Canon ITS「Cato SASEクラウド向けSOCサービス」AI相関分析でゼロトラスト運用を自動化

Canon ITS「Cato SASEクラウド向けSOCサービス」AI相関分析でゼロトラスト運用を自動化 - innovaTopia - (イノベトピア)

キヤノンITソリューションズ株式会社は、ITインフラサービス「SOLTAGE」の新たなセキュリティ運用サービスとして、「Cato SASEクラウド」を対象とした「Cato SASEクラウド向けSOCサービス」を2026年3月から提供する。

本サービスは、Cato SASEクラウドから収集したログやアラートをAIで相関分析し、脅威度と緊急度を評価したうえでインシデントをシナリオ化し、対処方法を提示する。

また、マルウェア感染が疑われる端末についてはMDRソフトウェアを通じて自動隔離を行い、人的リソースへの依存を抑えたSOC運用を実現する。

料金は月額30万円(税別)からで、SOLTAGEブランドの一環としてクラウドセキュリティ領域のサービス拡充を継続する方針である。

From: 文献リンク“Cato SASEクラウド向けSOCサービス”を提供開始 AI相関分析により速やかなセキュリティ対策を実現

 - innovaTopia - (イノベトピア)
キヤノンITソリューションズ株式会社公式プレスリリースより引用

【編集部解説】

今回の「Cato SASEクラウド向けSOCサービス」は、SASEとマネージドSOCをワンパッケージで提供し、AIによる相関分析と自動隔離まで組み込んだ点が大きな特徴です。ゼロトラストやSASEを導入しても、その後のログ分析やインシデント判断を自社だけで回しきれない、という日本企業の現実に正面から応える構成と言えます。

そもそもSASEは、ネットワークとセキュリティをクラウド上で統合し、拠点・クラウド・リモートワークを一体で守る考え方です。しかし、多機能であるがゆえに膨大なログとアラートが発生し、「どれが本当に危険なのか」を見極めるには専門人材が必要になります。Cato SASEクラウドのようなクラウドSASEも、この運用面がボトルネックになりやすく、その隙間を埋めるのが今回のSOCサービスだと理解できます。

AI相関分析によって、散在するアラートを「インシデントのシナリオ」として提示するアプローチは、世界的にもSOC高度化のトレンドになっています。単発のアラートを一つひとつ追うのではなく、「どの端末が、どの通信を起点に、どう被害が広がり得るのか」をストーリーとして可視化することで、担当者の判断スピードを高められるからです。キヤノンITSのサービスもこの流れを踏まえ、日本企業向けに最適化した形で提供しようとしていると見られます。

自動隔離の仕組みも、実務上のインパクトが大きいポイントです。MDRソフトウェアを通じてマルウェア感染が疑われる端末をネットワークから自動的に切り離すことで、「検知はできたが対応が遅れて被害が拡大した」という典型的な事故パターンを減らせます。一方で、誤検知による隔離は業務停止につながるため、自動化の閾値や対象範囲をどう設計するかが、現場のポリシー設計の重要なテーマになります。

「人的リソースに頼らない運用」というメッセージの背景には、日本の深刻なセキュリティ人材不足があります。24時間365日の監視体制を自社で維持することが難しい企業ほど、SOCの外部委託に頼らざるを得ない状況ですが、そこでネックになるのがコストです。AIによる相関分析や自動隔離で省人化を図ることで、「月額30万円から」という価格帯を実現している点は、中堅企業を中心としたターゲットにとって重要な条件になりそうです。

長期的な視点で見ると、「SOLTAGE」ブランドのもとでクラウドセキュリティやネットワーク、運用・保守を統合していく戦略の一環として、このSOCサービスを位置づけることができます。今後、連携対象サービスが拡大していけば、Cato SASEクラウド単体に限らない、マルチクラウドや他社製品を含む“ハブ”としてのSOCへ進化していく可能性もあります。そのとき、企業のネットワーク設計とセキュリティ運用の標準形が、いまとはまったく違う姿になっているかもしれません。

