AsusはCES 2026で、コンテンツクリエイター向けの新型「ProArt GoPro Edition」ノートPCを2026年1月6日に発表する。このデバイスは360度完全回転するヒンジを備えた2-in-1コンバーチブル設計で、ノートPC、テント、タブレットの各モードに対応する。おそらく13.3インチ程度の小型ディスプレイを搭載し、専用テンキーパッドは省略されたコンパクト設計となっている。
動画・画像編集の精度を高める専用ダイヤルコントロールとバックライト付きキーボードを装備し、現場での作業環境に配慮している。コア機能としてStoryCube Windowsアプリケーションの統合を実現し、GoPro Cloudと直接接続して360度コンテンツの管理が可能。AIがアクティビティ、時間、GPS情報でクリップを自動整理する。専用GPUを搭載予定で、ProArtシステム購入者には最大6ヶ月のGoPro Premium+サブスクリプションが提供される。
【編集部解説】
このProArt GoPro Editionは、ASUSとGoProが2025年10月に発表した包括的パートナーシップの成果として位置づけられる製品です。同パートナーシップではStoryCubeという世界初のGoPro Cloudと360度動画ネイティブ対応のWindowsアプリケーションが先行リリースされており、今回の新型ノートPCはこのエコシステムを最大限活用できるハードウェアとして設計されています。
注目すべきは、ASUSが「Experiencer Curators(体験キュレーター)」という新しいクリエイター層を明確にターゲットとしている点です。これは従来のスタジオベースのクリエイターではなく、アウトドアや現場で撮影した体験を編集・共有するユーザー層を指しており、アクションカメラ市場の成長とともに拡大しているニッチ市場への戦略的アプローチと言えます。
技術面では、StoryCubeのAIがGoProやアクションカメラの映像に特化した学習を行い、バイク、サーフィン、スノーボードなどの具体的なアクティビティを認識できる点が特徴的です。これにより、従来は手動で行っていた膨大な撮影素材の分類作業が自動化され、編集までの時間が大幅に短縮されます。Adobe Premiere ProやCapCutへのドラッグ&ドロップ対応により、プロフェッショナルな編集環境への橋渡しも実現しています。
一方で、詳細なハードウェアスペックが未公開である点は注意が必要です。360度動画や4K以上の高解像度素材を扱うには相応の処理能力が求められますが、携帯性を重視したコンパクト設計との兼ね合いで、パフォーマンスにどの程度の妥協があるかは現時点では不明です。
このパートナーシップは2027年12月まで継続予定であり、単発の製品リリースではなく長期的なエコシステム構築を目指していることが分かります。クリエイター向けハードウェア市場において、特定のカメラメーカーと深く統合した製品は珍しく、今後他社も追随する可能性があります。
【用語解説】
ProArt
ASUSのクリエイター向けプロフェッショナル製品ラインで、デザイナーや映像編集者を対象とした高性能ノートPC、デスクトップ、モニターなどを展開している。色精度や処理能力を重視した設計が特徴。
2-in-1コンバーチブル
360度回転するヒンジを備えたノートPCで、画面を完全に折り返すことでタブレット形態に変形できる。着脱式とは異なり、キーボードとディスプレイが常に接続されている。
StoryCube
ASUSとGoProが共同開発した世界初のGoPro Cloud統合Windowsアプリケーション。360度動画のネイティブ再生とAIによる自動整理機能を備え、アクション映像の管理を効率化する。
GoPro Cloud
GoProが提供するクラウドストレージサービスで、撮影した映像を自動アップロードし、複数デバイスからアクセス可能にする。GoPro Premiumサブスクリプションに含まれる。
ダイヤルコントロール
回転式の物理コントローラーで、動画編集時のタイムライン移動や画像編集時のパラメータ調整を直感的に操作できる。Surface DialやApple iPadのアクセサリと同様の機能。
CES 2026
Consumer Electronics Showの略。毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市で、各社が最新製品や技術を発表する場として知られる。
ラギッドノートPC
耐衝撃性や防塵・防水性能を備えた堅牢設計のノートPCで、工事現場や屋外など過酷な環境での使用を想定している。MIL規格などの耐久基準を満たすことが多い。
360度コンテンツ
GoProなどのアクションカメラで撮影された全方位映像。通常の動画と異なり、視聴時に視点を自由に変更でき、VR体験やインタラクティブコンテンツに活用される。
GoPro Premium+
GoProの上位サブスクリプションサービスで、無制限クラウドストレージ、カメラの交換保証、アクセサリ割引などが含まれる。通常のPremiumより特典が充実している。
GPSベースのロケーションメタデータ
動画ファイルに埋め込まれた撮影位置情報。GoProカメラはGPS機能により撮影地点の緯度経度を自動記録し、後から撮影場所ごとに映像を分類できる。
【参考リンク】
ASUS ProArt公式サイト(外部)
ASUSのクリエイター向けプロフェッショナル製品ラインの公式ページ。ノートPC、デスクトップ、ディスプレイ、マザーボードなど製品情報を掲載。
GoPro公式サイト(外部)
アクションカメラメーカーGoProの公式サイト。カメラ製品、サブスクリプションサービス、クラウドストレージに関する情報を提供。
CES 2026公式サイト(外部)
Consumer Technology Associationが主催する世界最大級のテクノロジー見本市の公式サイト。2026年の開催情報や出展企業情報を掲載。
【参考動画】
ASUS公式によるProArt GoPro Editionのティーザー動画。コンバーチブルデザインやダイヤルコントロールの映像が確認できる。
【参考記事】
ASUS Previews Next-Gen Zenbook DUO, First-Ever ProArt GoPro Edition Laptop at CES 2026(外部)
ASUSがCES 2026で発表予定の製品群を紹介。ProArt GoPro Editionに加え、次世代Zenbook DUOのデュアルスクリーン設計についても言及している。
ASUS ProArt and GoPro Launch AI-Powered StoryCube(外部)
2025年10月に発表されたStoryCubeアプリケーションの詳細。AIによるアクティビティ認識機能や、Adobe Premiere Pro連携について解説している。
ASUS ProArt x GoPro Laptop Teased Ahead of CES 2026(外部)
CES 2026に向けたティーザー情報をまとめた記事。コンバーチブルデザインやStoryCube統合について触れている。
【編集部後記】
クリエイター向けノートPCが特定のカメラメーカーと深く統合する流れは、今後加速するのでしょうか。ASUSとGoProのパートナーシップは2027年まで継続予定ですが、SonyやCanonといった他のカメラメーカーも同様のエコシステム構築に動く可能性があります。一方で、360度動画や4K以上の素材を扱うには相応の処理能力が必要ですが、13.3インチのコンパクト設計でどこまでパフォーマンスを確保できるのか気になるところです。現場での即時編集と、スタジオでの本格編集のどちらを重視するかで、このデバイスの評価は大きく分かれそうです。































