2025年2月14日、AI検索エンジンを提供するPerplexity社が、新サービス「Deep Research」を発表した。
- 利用料金
- 無料プラン:1日5クエリまで
- Proプラン:月額20ドル(約3,000円)で1日500クエリ
- 性能指標
- SimpleQAベンチマークで93.9%の精度を達成
- Humanity’s Last Examで20.5%のスコアを記録
- 1回の検索で平均8件の検索と42のソースを参照
- 約1,300語のレポートを3分以内で生成
- 対応プラットフォーム
- 現在:Webブラウザ
- 今後:iOS、Android、Macに展開予定
この発表に関連して、2025年の企業のAI投資予測も示された
- 全体のIT予算増加率:2%未満
- AI投資の増加率:5.7%
- AI施策への平均増加額:340万ドル(約5億円)
Perplexity社のCEOであるAravind Srinivas氏は、同サービスについて「知識は普遍的にアクセス可能であるべき」とコメントしている。この価格設定は、AnthropicやOpenAIなど、月額数千ドルの料金を請求する既存の企業向けAIサービスと比較して、最大100分の1程度となっている。
from:Perplexity just made AI research crazy cheap—what that means for the industry
【編集部解説】
Perplexityが発表したDeep Researchは、AIによる調査・研究の民主化という観点で画期的な意味を持っています。これまでのAI市場では、高度な研究支援機能は企業向けの高額なサービスに限定されていましたが、この状況を一変させる可能性を秘めています。
月額20ドル(約3,000円)という価格設定は、OpenAIやAnthropicの企業向けプランと比較して100分の1程度です。これにより、個人研究者やスタートアップ、学生などにも高度なAI研究支援ツールへのアクセスが開かれることになります。
技術的特徴
Deep Researchの特筆すべき点は、人間の研究者のような反復的なアプローチを実現していることです。複数の検索を組み合わせ、得られた情報を基に次の調査方針を決定していく手法は、単なる検索エンジンを超えた知的作業の自動化を示しています。
SimpleQAベンチマークでの93.9%という精度は、現在のAI技術の水準では極めて高い数値です。特に、無料ユーザーにも一定の利用枠を提供している点は、AI技術の社会実装における新しいアプローチと言えます。
市場への影響
この発表は、AI業界に大きな波紋を投げかけています。企業向けAIサービスの高額な料金設定の妥当性が問われ、市場の再編成が促される可能性があります。
特に、2025年にAI投資が5.7%増加すると予測される中、企業のAI関連支出の見直しにつながる可能性があります。従来の高額なAIサービスに依存してきた企業は、コスト効率の観点から戦略の見直しを迫られるかもしれません。
今後の展望と課題
iOS、Android、Macへのプラットフォーム展開が予定されており、より幅広いユーザーの日常的なツールとなることが期待されます。
ただし、専門性の高い分野での精度や、機密情報を扱う企業での利用については、まだ検証が必要です。また、このような強力なAI研究ツールの普及が、研究・開発プロセスや知的財産の創出にどのような影響を与えるのかについても、注視していく必要があります。
読者へのインパクト
テクノロジー分野に関心のある読者の皆様にとって、このツールは情報収集や市場調査、技術動向の把握などを効率化する強力な味方となるでしょう。特に、複数の情報源を横断的に分析し、包括的なレポートを短時間で生成できる機能は、日々の業務や研究活動に大きな変革をもたらす可能性があります。
【用語解説】
【参考リンク】
Perplexity AI 公式サイト(外部)
AIを活用した次世代検索エンジン。Deep Research機能を提供する革新的なプラットフォーム。