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DMMビットコイン清算へ|482億円ハッキング被害から半年、SBI VCトレードに45万口座を移管

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Last Updated on 2025-01-06 16:54 by admin

DMMビットコインが事業廃止へ、顧客資産はSBI VCトレードに移管

事案の概要

  • DMMビットコイン(東京都中央区)が2024年12月2日、事業廃止を発表した
  • 顧客口座および預かり資産をSBI VCトレード(東京都港区)へ移管することで2024年11月29日に基本合意

被害状況

  • 2024年5月31日、約482億円相当のビットコインが不正流出
  • 流出後、新規口座開設審査、暗号資産の出庫処理、現物取引の買い注文などのサービスを制限
  • DMMグループからの支援で550億円を調達し、流出相当額の全額を保証

移管の詳細

  • 移管時期:2025年3月頃を予定
  • 移管対象:45万の顧客口座と預かり資産(日本円、暗号資産)
  • 移管先のSBI VCトレードは現在70万程度の顧客口座を保有
  • レバレッジ取引の未決済ポジションは移管対象外

経緯

  • 2024年5月31日:不正流出発生
  • 2024年9月:金融庁から業務改善命令を受ける
  • 2024年11月29日:SBI VCトレードとの基本合意
  • 2024年12月2日:事業廃止および資産移管を正式発表

企業情報

  • 商号:株式会社DMM Bitcoin
  • 所在地:東京都中央区日本橋2-7-1東京日本橋タワー10階
  • 代表取締役:松田昇樹
  • 設立:2016年11月
  • 資本金:2億9000万円

from:Japan crypto exchange DMM Bitcoin is set to liquidate

【編集部解説】

DMMビットコインの事業廃止が示す暗号資産業界の課題

暗号資産取引所の運営には、高度なセキュリティ体制が不可欠です。今回のDMMビットコインの事例は、その重要性を改めて浮き彫りにしました。

ハッキング被害の手口は、サーバー侵害と秘密鍵の流出という典型的なものでした。しかし、被害額が約482億円に及んだ背景には、単一のウォレットに大量の資産を保管していたという運用上の課題があったと考えられます。

注目すべきは、北朝鮮のLazarusグループが関与している可能性が高いという点です。ブロックチェーン分析によると、盗難された資産の一部は、カンボジアの決済会社Huione Guaranteeを経由してマネーロンダリングされた形跡があります。

業界への影響と今後の展望

今回の事案は、日本の暗号資産業界にとって2018年のCoincheck事件(約800億円相当)に次ぐ大規模な被害となりました。この結果、金融庁による規制強化や、業界全体のセキュリティ基準の見直しが予想されます。

SBI VCトレードへの顧客資産移管は、業界の再編を示す象徴的な出来事といえます。約45万の顧客口座が移管される予定であり、これによりSBI VCトレードの規模は約115万口座に拡大することになります。

セキュリティ対策の新たな課題

2024年は世界的に暗号資産取引所へのハッキング被害が多発しています。インドのWazirX(約350億円)、シンガポールのBingX(約78億円)、トルコのBtcTurk(約82億円)など、アジア地域での被害が目立ちます。

特に注目すべきは、ディープフェイク技術を使用した新たな形態の攻撃が出現していることです。AIの発展により、なりすまし手法が高度化しており、従来の認証システムでは対応が困難になってきています。

利用者保護の観点から

DMMビットコインは、グループ会社からの支援により被害額相当の暗号資産を確保し、顧客の資産を保護する方針を示しました。しかし、このような対応が可能なのは資金力のある企業グループに限られます。

今後は、コールドウォレットの活用や、マルチシグネチャによる承認プロセスの導入など、より強固なセキュリティ体制の構築が求められるでしょう。

【用語解説】

  • Lazarusグループ
    北朝鮮の国家支援ハッカー集団、2022年のRonin Bridge(約540億円)など大規模な暗号資産ハッキングを実行、2024年だけで約2,400億円の暗号資産を盗難
  • マルチシグウォレット
    銀行の金庫に例えると、複数の鍵が必要な二重ロックのような仕組みです。DMMビットコインは2つの鍵が必要な「2-of-3マルチシグ」を採用していました。
  • コールドウォレット
    インターネットに接続しない状態で暗号資産を保管する方法。

【参考リンク】

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TaTsu
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