Cedars-Sinaiがスペイン語版バーチャルヘルスケアアプリを提供開始

Last Updated on 2024-04-11 06:09 by 荒木 啓介

Cedars-Sinaiは、AIを活用したバーチャルヘルスケアプラットフォーム「Cedars-Sinai Connect」を拡張し、3歳から17歳の子供の親とスペイン語を話す大人を対象にスペイン語版アプリを提供開始した。このサービスにより、対象者は24時間365日、風邪、発疹、インフルエンザ、咳などの緊急事態に対してCedars-Sinaiの医療提供者にオンデマンドでアクセスできるようになる。また、平日と週末の特定の時間に予定された訪問を選択することも可能である。子供の小児科医はCedarsのEHRを通じて情報共有される。スペイン語を話す大人は、スペイン語通訳の助けを借りて、平日と週末に予定された訪問または24/7のオンデマンドケアを利用できる。さらに、不安、高血圧、肥満、うつ病などの慢性疾患の管理のためのプライマリーケアにもアクセスできる。

Cedars-Sinai Health Systemはカリフォルニア州に位置し、米国内で最も大きなスペイン語話者の人口を持つ州の一つである。Cedars-Sinaiは2023年にAIを活用したバーチャルケアプラットフォームを立ち上げ、サンディエゴからサクラメントまでの8,000人以上の患者に利用されていると報告している。このアプリは、医療提供者の管理負担を軽減するために、ヘルスアナリティクス会社K Healthによって開発された。スペイン語話者のケアアクセス向上を目指す他のデジタルヘルス企業には、2021年にスペイン語での生殖健康サービスを提供開始した女性向けテレヘルススタートアップのTwentyeight Healthや、ラテン系患者向けのバーチャルヘルスケアサービスを提供するシアトル拠点のZócalo Healthがある。

【ニュース解説】

Cedars-Sinai Health Systemが、AIを駆使したバーチャルヘルスケアプラットフォーム「Cedars-Sinai Connect」の機能を拡張し、3歳から17歳の子供を持つ親とスペイン語を話す大人向けにスペイン語版アプリを提供開始したことは、デジタルヘルスケア分野における重要な進展です。このサービスは、利用者が24時間365日、風邪や発疹、インフルエンザ、咳などの緊急事態に対応する医療提供者にオンデマンドでアクセスできるようにするものです。また、慢性疾患の管理にも対応しており、不安、高血圧、肥満、うつ病などの状態をプライマリーケアを通じて管理できます。

このサービスの拡張は、特にカリフォルニア州のように大規模なスペイン語話者コミュニティを持つ地域において、医療アクセスの格差を縮小する可能性を秘めています。言語の壁は、特定のコミュニティが質の高い医療サービスを受ける上で大きな障害となり得ます。このような背景から、Cedars-Sinai Connectのようなプラットフォームは、言語的ニーズに対応し、より多くの人々が必要なケアにアクセスできるようにすることで、公平な医療の提供に貢献します。

また、このプラットフォームは、医療提供者の管理負担を軽減することも目的としています。AI技術の活用により、患者の問い合わせに迅速かつ効率的に対応できる体制を整えることができ、医療提供者はより専門的なケアに集中することが可能になります。これは、医療システム全体の効率化に寄与し、長期的には医療コストの削減にも繋がる可能性があります。

しかし、デジタルヘルスケアサービスの拡大には、プライバシー保護やデータセキュリティの確保といった課題も伴います。個人の健康情報は非常にデリケートなデータであり、その取り扱いには最大限の注意が必要です。また、全てのユーザーがこのようなデジタルサービスを利用できるわけではないため、デジタルデバイドを拡大しないよう、オフラインでもアクセス可能なサービスの提供も重要です。

将来的には、Cedars-Sinai Connectのようなプラットフォームがさらに進化し、より多くの言語や地域に対応することで、世界中のさまざまなコミュニティにおける医療アクセスの改善に貢献することが期待されます。このようなイノベーションが、医療の質の向上、コスト削減、そして最終的には人々の健康増進に繋がることを願っています。

from Cedars-Sinai expands virtual care offering to children, Spanish speakers.