ChatGPT・Claude、70年代の難問に苦戦! LLMの限界と可能性を探る

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2024年10月12日、VentureBeatは大規模言語モデル(LLM)の限界と可能性に関する記事を公開した。この記事では、LLMが1970年代の技術を超えられない問題に直面しているが、それでも価値があると主張している。

記事の中心となる「ストロベリー問題」は、ChatGPTやClaudeなどのLLMが単純な文字数カウントタスクで失敗することを示している。具体的には、「strawberry」という単語に「r」が3つあることを正確に認識できないという問題だ。

この問題は、LLMが人間のような「思考」ができないことを露呈している。しかし、MITのData to AIラボのKalyan Veeramachaneni氏とSarah Alnegheimish氏は、LLMの限界を認識しつつも、その活用方法を提案している。

彼らは、LLMを効果的に使用するためのフレームワークを開発した。このフレームワークは、LLMの強みを活かしながら、その限界を補完する方法を提示している。

記事は、LLMの現状の課題を明らかにしつつ、それでもなお、これらのモデルが様々な分野で有用であることを強調している。

from:LLMs can’t outperform a technique from the 70s, but they’re still worth using — here’s why

【編集部解説】

LLMが直面している「ストロベリー問題」について説明しましょう。これは、ChatGPTやClaudeなどの最新のAIモデルが、「strawberry」という単語に「r」が何回出てくるかを正確に数えられないという問題です。一見単純なこのタスクが、実はAIにとって非常に難しいのです。

なぜこのような問題が起こるのでしょうか?それは、LLMの基本的な仕組みに関係しています。これらのモデルは、単語を個々の文字として処理するのではなく、「トークン」と呼ばれる小さな単位に分割して処理します。例えば、「strawberry」は「straw」と「berry」という2つのトークンに分割される可能性があります。そのため、個々の文字を数えるような作業が苦手なのです。

この問題は、AIが人間のように「思考」できないことを示しています。しかし、これはAIが無能だということではありません。むしろ、AIと人間の思考プロセスの違いを明確に示しているのです。

MITのData to AIラボの研究者たちは、この限界を認識しつつも、LLMを効果的に活用する方法を提案しています。彼らが開発したフレームワークは、LLMの強みを活かしながら、その限界を補完することを目指しています。

この研究は、AIの現状と将来の可能性を理解する上で非常に重要です。AIは確かに多くのタスクで人間を凌駕していますが、まだ克服できていない課題も多くあります。これらの課題を一つ一つ解決していくことで、AIの能力はさらに向上していくでしょう。

一方で、このような限界があることで、人間の役割の重要性も再認識されています。AIは強力なツールですが、それを適切に使いこなし、その限界を理解しているのは人間なのです。

将来的には、AIと人間がそれぞれの強みを活かして協力する「人間とAIの共生」がより重要になってくると考えられます。AIが得意な大量のデータ処理や複雑な計算を担当し、人間が創造性や直感力を活かして全体を統括するような関係性が構築されていくでしょう。

【用語解説】

  1. チェーン・オブ・ソート (Chain-of-Thought):
    AIが問題を解く際に、人間のように段階的に思考プロセスを示す。

【参考リンク】

  1. OpenAI(外部)
    ChatGPTなどの先進的なAIモデルを開発する企業。AI研究と開発のリーダー的存在。
  2. Anthropic(外部)
    ClaudeというAIアシスタントを開発する企業。倫理的AIの開発に注力している。
  3. Google DeepMind(外部)
    AlphaGoなどの革新的なAIシステムを開発するGoogleの子会社。AI研究の最前線。

【関連YouTube動画】

OpenAI’s New Reasoning Model, o1 Strawberry: Is This AGI? Full Breakdown

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