Last Updated on 2025-03-28 18:57 by admin
KRAFTON社は2025年3月28日、ライフシミュレーションゲーム「inZOI」のアーリーアクセス版をSteamでグローバルリリースした。Steamのウィッシュリスト1位を獲得し、Twitchでも5位にランクインするなど、世界的な注目を集めている。価格は39.99ドル(日本では4,480円)で、正式リリースまでのアップデートとDLCはすべて無料提供される。
inZOIは250以上のカスタマイズオプション、400以上のメンタル要素、オンデバイス生成AI、CPC技術を活用した「Smart Zoi」、Unreal Engine 5によるリアルなグラフィックスなど、革新的な機能を搭載している。日本語を含む13言語をサポートし、今後のアップデートではMODサポートや新都市などが追加される予定である。
inZOIスタジオCEOであり、inZOIのプロデューサー兼ディレクターであるヒョンジュン「Kjun」キム氏は、ゲームを「自分の子供のように大切に育ててきた」と述べ、世界中のプレイヤーと協力しながらゲームを改善していく意向を示している。
なお、3月19日に開催されたinZOIグローバルショーケースは45万人以上の視聴者を集め、3月20日から28日までの期間には世界中のプレイヤーに向けてデモビルドが公開され、キャラクタースタジオとビルドスタジオを体験する機会が提供された。
from KRAFTON LAUNCHES INZOI IN GLOBAL EARLY ACCESS
【編集部解説】
「もし人生をもう一度デザインできるとしたら」—そんな問いに、テクノロジーが新たな可能性を提示しています。KRAFTONの「inZOI」は、単なるゲームの枠を超え、私たちの創造性と日常体験を拡張する新しいプラットフォームと言えるでしょう。
普段ゲームに触れない方にこそ注目してほしいのが、この作品の持つ「体験」としての側面です。inZOIでは、自分の理想の姿で街を歩き、カフェでくつろぎ、様々な人々と交流し、自分だけの空間をデザインする—これらすべてが高度なテクノロジーによって驚くほど自然な形で実現されています。
視覚的な魅力も見逃せません。Unreal Engine 5が生み出す光と影の表現は、従来のゲームの概念を覆すほどのリアリズムを実現。窓から差し込む朝日、雨上がりの路面に映る街灯の光、夕暮れ時の温かみのある光景—これらがリアルタイムでレンダリングされる様子は、まさに技術の粋を集めたものです。
inZOIの真の革新性は「Smart Zoi」と呼ばれるAI駆動型キャラクターにあります。400種類以上のメンタル要素を持つこれらのキャラクターは、基本的な感情表現だけでなく、「物思いにふける」「懐かしむ」「憧れる」といった複雑な感情まで表現。プレイヤーとの過去の関わりや状況に応じて反応が変化し、予測不可能な交流が生まれます。
オンデバイスの生成AI技術により、これらのキャラクターは事前にプログラムされた範囲を超えた反応を示します。彼らは学習し、適応し、プレイヤーとの関係を深めていくのです—まるで現実の人間関係のように。
創造的な側面も充実しています。テキスト入力による直感的な建築デザイン、細部まで調整可能なカスタマイズ、自分の写真からアバターを作成する機能(開発中)など、自己表現の可能性が大きく広がっています。
inZOIは、テクノロジーとクリエイティビティが交差する新しい表現媒体です。直感的な操作性により、ゲーム経験の少ない方でも楽しめるよう設計されています。「プレイする」というより「体験する」「生きる」という感覚に近いものがあるでしょう。
この仮想世界での体験は、意外にも現実世界への新たな視点をもたらします。自分の選択が他者に与える影響、理想の環境とは何か、本当に大切にしたいものは何か—そうした問いに向き合う機会を提供してくれるのです。
4,480円という価格設定も、提供される体験の質を考えれば非常に魅力的です。正式リリースまでのアップデートとDLCがすべて無料で提供されるという点も、ユーザーにとって大きなメリットでしょう。
テクノロジーの進化は、私たちの「遊び方」だけでなく「生き方」や「考え方」にも変革をもたらします。inZOIは、その最前線に立つプロジェクトとして、ゲーム愛好家だけでなく、テクノロジーや創造性、人間の可能性に興味を持つすべての方に体験していただきたい新しい扉なのです。
【用語解説】
ライフシミュレーションゲーム: 現実の人生や日常生活を模擬的に体験できるゲームジャンル。「The Sims」シリーズが代表的で、キャラクターの生活を管理し、人間関係や仕事、住居などを自由に構築できる。
CPC (Co-Playable Character)技術: 従来のNPC(Non-Player Character)を進化させた技術で、AIによって自律的に行動しながらもプレイヤーが介入できるキャラクターを実現する。KRAFTONはNVIDIAのACE技術を活用してこれを開発した。
オンデバイス生成AI: サーバーやクラウドに接続せず、デバイス自体でAI処理を行う技術。プライバシー保護やオフライン環境での利用が可能で、inZOIではこの技術を活用したクリエイティブツールを実装している。
Unreal Engine 5: Epic Gamesが開発した最新のゲームエンジン。NaniteとLumenという次世代レンダリング技術により、フォトリアルなグラフィックスと動的な光の表現が可能になっている。
【参考リンク】
KRAFTON公式サイト(外部)世界的ヒット作「PUBG」の開発元で、マルチメディアエンターテインメントとディープラーニングを含む事業を展開している。
inZOI公式サイト(外部)inZOIの公式情報、最新ニュース、アップデート情報などが掲載されている。
inZOI公式Steamページ(外部)inZOIを購入・ダウンロードできるSteamの公式ページ。ゲームの詳細情報やシステム要件なども確認できる。