Last Updated on 2024-10-13 07:41 by admin
Metaが長年開発中のVRクラウドストリーミングシステム「Avalanche」が、Quest向けHorizon Storeに登場した。2024年10月13日現在、Avalancheアプリはウィッシュリストに追加可能だが、実際にダウンロードや使用はできない状態だ。ストアページには2024年7月24日にリリースされたと記載されている。
Avalancheの存在は2022年4月に初めて明らかになり、少なくとも4年以上開発が続けられている。このシステムは、高性能ゲーミングPCを持たないQuestユーザーに、「Lone Echo」や「Asgard’s Wrath」などのPC VR向け大作ゲームをプレイする機会を提供することを目的としている。
2020年後半、MetaのJohn Carmack氏はクラウドストリーミングの課題について言及し、一部のユーザーにとっては価値があると述べた。同じ頃、Facebook Gaming副社長のJason Rubin氏はクラウドVRゲーミングの実現には5年以上かかるとの見解を示した。
Metaがこのサービスを近々リリースした場合、反競争的行為の疑いが持たれる可能性がある。2022年にBloombergは、米連邦取引委員会(FTC)がMetaの競争慣行を調査していると報じたが、その後の進展は報告されていない。
from:Meta’s ‘Avalanche’ VR Cloud Streaming System Is Now Listed On The Store
【編集部解説】
Metaの長年の開発プロジェクト「Avalanche」が、ついにQuest向けHorizon Storeに姿を現しました。これは、PC VRゲームをクラウドストリーミングでQuest上で楽しめるようにする画期的な技術です。
Avalancheの開発は少なくとも2020年から続いており、Metaがこの技術に大きな期待を寄せていることがうかがえます。現在はまだ利用できない状態ですが、ストアに掲載されたことで、正式リリースが近づいていると考えられます。
この技術が実現すれば、高性能PCを持たないQuestユーザーでも、「Lone Echo」や「Asgard’s Wrath」といったPC VR向けの大作ゲームを楽しめるようになります。これはVR業界全体にとって大きな前進となるでしょう。
しかし、クラウドストリーミングには課題もあります。ユーザーのインターネット接続品質によって体験が大きく左右される可能性があります。遅延やジャダーの問題を克服できるかが、この技術の成功の鍵となるでしょう。
また、Metaが独自のクラウドストリーミングサービスを展開することで、競争上の問題が生じる可能性もあります。過去にも類似の事例があり、米連邦取引委員会(FTC)の調査対象となった経緯があります。
長期的には、この技術がVRの普及をさらに加速させる可能性があります。高性能PCの必要性がなくなれば、VRの敷居が大きく下がるからです。
一方で、データプライバシーやネットワークインフラへの負荷など、新たな課題も生まれるかもしれません。これらの課題にどう対応していくかも、今後注目すべきポイントとなるでしょう。
Avalancheの正式リリースに向けて、Metaがどのようなアプローチを取るのか、そして業界全体にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要がありそうです。