると発表した。この新しいポリシーは来年頭から施行される。
AIによる編集には、背景の変更、色調整、オブジェクトの追加や削除などが含まれる。ただし、実在の人物の顔や体を置き換えたり、ディープフェイクを作成したりすることは禁止されている。
この変更は、Metaが2023年5月に導入した画像に関するAI開示ポリシーを動画にも拡大するものだ。Metaの広告・ビジネス製品担当副社長であるグレアム・マッド氏は、この変更がクリエイターやマーケターに新たな表現の自由をもたらすと述べている。
AIを活用した広告制作ツールの開発は、Meta以外の大手テクノロジー企業も積極的に進めている。2024年9月、Amazonは単一の商品画像から動画広告を自動生成するAIツール「Video Generator」をリリースした。一方、TikTokは2024年6月に「TikTok Symphony Assistant」と呼ばれるAI生成アバターを使用した広告の実験を開始している。これらの動きは、AIが広告制作の分野で急速に普及しつつあることを示している。
from Meta is bringing AI-edited video ads to Facebook and Instagram
【編集部解説】
Metaが発表したAIを活用した動画広告編集ツールは、広告主にとって大きな可能性を秘めています。静止画を動画化したり、既存の動画の背景を拡張したりできる機能は、クリエイティブな表現の幅を広げることでしょう。
この技術により、広告制作のコストと時間を大幅に削減できる可能性があります。特に、小規模な企業や予算の限られた広告主にとっては、魅力的なオプションになるかもしれません。
また、AIによる編集が容易になることで、広告の質や創造性が低下する可能性も考えられます。人間のクリエイターの役割や、オリジナリティのある広告制作の価値が問われることになるかもしれません。
長期的な視点で見ると、この技術は広告業界全体の構造を変える可能性を秘めています。AIの進化に伴い、広告制作のプロセスや、広告代理店の役割も大きく変わっていくでしょう。
一方で、この技術は広告主と消費者のコミュニケーションをより豊かにする可能性も秘めています。パーソナライズされた広告体験や、インタラクティブな広告コンテンツの創出など、新しい広告の形が生まれる可能性があります。
【参考情報】
用語解説:
1. AIによる動画編集:人工知能を使って動画の背景変更や色調整、オブジェクトの追加・削除などを行う技術です。人間が手作業で行う編集作業を、AIが自動的に行うイメージです。
2. ディープフェイク:AIを使って人物の顔や声を別の人物のものに置き換える技術です。例えば、有名人の顔を別の人物の動画に合成するようなものです。
関連サイト:
関連動画:
METAが提供するAIツールの使い方解説動画
AIを用いた画像から動画を生成するニュースについての解説動画