Last Updated on 2025-05-20 14:10 by admin
Waymoとユーバーは2025年夏、アトランタで完全自動運転タクシーサービスを開始する。このサービスはダウンタウン、バックヘッド、キャピトルビューを含む65平方マイルのエリアをカバーし、ユーザーはUberアプリを通じてWaymoの電気自動車ジャガーI-PACEを呼ぶことができる。
両社は2024年9月に提携を拡大し、2025年初頭にオースティンとアトランタでロボタクシーサービスを提供すると発表していた。オースティンでの成功を受け、アトランタでのサービス開始に向け、Uberは「インタレストリスト」への登録を開始している。選ばれたユーザーは一般公開前に早期アクセスが可能となり、初回乗車時には最大10ドル相当のUberキャッシュが還元される。
References:Waymo and Uber launch robotaxi service in Atlanta | Waymo
Uber partners with Waymo to bring autonomous rides to Atlanta | Uber
Jaguar I-PACE: Waymo’s choice for autonomous fleet | Jaguar USA
Austin Waymo-Uber partnership data analysis | YipitData
【編集部解説】
Waymoとユーバーがアトランタで展開する自動運転タクシーサービスは、モビリティの未来を示す重要な一歩です。このパートナーシップでは、ユーバーが車両の充電、清掃や修理などの車両管理を担当し、Waymoが自動運転技術の運用と監視を行うという役割分担が特徴となっています。
オースティンでの展開ですでに「ユーバー利用者の大多数がWaymoの自動運転車を選択し、ほとんどの利用者が5つ星の評価をしている」という実績があり、これは自動運転技術に対する一般ユーザーの受容性が高まっていることを示しています。特筆すべきは、オースティンでの自動運転車の利用率がサンフランシスコの初期導入時と比較して80%以上高く、2025年3月末の時点でWaymoの自動運転車がUberの全配車の20%を占めるまでに成長している点です。
技術面では、Waymoの第5世代「ドライバー」技術を搭載したジャガーI-PACEが約300メートル先まで見渡せる360度ライダーセンサー、約300メートル以上先の詳細を識別できるカメラ、そして革新的なイメージングレーダーシステムを備えています。これらのセンサー技術により、人間のドライバーよりも広い視野と正確な認識能力を実現し、特にレーダーシステムは数百メートル先のバイク運転者も検知できる性能を持っています。
Waymoは現在、サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックス、オースティンの4都市で1,500台のジャガーI-PACEを運用しており、アリゾナ州メサに新しい組立工場を建設し、Magnaとのパートナーシップにより2026年までに車両数を3,500台に増やす計画です。また、ヒュンダイのアイオニック5と吉利が開発したZeekr RTという電気ミニバンもテスト中で、Zeekr RTは2026年にWaymoの第6世代自動運転システムの最初のプラットフォームになる予定です。
利用者はUberアプリを更新し、「アカウント>設定>乗車設定>自律走行車>インタレストリスト参加」と進むことでリストに登録でき、料金はUberX、Uber Green、Uber Comfort、またはUber Comfort Electricと同じでアプリ上で事前に表示されます。サービスエリアは当初65平方マイルですが、他の都市での展開と同様に、時間の経過とともに拡大していく予定です。
【用語解説】
ロボタクシー:人間のドライバーなしで自動運転技術により運行されるタクシーサービス。乗客はスマートフォンアプリで配車を依頼し、AIが車両を操作して目的地まで送迎する。
ライダーセンサー:Light Detection and Ranging(光検出と測距)の略で、レーザー光を照射し、その反射を測定することで周囲の物体との距離や形状を高精度に検出するセンサー技術。Waymoの最新システムでは約300メートル先まで360度の視野を持ち、自動運転車の「目」として重要な役割を果たす。
インタレストリスト:新サービスの開始前に、興味を持つユーザーが優先的にサービスを利用できるよう登録する待機リスト。Waymoとユーバーのアトランタでのサービス開始に先立ち、2025年4月15日から登録受付が開始された。
【参考リンク】
Waymo(外部)
自動運転技術を開発するAlphabet(Google親会社)傘下の企業。完全自動運転車の商用サービスを複数都市で展開中。
Uber(外部)
世界最大級の配車サービス企業。自動運転技術企業と提携し、アプリを通じた自動運転車の配車サービスを展開。
Jaguar I-PACE(外部)
ジャガーの電気自動車SUV。Waymoの自動運転フリートに採用され、自動運転技術と組み合わせて使用されている。
YipitData(外部)
市場調査会社。オースティンでのWaymoとUberのサービスに関するデータ分析を提供。