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Firefox 140 ESR リリース:AI機能排除でプライバシー重視、タブアンロード機能など新機能搭載

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Mozilla Firefox 140が2025年6月24日にリリースされた。このバージョンは延長サポートリリース(ESR)として提供され、1年間のサポートを受ける。

新機能として、タブの右クリックによるメモリからのアンロード機能、縦型タブ使用時のピン留めタブエリアのサイズ変更機能、ツールバーからの拡張機能ボタン非表示機能が追加された。

2023年から展開されているローカル言語翻訳機能は、現在表示中の領域を優先し、スクロールに追従するよう改良された。カスタム検索エンジンの追加が簡単になり、アラビア語のスペルチェック辞書が提供される。

一方で、Mozillaが先月発表したPocketサービスの終了に伴い、Pocketボタンが削除された。Android版では全タブ選択機能とプライベートタブのパスワード・指紋認証保護機能が追加された。

Firefox 140 ESRは2024年7月のFirefox 128 ESRに代わる新しいESR基盤となり、Firefox 128 ESRは2025年9月16日にサポート終了予定である。

From: 文献リンクMozilla rolls out Firefox 140 with ESR status and fresh features

【編集部解説】

Firefox 140 ESRのリリースは、単なるブラウザのアップデートを超えた重要な意味を持っています。ESR(Extended Support Release)は企業や組織向けに設計された安定版で、通常の月次リリースとは異なり年に一度の大型アップデートとなります。

今回のリリースで特に注目すべきは、Mozillaが「AI機能の搭載を見送った」という点でしょう。他の主要ブラウザがAI機能の統合を急ぐ中、Firefoxは意図的にAIヘルパーを排除し、代わりにLLMフリーの検索機能を強化しています。これは、プライバシーファーストの姿勢を貫くMozillaの戦略的判断と言えます。

タブのアンロード機能は、メモリ使用量の最適化において重要な改善です。従来はブラウザが自動的にメモリ管理を行っていましたが、ユーザーが能動的にメモリを解放できるようになったことで、特にリソースが限られた環境での作業効率が向上するでしょう。

Pocketサービスの終了は、Mozillaのビジネス戦略の転換点を示しています。2017年に買収したPocketの終了により、同社はリソースを他の分野に集中させる意図があります。これは「読み後で」サービス市場の変化と、ユーザーの情報消費パターンの変化を反映した決断と考えられます。

ESRユーザーにとって、Firefox 140は過去1年間の機能改善を一度に享受できる大型アップデートとなります。縦型タブ、タブグループ化、新しいサイドバーなど、月次リリースユーザーが既に利用していた機能が一挙に利用可能になることで、企業環境でのブラウザ体験が大幅に向上します。

長期的な視点では、Firefox 140 ESRはWebブラウザ市場におけるプライバシー重視の選択肢としての地位を強化する重要なリリースです。Googleの影響力拡大に対する懸念が高まる中、独立系ブラウザとしてのFirefoxの存在意義はますます重要になっています。

【用語解説】

ESR(Extended Support Release)
企業や組織向けに設計されたFirefoxの安定版。通常の月次リリースとは異なり、約52週(1年)ごとのメジャーアップデートと、その間の最低4週ごとのセキュリティ・バグ修正アップデートを提供する。

タブアンロード機能
タブを右クリックして「タブをアンロード」を選択することで、タブの内容をメモリから削除し、次回そのタブに切り替える際に再読み込みする機能。メモリとCPUリソースを節約できる。

縦型タブ
従来の水平タブバーではなく、ブラウザの左側に縦に配置されるタブ表示方式。多数のタブを開く際の視認性と操作性を向上させる。

【参考リンク】

Mozilla Firefox公式サイト(外部)
Mozillaが開発するオープンソースのウェブブラウザFirefoxの公式サイト

Firefox ESR公式ページ(外部)
企業向けFirefox ESRの特徴、ダウンロード、導入ガイドを提供

Mozilla公式ブログ(外部)
Firefoxの新機能、セキュリティアップデート、企業方針の最新情報

Firefox 140リリースノート(外部)
Firefox 140の公式リリースノート、新機能とバグ修正の詳細

【参考記事】

Firefox 140 Brings Tab Unload, Custom Search & New ESR
Firefox 140 ESRが提供する1年分の機能改善を包括的に紹介。タブグループ化、縦型タブレイアウト、新しいサイドバーなどの主要機能を詳述している。

Mozilla rolls out Firefox 140 ESR with fresh features
Firefox 140 ESRのリリースを報じる元記事。新機能の紹介とPocketサービス終了の影響、レガシーOSサポート終了について詳細に解説している。

Firefoxのサポート期限の調べ方
Firefox ESRのサポートスケジュールと各バージョンの具体的なサポート期限について詳細に説明。Firefox 128 ESRが2025年9月16日に終了することを確認できる。

【編集部後記】

Firefox 140 ESRのリリースを機に、皆さんはどのようなブラウザ選択基準をお持ちでしょうか。AI機能の統合が進む中、Firefoxがあえてプライバシーファーストの道を選んだことについて、どう感じられますか。

また、タブアンロード機能のような細かな改善が、実際の作業効率にどの程度影響するのか、ぜひ試していただきたいと思います。企業環境でESRを導入されている方は、今回のアップデートでどのような変化を実感されるでしょうか。皆さんの体験やご意見をお聞かせください。

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TaTsu
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