Last Updated on 2024-09-28 08:01 by admin
2024年9月26日、WordPressの共同創設者であり最高経営責任者(CEO)のマット・マレンウェッグ氏は、ホスティングプロバイダーであるWP EngineのサーバーがWordPress.orgのリソースにアクセスすることを遮断した。
この措置により、WP EngineのユーザーはWordPress.orgからプラグインやテーマの更新、インストールができなくなった。
マレンウェッグ氏は、WP EngineがWordPressの開発に貢献せずに利益を得ているとして、同社を「がん」と呼び、商標ライセンス料の支払いを求めていた。
WP Engineは支払いを拒否しており、両社間で内容証明郵便のやり取りがあった後、この遮断措置が取られた。
この決定に対し、Redditなどのソーシャルメディアでは、WordPressのフォーク(分岐)の可能性や、遮断措置への反発の声が上がっている。
WordPress.orgは、オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)であるWordPressの公式サイトであり、テーマやプラグインなどの重要なリソースをホストしている。
from:WordPress.org denies service to WP Engine, potentially putting sites at risk
【編集部解説】
WordPressとWP Engineの間で起きている騒動についてご存知でしょうか?この事態は、オープンソースコミュニティと商業利用の間の緊張関係を浮き彫りにしています。
まず、事の発端を整理しましょう。WordPressの共同創設者であるマット・マレンウェッグ氏が、WP Engineを「WordPressのがん」と呼び、商標ライセンス料の支払いを求めました。これに対しWP Engineが反発し、両者の間で法的な応酬が始まりました。
そして2024年9月26日、事態は急展開を迎えます。WordPress.orgは、WP Engineのサーバーからのアクセスを遮断したのです。これにより、WP Engineを利用しているウェブサイトは、プラグインやテーマの更新ができなくなりました。
この決定は、多くのウェブサイト運営者に影響を与えています。セキュリティアップデートが適用できないことで、サイトが脆弱性にさらされる可能性が高まっているのです。
しかし、この問題はただのビジネス上の争いではありません。オープンソースソフトウェアの商業利用に関する根本的な問題を提起しているのです。
オープンソースプロジェクトは、コミュニティの貢献によって成り立っています。しかし、それを商業利用する企業がどの程度コミュニティに還元すべきか、明確な基準はありません。
WordPressは、ウェブサイトの約40%を支えるプラットフォームです。その影響力を考えると、この問題は単にWordPressエコシステムだけでなく、インターネット全体に波及する可能性があります。
また、この騒動は、オープンソースプロジェクトのガバナンスについても問題を提起しています。一企業や個人が大きな権限を持つことの是非が問われているのです。
今後、この問題がどのように解決されるかは、オープンソースコミュニティと商業利用の関係性に大きな影響を与えるでしょう。