Claude（Anthropic）の「Integrations」登場――業務ツール連携でAIが実務を自動化、Advanced Researchも強化

2025年5月2日14:12

AI（人工知能）ニュース

Claude（Anthropic）の「Integrations」登場――業務ツール連携でAIが実務を自動化、Advanced Researchも強化 - innovaTopia - （イノベトピア）

Last Updated on 2025-05-02 14:19 by admin

Anthropicは2025年5月2日、生成AI「Claude」に新機能「Integrations」を追加した。

この機能により、Jira、Confluence、Zapier、Cloudflare、Intercom、Asana、Square、Sentry、PayPal、Linear、Plaidの10種類の主要業務ツールと直接連携できるようになった。

今後はStripeやGitLabにも対応予定である。IntegrationsはAnthropicが開発した「Model Context Protocol（MCP）」を基盤としており、開発者は約30分で独自の連携を構築できる。

ユーザーは、AIが各ツールのプロジェクト履歴やタスク進捗、組織内ナレッジなどの情報を取得し、文脈を理解したうえで業務を自動化できるようになる。

また、「Advanced Research」モードも強化され、ウェブやGoogle Workspace、連携アプリの情報を横断的に調査し、最大45分で詳細なレポートを作成する。情報源には明確なリンクが付与される。

これらの新機能は、Claudeの有料プラン（Max、Team、Enterprise）でベータ提供が開始されており、Proプランにも近日中に展開される予定である。

from:Claude Integrations: Anthropic adds AI to your favourite work tools

【編集部解説】

Anthropicの「Claude Integrations」は、AIアシスタントClaudeを主要な業務ツールと直接連携させ、AIが実際に業務アプリを操作し、ユーザーの業務プロセスに深く介入できる大型アップデートです。公式発表や複数の海外テックメディアの報道を総合しても、Integrationsは従来の「Model Context Protocol（MCP）」を拡張し、クラウドやデスクトップ上のアプリと安全かつ容易につなげる設計です。

ZapierやJira/Confluence、Asana、PayPalなど10種類以上の主要SaaSと連携できることで、従来は人手や個別自動化が必要だった業務を、Claudeに自然言語で指示するだけで完結できるようになりました。Zapier経由でさらに数千のアプリと連携できるため、Claudeの業務適用範囲は一気に広がります。

また、Advanced Research機能の強化も大きな進化です。Claudeはリサーチリクエストを細分化し、複数の社内外データソースを横断的に調査・分析して詳細なレポートを作成できるようになりました。各情報源は明示的に引用され、信頼性やトレーサビリティも担保されています。

こうした新機能の投入は、Google GeminiやOpenAI ChatGPT、Microsoft Copilotなど競合他社の動きに対抗し、Claudeを「業務現場で本当に使えるAI」へと進化させる狙いが明確です。Anthropicは2025年5月時点で急成長しており、企業顧客の大規模契約も増加しています。

一方で、AIによる自動化の拡大は業務効率化や生産性向上というポジティブな側面だけでなく、情報漏洩リスクや誤動作による業務トラブル、AIの判断根拠の透明性といった課題も伴います。AnthropicはOAuth認証や独自プロトコルを活用し、セキュリティやプライバシー対策を重視していますが、今後の規制動向や企業ガバナンスへの影響には引き続き注視が必要です。

長期的には、AIがあらゆる業務ツールと連携し、現場の意思決定や実務を高度にサポートする「AIネイティブな業務環境」が一般化する可能性があります。今回のClaude Integrationsは、その未来への大きな一歩と言えるでしょう。

【用語解説】

Anthropic（アンソロピック）：
2021年創業の米AIスタートアップ。AIの安全性や透明性に注力。

Claude（クロード）：
Anthropicが開発した対話型生成AI。自然言語で操作できる。

Integrations（インテグレーション）：
Claudeと外部サービスや業務ツールを連携させる機能。AIが各種アプリのデータにアクセスし、タスクを自動化できる。スマート家電を一つのリモコンで操作するようなイメージ。

Advanced Research（アドバンスド・リサーチ）：
Claudeが複雑な調査依頼を自動で分割・分析し、複数ソースから情報を集約してレポート化する新機能。優秀なリサーチャーが複数の資料を読み比べてまとめてくれる感覚。

Zapier（ザピアー）：
クラウドサービス同士を自動連携するプラットフォーム。ノーコードで数千種類のアプリをつなげる。

Atlassian Jira/Confluence：
Jiraはタスク管理、Confluenceはナレッジ共有用のビジネス向けSaaS。

OAuth認証：
外部サービスと安全に連携するための認証技術。パスワードを共有せずにアクセス権を制御できる。

【参考リンク】

Anthropic公式（外部）
Claudeを開発するAI企業Anthropicの公式サイト。AIの安全性・透明性に重点。

Claude公式（外部）
Claudeの公式サービスサイト。最新モデルや利用方法、料金情報を掲載。

Zapier公式（外部）
数千のクラウドサービスを自動連携できるノーコード自動化プラットフォーム。

Atlassian公式（外部）
JiraやConfluenceなど、チーム向け業務管理ツールを提供する企業の公式サイト。

【参考動画】

【編集部後記】

みなさんは、普段使っている業務ツールとAIが直接つながったら、どんなことが便利になると感じますか？
AIが仕事のパートナーとして自然に溶け込む未来は、もうすぐそこまで来ています。
もし「こんな連携があったらいいな」「AIに任せてみたい作業がある」など、みなさんのアイデアや期待があれば、ぜひSNSでシェアしてみてください。
一緒に新しい働き方を考えていきましょう。