本日2月2日(日)9時から21時まで、「防衛省サイバーセキュリティコンテスト2025」が開催されています。今年で5回目となる本コンテストは、サイバーセキュリティ分野における次世代人材の発掘を目的としています。
主な概要:
– 参加資格:日本国籍を有する個人(防衛省・自衛隊職員を除く)
– 実施形式:オンラインによるJeopardy形式のCTF
– 参加者特典:全員にオリジナル壁紙、上位10名に防衛省特製ノベルティ
– 上位5位以内の入賞者には令和7年度の防衛省・自衛隊イベントに招待
サイバーセキュリティの重要性が増す中、防衛省は2017年からこのコンテストを実施し、専門人材の発掘・育成に力を入れています。
特筆すべきは、今回のコンテストが単なる技術コンテストではなく、実践的なサイバーセキュリティスキルの評価に重点を置いている点です。参加者は実際の業務に近い形での問題解決能力が問われます。
今年度は特に、AIセキュリティに関する問題も出題され、最新のテクノロジートレンドを反映した内容となっています。
from:防衛省サイバーコンテストの開催について
【編集部解説】
サイバーセキュリティコンテストの新たな潮流
2025年、世界各国でサイバーセキュリティに関する大規模なコンテストが開催されています。これは、デジタル社会における防衛力の強化と人材育成が世界的な課題となっていることを示しています。
特に注目すべきは、自動車産業におけるサイバーセキュリティの重要性の高まりです。1月に東京ビッグサイトで開催された「Pwn2Own Automotive 2025」では、21チームが参加し、49件のゼロデイ脆弱性を発見しました。これは、コネクテッドカーやソフトウェア定義車両(SDV)の普及に伴うセキュリティリスクの増大を反映しています。
防衛分野では、各国が独自のサイバーセキュリティコンテストを展開しています。スウェーデン国防大学は2月6日にCyber Challengeを開催し、米国エネルギー省は11月にCyberForce Competitionを実施予定です。
人材育成の新しいアプローチ
これらのコンテストの特徴は、単なる技術力の競争ではなく、実践的な課題解決能力を重視している点です。例えば、米国のPresident’s Cup Cybersecurity Competitionでは、防衛的スキルと攻撃的スキルの両方を評価し、実際の業務に即した課題が出題されています。
産業界への影響
自動車業界では、Pwn2Own Automotiveのような取り組みを通じて、製品開発段階からセキュリティを考慮する「セキュリティ・バイ・デザイン」の重要性が認識されています。発見された脆弱性は製品の改善に活かされ、より安全な自動車社会の実現に貢献しています。
今後の展望
サイバーセキュリティコンテストは、単なる競技会から、産業界と人材をつなぐプラットフォームへと進化しています。特に注目すべきは、スウェーデン国防大学のように、コンテストと採用活動を組み合わせた新しい取り組みです。
このような動きは、サイバーセキュリティ人材の育成と、産業界のニーズのマッチングという課題に対する新しいソリューションとなる可能性を秘めています。