ゼロトラストやSASEは、一見すると大企業向けの「遠い話」に見えますが、テレワークやクラウド利用が当たり前になった現在、中堅企業にとっても避けて通れないテーマです。一方で、「フルスタックで自前運用」は現実的ではなく、どこまでをクラウドやマネージドサービスに預け、どこからを自社の責任領域として握るのかという線引きが問われてきます。今回の発表は、その線引きの一つの具体的なモデルケースとして、検討の材料になり得るニュースだと感じます。

【用語解説】

SASE(Secure Access Service Edge)
ネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウド上で統合し、拠点やクラウド、リモート端末へのアクセスを一元的に保護するアーキテクチャの総称である。

SOC(Security Operation Center)
セキュリティログやアラートを集約し、監視・分析・インシデント対応を専門に行う組織やサービスのことを指す。

MDR(Managed Detection and Response)
エンドポイントなどからのログをもとに脅威を検知し、調査や封じ込めまでをマネージドで提供する検知・対応サービスの総称である。

インシデント
マルウェア感染や不正アクセスなど、情報システムやネットワークの安全性を脅かす事象全般を指す言葉である。

AIによる相関分析
複数のログやアラート間の関係性をAIが自動で解析し、攻撃シナリオや影響範囲を推定する分析手法である。

【参考リンク】

Cato SASEクラウド向けSOCサービス|キヤノンITソリューションズ(外部)
AI相関分析と自動隔離を組み合わせ、Cato SASEクラウドのログから脅威検出と対応支援を行うマネージドSOCサービスの公式情報だ。

ITインフラサービス SOLTAGE|キヤノンITソリューションズ(外部)
クラウド、ネットワーク、運用・保守、セキュリティ、データセンターを組み合わせて企業システム全体を支えるITインフラサービスブランドだ。

Cato SASE Cloud Platform|Cato Networks(外部)
グローバルバックボーン上でSD-WANとネットワークセキュリティを統合するCato SASEクラウドの概要や機能、導入メリットを紹介しているページだ。

【参考動画】

【参考記事】

キヤノンITS、「Cato SASEクラウド」の情報をAIで相関分析するSOCサービス(外部)
キヤノンITSがCato SASEクラウド向けSOCサービスを2026年3月から月額30万円(税別)で提供することを紹介し、AI相関分析、自動対応、SOLTAGEの一部としての位置づけを解説している。

キヤノンITS、ネットワークとセキュリティを統合したクラウドサービス「Cato SASEクラウド」向けSOCサービス(外部)
Cato SASEクラウドを対象にしたSOCサービスの概要を伝え、脅威検出から初動対応・恒久対応提案、定期レポートまでを一貫提供する点を整理している。

Cato SASEクラウド」の情報をAIで相関分析するSOCサービス(Yahoo!ニュース)(外部)
インプレス記事の配信版として、AI相関分析でインシデントシナリオと対処方法を提示し、月額30万円(税別)からの料金で提供される点を簡潔にまとめている。

Cato SASE対象に中堅企業向けSOCサービスを3月開始(外部)
人とAIエージェントの協働による自律型SOCを志向し、AI自動化により月額30万円という価格を実現した背景や、中堅企業向けサービスとしての狙いを補足している。

SASEクラウド監視を強化 AI活用のSOCサービスを来春提供開始(外部)
Cato SASEクラウドの監視強化をテーマに、AIによるログ分析と初動自動化、SOLTAGEブランドにおける新サービスとしての位置づけを概観している。

【編集部後記】

多くの企業が、サイバー攻撃のリスクを感じながらも「人が足りない」「24時間は見きれない」という現実と向き合っています。そのなかで、SASEやSOC、AI自動化といったキーワードが、どれくらい自分ごとに感じられたかは、読んでくださった皆さんの立場によって違うはずです。

もし「うちの規模でも関係あるのだろうか」「最初の一歩をどこから踏み出せばいいのか分からない」と感じたとしたら、まさにそこがこれから一緒に考えていきたいテーマだと感じています。みなさんの現場でいま直面している課題や、気になっている技術キーワードがあれば、ぜひ率直な声を聞かせてください。そこから次の取材や深掘りのヒントを見つけていきたいと思います。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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