Last Updated on 2025-01-19 07:54 by admin
Microsoftは2025年1月17日、Windows 11 Insider Preview Build 26120.2992(KB5050083)の開発者チャネルにおいて、AI搭載の新しいWindows検索機能のテストを開始した。
この機能は以下の特徴を持つ
- 従来の検索インデックスに加え、セマンティックインデックスを導入
- 設定、ファイルエクスプローラー、タスクバーの検索ボックスで利用可能
- 対応ファイル形式:
- 文書:TXT、PDF、DOCX、DOC、RTF、PPT/PPTX、XLS/XLSX
- 画像:JPG、PNG、GIF、BMP、ICO
- 対応言語:中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語
- 40TOPS以上のNPU(Neural Processing Unit)を搭載したCopilot+ PCでのみ利用可能
- オフライン環境でも使用可能
展開スケジュール
- 第一段階:Snapdragon搭載Copilot+ PC向けに提供開始
- 第二段階:Intel/AMD搭載Copilot+ PC向けに展開予定
この機能は2024年10月に発表され、2025年1月から開発者向けテストが開始された。将来的にはOneDriveに保存されているクラウドデータにも対応予定。
from:Microsoft opens testing for Windows AI search
【編集部解説】
Microsoftが発表したWindows 11の新しいAI検索機能は、PCにおけるファイル管理の概念を大きく変えようとしています。従来のキーワードベースの検索から、人間の自然な思考に近い「意味」での検索へと進化を遂げようとしているのです。
この機能の特筆すべき点は、40TOPS以上の処理能力を持つNPU(Neural Processing Unit)を活用してオフラインでも動作することです。これは、プライバシーとセキュリティの観点から非常に重要な進展といえます。
実用性と制約
現時点での制約として、この機能はCopilot+ PC認定された特定のデバイスでのみ利用可能です。また、対応言語も中国語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語の6言語に限定されています。
ファイル形式の対応も、文書形式(.txt、.pdf、.docx、.doc、.rtf、.ppt、.xls)と画像形式(.jpg、.png、.gif、.bmp、.ico)に限られています。これは一般的なオフィスワークで使用される主要なファイル形式をカバーしていますが、動画や音声ファイルには対応していません。
将来性と展望
今後の展開として注目すべきは、OneDriveなどのクラウドストレージとの統合が予定されていることです。これにより、ローカルとクラウドの境界を意識することなく、シームレスな検索体験が実現される可能性があります。
また、Intel/AMD搭載のCopilot+ PCへの対応も予定されており、より多くのユーザーがこの機能を利用できるようになることが期待されます。
潜在的な課題
一方で、このような高度な検索機能には潜在的な課題も存在します。例えば、セマンティック検索の精度は言語モデルの性能に依存するため、専門用語や固有名詞の扱いに課題が残る可能性があります。
また、NPUの処理能力を活用した検索は、バッテリー消費への影響も考慮する必要があります。特にモバイルでの使用時には、この点に注意が必要でしょう。
産業への影響
この技術の登場は、企業の情報管理や業務効率に大きな影響を与える可能性があります。特に大量の文書や画像を扱う業界では、作業効率の大幅な向上が期待できます。
ただし、既存のファイル管理システムやワークフローとの統合には、一定の移行期間が必要になるでしょう。企業はこの点を考慮した導入計画を立てる必要があります。
【用語解説】
【参考リンク】
Microsoft Copilot+ PC公式サイト(外部)
Windows 11搭載のAI対応PC製品の紹介と詳細な仕様情報を提供するポータルサイト
Windows Insider Program(外部)
Windows 11の新機能をいち早く体験できるベータテストプログラムの公式サイト