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GitHub Copilotに新機能「コーディングエージェント」が登場

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-05-20 13:30 by admin

GitHubは2025年5月20日に開催されたMicrosoft Build 2025において、GitHub Copilotの新機能「GitHub Copilot コーディングエージェント」のパブリックプレビューを発表した。この新機能は、GitHub Copilot for Businessの顧客向けに提供される。

この「コーディングエージェント」は、GitHub上のIssueをAIに割り当てることで、タスクやバグ修正などを自律的に実装する機能である。エージェントはGitHub Actions上でバックグラウンド実行され、作業結果をプルリクエストとして提出する。

GitHubの公式発表によると、このエージェントは十分にテストされたコードベースにおける低〜中程度の複雑さのタスクを得意としており、機能追加、バグ修正、テスト追加、コードリファクタリング、ドキュメント改善などを行うことができる。

使用方法は、GitHub Copilot for Businessのサブスクリプションを持つユーザーが組織設定でエージェントを有効化し、タスクの明確な説明を含むIssueを作成して、それをGitHub Copilotコーディングエージェントに割り当てるという流れになる。エージェントは自動的にドラフトプルリクエストを作成し、GitHub Actions上に開発環境をセットアップして、タスクを実装する。

この機能は、2025年2月に発表された「GitHub Copilot Agent Mode」の進化版と位置づけられる。Agent ModeがVisual Studio Code上でプロンプトを使用してタスクを指示する形式だったのに対し、今回のCoding AgentはGitHub上のIssueを直接割り当てる形式となっている。

References:
 - innovaTopia - (イノベトピア)GitHub Copilot: Meet the new coding agent

【編集部解説】

GitHub Copilotの新機能「コーディングエージェント」は、AIによるソフトウェア開発の自動化において大きな一歩を示す機能です。2025年5月20日のMicrosoft Build 2025で正式にパブリックプレビューとして発表されました。

この機能の本質は、GitHub Copilotを「コード補完ツール」から「チームメンバー」へと進化させた点にあります。従来のGitHub Copilotがコードの提案や補完に主眼を置いていたのに対し、新しいコーディングエージェントはタスク全体を自律的に実行できるようになりました。

重要なのは、このエージェントがGitHub上で直接動作する点です。2025年2月に発表された「GitHub Copilot Agent Mode」がVisual Studio Code内でプロンプトを使って指示する形式だったのに対し、今回のコーディングエージェントはGitHub Issueを直接割り当てるという、より自然なワークフローを実現しています。

セキュリティ面では、様々な保護機能が組み込まれています。エージェントは既存のブランチ保護ルールに従い、リポジトリの書き込み権限を持つユーザーからの指示にのみ応答します。

このエージェントの活用により、バグ修正や機能追加といった定型的なタスクをAIに任せることで、開発者はより創造的で複雑な問題解決に集中できるようになります。特に、十分にテストされたコードベースでは、その効果は高いでしょう。

日本企業にとっては、少子高齢化による人材不足が深刻化する中、AIによる開発支援は貴重なリソースとなります。特に、レガシーコードの保守や改修といった負担の大きい作業をAIが支援することで、限られた人材をより価値の高い業務に集中させることができます。

長期的には、このようなAIエージェントの進化によって、ソフトウェア開発の民主化が進む可能性があります。しかし、これはプログラマーの仕事がなくなることを意味するわけではなく、むしろ、プログラマーの役割がより高度な設計や創造的な問題解決にシフトしていくと考えるべきでしょう。AIは道具であり、その道具をどう使いこなすかは依然として人間の創造性と判断力にかかっています。

【用語解説】

GitHub:
世界中の開発者がソースコードを保存・共有・管理できるウェブサービス。いわば「プログラマーのためのSNS」とも言える。

GitHub Actions:
GitHubが提供する自動化ツール。ソフトウェアの開発ワークフローを自動化できる。例えるなら「GitHubの中で動く便利なロボット」のようなもの。

GitHub Copilot:
AIを活用したコード補完ツール。プログラマーが入力しようとしているコードを予測して提案する。「プログラミングの予測変換」のような機能。

GitHub Copilot for Business:
企業向けのGitHub Copilotサブスクリプション。今回のコーディングエージェント機能はこのプラン加入者のみが利用可能。

GitHub Copilot Agent Mode:
2025年2月に発表された機能。VS Code上でプロンプトを使用してAIにタスクを指示する形式。

GitHub Copilot コーディングエージェント:
今回発表された新機能。GitHub Issue上でAIに直接タスクを割り当てる形式。

Issue:
GitHubでのタスク管理機能。バグ報告や機能要望などを記録するためのチケットのようなもの。

プルリクエスト(PR):
開発者が行った変更を他の開発者に確認してもらい、メインのコードに統合するための仕組み。「添削お願いします」の提出物のようなもの。

十分にテストされたコードベース:
単体テスト、結合テスト、システムテストなどが適切に実施され、品質が確保されたソースコードの集合体。

【参考リンク】

GitHub公式サイト(外部)
GitHubの公式サイト。サービスの概要や料金プランなどが確認できる。

GitHub Copilot公式ページ(外部)
GitHub Copilotの機能や料金プラン、導入方法などが詳しく解説されている。

GitHub Docs (Copilot拡張機能)(外部)
GitHub Copilotに関する用語集や詳細なドキュメントが日本語で提供されている。

Microsoft Build 2025(外部)
今回の発表が行われたMicrosoftの年次開発者会議の公式サイト。

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アリス
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