ビジネスコミュニケーションがさらに進化│Google WorkspaceとGemini新機能の統合

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Googleは2025年3月、Google WorkspaceにAI「Gemini」の新機能を統合すると発表した。Google MeetではGeminiがカスタム背景の作成を支援し、ビデオ通話の品質を向上させる3つのStudio設定(Studio look、Studio lighting、Studio sound)を導入する。Studio lookは背景ノイズを最小化し画像を鮮明にし、Studio lightingは照明を調整し、Studio soundは音声周波数のバランスを取り復元する。また、本棚やオフィス、ビーチなど様々なプリセット背景も利用可能になる。Google Chatでは、Geminiが120言語を自動認識・翻訳する機能を提供し、元のメッセージも表示されるため翻訳ツールを別途使用する必要がなくなる。これらの新機能はGoogle WorkspaceのBusinessおよびEnterpriseエディションで利用可能である。

from Google Gemini to play larger role at your workplace
More AI-powered features in Google Meet and Google Chat are coming to Google Workspace Business and Enterprise editions

【編集部解説】

GoogleがGoogle WorkspaceにGemini AIの新機能を発表すると発表しました。今回の発表は2025年3月11日に行われ、Google WorkspaceのBusinessおよびEnterpriseエディションユーザー向けに展開されることが明らかになりました。

注目すべきは、この機能拡張がただの見た目の改善にとどまらない点です。Google Meetに追加される3つのStudio機能(Studio look、Studio lighting、Studio sound)は、リモートワークが定着した現代のビジネス環境において、プロフェッショナルなコミュニケーション体験を誰もが手軽に実現できるようにするものです。

Studio lookは映像の鮮明さを向上させ、Studio lightingはスタジオ品質の照明効果を再現し、Studio soundは音声品質を最適化します。これらの機能は2023年から2024年にかけてGeminiアドオンとして段階的に導入されてきましたが、今回のアップデートでWorkspaceプラン本体に統合されることになります。

背景生成機能も見逃せません。AIによるカスタム背景生成は、自宅やカフェといった環境からでもプロフェッショナルな印象を与えられるだけでなく、ユーザーのプライバシー保護にも貢献します。先週アップグレードされた画像生成モデルにより、より高品質で要求に忠実な背景が生成可能になりました。

Google Chatの自動翻訳機能は、グローバルビジネスの言語障壁を大きく低減させる可能性を秘めています。120言語に対応し、元のテキストも保持する仕様は、翻訳の正確性を確認しながらスムーズなコミュニケーションを実現するための配慮が感じられます。この機能を有効にするには、設定から「自動翻訳」のボックスにチェックを入れるだけという手軽さも魅力です。

これらの機能は、2025年1月から展開が始まったGoogle WorkspaceへのGemini統合の一環です。Gmailでのメール要約、Docsでの文書作成支援、会議中のノート取りなど、すでに多くの機能が導入されています。今回の発表はその拡張版と位置づけられます。

企業向けに重要なのは、GoogleがGeminiのセキュリティと規制対応にも注力している点です。ユーザーデータはGeminiモデルのトレーニングや広告ターゲティングに使用されず、ISO 42001やSOC 1/2/3などの認証を取得し、HIPAA準拠も支援しています。

今回の機能強化は、Microsoft TeamsやZoomなどの競合サービスに対するGoogleの競争力強化の一環とも言えるでしょう。AIによるコミュニケーション支援は今後も進化を続け、特にグローバルなチーム連携や遠隔地からの協働において、その価値はさらに高まると予想されます。

ただし、AIによる翻訳や画像生成には依然として限界もあります。短いメッセージや言語が不明確な場合は自動翻訳が機能しない可能性があり、重要なビジネスコミュニケーションでは人間による確認も併用することが賢明でしょう。

【用語解説】

Gemini: Googleが開発した最新の生成AI。2023年12月に発表され、当初は「Bard」と呼ばれていました。テキスト、画像、音声、動画などを理解・処理できるマルチモーダルAIです。

Google Workspace: Googleのビジネス向けクラウドサービス。Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、Meet、Chatなどのアプリケーションが含まれています。

Studio設定: Google Meetに導入されるAI機能の総称。会議中の映像や音声を自動的に最適化し、プロフェッショナルな印象を与えるための機能です。Studio look(映像鮮明化)、Studio lighting(照明最適化)、Studio sound(音声最適化)の3つがあります。

【参考リンク】

Google Workspace(外部)Googleのビジネス向けクラウドサービス。Gmail、Meet、Chat、ドキュメントなどが含まれる統合ソリューション。

Google Gemini(外部)Googleの最新AI。無料版と有料版(Gemini Advanced)があり、様々な質問や創作的タスクに対応。

Google Meet(外部)Googleのビデオ会議ツール。Workspaceに含まれ、ブラウザから簡単にアクセス可能。

Google Chat(外部)Googleのビジネスチャットツール。チームコミュニケーションやメッセージングに使用。

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