Last Updated on 2025-06-03 09:19 by admin
OpenAIはAI動画生成モデル「Sora」を2025年6月2日からMicrosoftと提携して「Bing Video Creator」としてiOSおよびAndroidのBingモバイルアプリで無料提供を開始した。
ユーザーはテキストプロンプトから5秒間の縦型(9:16)動画を生成でき、1回につき最大3本まで同時生成が可能で、各動画は90日間保存される。
初回は10回まで高速生成が無料で利用でき、その後は標準速度での生成が無制限に無料、またはMicrosoft Rewardsポイント(100ポイントで1回)と交換で高速生成が可能である。
Bing Video Creatorは中国とロシアを除く全世界で展開され、デスクトップやCopilot Searchへの対応も近日予定されている。従来Soraは有料サブスクリプション限定だったが、今回の統合で無料利用が実現した。
From: OpenAI’s Sora is now available for FREE to all users through Microsoft Bing Video Creator on mobile
【編集部解説】
今回のBing Video CreatorによるSora無料開放は、生成AI動画技術の一般ユーザーへの本格的な普及を象徴しています。
従来、SoraはChatGPT PlusやProなど有料プランの利用者に限定されていましたが、Bingモバイルアプリ経由で誰でも手軽にAI動画を生成できるようになりました。
現時点で生成できる動画は5秒・縦型(9:16)に限定されており、横型や長尺動画への対応は今後のアップデートが予定されています。
Sora本来の最大生成長(20秒)や高解像度出力、詳細な編集機能などはBing版では制限があるため、プロ用途や高度な編集には依然として有料版や他社サービスが必要です。
この動きは、SNSや日常のコミュニケーション、教育、マーケティングなど多様な分野で新たなクリエイティブ体験をもたらす一方、AI生成動画の著作権やフェイク対策、倫理的運用のガイドライン整備といった社会的課題も浮き彫りにしています。
今後はより多機能化・高品質化とともに、企業向けAPIやデスクトップ対応、生成物の透明性確保など、技術進化とガバナンスの両立が求められるでしょう。
【用語解説】
テキストプロンプト
AIに対して生成内容を指示するための文章。動画や画像生成AIでは、ユーザーがこのプロンプトを入力することで希望するシーンや内容のコンテンツを生成できる。
生成AI
与えられた指示や条件に基づき、新しいコンテンツ(テキスト、画像、動画など)を自動的に作り出す人工知能技術の総称。
C2PA
デジタルコンテンツの作成・編集履歴や出所を証明するための国際的な標準規格。AI生成コンテンツの信頼性や透明性を確保する技術として注目されている。
Microsoft Rewards
Microsoftが提供するポイントプログラム。Bingでの検索やMicrosoft Storeでの買い物などでポイントが貯まり、様々な特典やサービスと交換できる。
【参考リンク】
OpenAI公式サイト(外部)
ChatGPTやDALL-E、Soraなど先端AIを開発・提供する米国のAI企業。
Microsoft公式サイト(外部)
WindowsやOffice、Azureなどを展開する米国の大手IT企業。
Bing Video Creator(外部)
OpenAI Soraを活用したテキストからの動画生成サービス。BingアプリやWebから利用可能。
C2PA公式(外部)
デジタルコンテンツの信頼性と透明性を担保する国際的な標準規格を策定する団体。
Microsoft Rewards(外部)
Microsoftが提供する無料のポイントプログラム。Bing検索や買い物でポイントが貯まり、特典と交換可能。
【参考動画】
【参考記事】
TechCrunch「Microsoft Bing gets a free Sora-powered AI video generator」(外部)
Bing Video CreatorにSoraが統合され無料開放された事実や利用条件を詳述。
XenoSpectrum「Microsoft、OpenAI『Sora』の機能を無料で使える『Bing Video Creator』リリース」(外部)
Bing Video Creatorの特徴、利用制限、今後の展開を解説。
OpenAI公式「Sora の紹介」(外部)
Soraの技術仕様や開発背景、利用可能な機能について公式情報を掲載。
【編集部後記】
AI動画生成が日常の手のひらに届く時代が始まりました。もし自分のアイデアやストーリーが数分で動画になったら、どんな場面で使ってみたいと思いますか?SNSでの発信や趣味の記録、仕事の資料作りなど、使い方は無限です。新しい表現の可能性を、ぜひご自身の生活や仕事の中で想像してみてください。