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Adobe、Photoshopとpremiere ProにAIエージェント導入へ – 複雑な編集作業を自然言語で指示可能に

Adobe、Photoshopとpremiere ProにAIエージェント導入へ - 複雑な編集作業を自然言語で指示可能に - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-04-10 14:49 by admin

Adobe社は2025年4月9日、Photoshopおよびpremiere Pro向けの新しいAIエージェント「クリエイティブエージェント」を開発中であることを発表した。この発表はAdobeのデジタルメディア部門CTOであるエリー・グリーンフィールド氏のブログを通じて行われた。

Photoshop向けのクリエイティブエージェントは、新しい浮動型「アクション」パネルとして実装され、写真を分析して背景の人物削除や被写界深度の調整などのコンテキスト認識型の編集を提案する。ユーザーは提案をクリックするだけで自動的に編集が実行される。また、自然言語による指示も可能で、複雑な編集タスクを簡単に実行できるようになる。

Premiere Pro向けのエージェントは、先週導入された「メディアインテリジェンス」機能を基盤として開発されている。この機能は映像内のオブジェクトや構図を分析し、必要な映像を見つけやすくするものだ。将来的には、ショット選択の洗練、色調整、オーディオミックスなどの作業をサポートする予定である。また、Adobeは「ジェネレーティブエクステンド」機能も発表しており、AIを使用してクリップに数秒を追加し、トランジションに合わせやすくする。

Adobeは2025年4月24日にロンドンで開催される「Adobe Max」イベントで、Photoshop向けAIエージェントの技術詳細を紹介する予定である。

from:Adobe is building AI agents for Photoshop and Premiere Pro

【編集部解説】

Adobeが発表した「クリエイティブエージェント」は、単なるAI機能の追加ではなく、クリエイティブワークフローの根本的な変革を目指すものです。これまでのAI機能が特定のタスクを自動化するものだったのに対し、新たなエージェント型AIは文脈を理解し、ユーザーの意図に沿った提案と実行を行う点が大きく異なります。

特にPhotoshopの新しい「アクション」パネルは、画像を分析して最適な編集を提案するだけでなく、ユーザーが承認すれば即座に実行できる機能を備えています。例えば、写真の背景に不要な人物がいる場合、AIがそれを検出して「背景の人物を削除しますか?」と提案し、クリック一つで処理を完了します。これにより、マスク作成やレイヤー管理といった技術的な作業から解放され、クリエイティブな意思決定に集中できるようになります。

注目すべきは、このAIエージェントが単なる自動化ツールではなく、学習支援ツールとしても機能する点です。自然言語での指示に対して、AIは具体的な編集ステップをリスト化して表示します。これにより初心者でもPhotoshopの複雑な機能を理解しながら使いこなせるようになり、学習曲線の緩和が期待できます。

Premiere Proにおいても同様の革新が進んでいます。先週導入された「メディアインテリジェンス」機能は、映像内の被写体や構図を自動認識し、必要なシーンを素早く見つけ出す手助けをします。将来的には、ショット選択の最適化、カラーグレーディング、オーディオミキシングなど、映像編集の複雑なプロセスをAIがサポートする予定です。

これらの技術がもたらす最大の恩恵は、クリエイターが「何を作るか」という本質的な部分に集中できるようになることでしょう。反復的で時間のかかる作業をAIに任せることで、創造性を発揮する時間と余裕が生まれます。

一方で、AIによる自動化が進むことで、編集スキルの空洞化を懸念する声もあります。しかしAdobeのアプローチは、AIが人間の創造性に取って代わるのではなく、それを増幅させるツールとして位置づけている点が重要です。エリー・グリーンフィールド氏CTOが述べているように、「AIは人間の創造的なインスピレーションに取って代わることはできない」という認識が根底にあります。

また、Adobeは月間10億以上のFireflyアセットが生成されていると報告しており、AIツールへの需要の高さがうかがえます。この数字は、クリエイティブワークにおけるAIの浸透度を示す重要な指標といえるでしょう。

4月24日(木)にロンドンで開催されるAdobe MAXイベントまで約2週間となりました。このイベントでは、Photoshop向けAIエージェントの詳細が公開される予定です。クリエイティブ業界に携わる方々にとって、これらのツールは作業効率の向上だけでなく、表現の可能性を広げる新たな扉を開くものとなりそうです。技術の進化に伴い、私たちのクリエイティブプロセスも進化していくことになるでしょう。

【用語解説】

エージェント型AI
従来のAIが特定のタスクを実行するのに対し、エージェント型AIはより自律的に行動し、ユーザーの意図を理解して複数のタスクを連携して実行できるAIシステムである。

クリエイティブエージェント
Adobeが開発している、クリエイティブ作業を支援するAIアシスタント。写真や動画の編集において、ユーザーの意図を理解し、適切な編集作業を提案・実行する。

アクション
Photoshopにおける一連の操作を記録し、再利用できるようにする機能。マクロのようなもので、複雑な作業を自動化できる。

メディアインテリジェンス
Premiere Proに搭載されたAI機能で、映像内の被写体やシーン、カメラアングルなどを自動認識し、検索可能にする技術。

【参考リンク】

Adobe公式サイト(外部)
Adobe社の製品・サービス情報、最新ニュースなどを提供する公式サイト。

Adobe Photoshop製品ページ(外部)
画像編集ソフトPhotoshopの機能や価格、最新情報を紹介するページ。

Adobe Premiere Pro製品ページ(外部)
動画編集ソフトPremiere Proの特徴や機能、活用事例を紹介するページ。

Adobe MAX公式サイト(外部)
4月24日にロンドンで開催されるAdobeの年次クリエイティブカンファレンスの情報サイト。

【編集後記】

みなさんは、日々のクリエイティブ作業でどんな「あったらいいのに」と思う瞬間がありますか?背景の不要物を消すのに時間をかけたり、動画の最適なカット位置を探したり…。Adobeの新AIエージェントは、そんな「面倒だけど必要な作業」から私たちを解放してくれそうです。2週間後のAdobe MAXでは、さらに詳しい情報が公開される予定です。もし使ってみたいと思う機能や、逆に「AIには任せたくない」という作業があれば、SNSでぜひ教えてください。クリエイティブの未来について一緒に考えていきましょう。

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TaTsu
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