Last Updated on 2025-01-17 10:07 by admin
NASAの宇宙飛行士2名がISSでX線望遠鏡の修理に成功しました。
2025年1月16日、国際宇宙ステーション(ISS)で、NASAの宇宙飛行士Nick HagueとSuni Williamsが船外活動(EVA)を実施し、約6時間の作業を完了しました。
作業内容
from:wo NASA astronauts are currently outside the ISS, repairing an X-ray telescope
【編集部解説】
宇宙望遠鏡修理の意義と今後の展望
NICERの修理作業は、宇宙望遠鏡の保守における重要な転換点となります。2009年のハッブル宇宙望遠鏡の修理以来、軌道上での天文台修理は実施されていませんでした。今回の成功は、将来の宇宙望遠鏡の運用と保守に新たな可能性を開くものです。
特筆すべきは、この修理がNICERの観測能力を大幅に向上させる点です。2023年5月から続いていた光漏れの問題により、日中の観測データに支障が出ていました。今回取り付けられた特殊パッチにより、より精密な中性子星の観測が可能になります。
長期滞在クルーの活躍
今回の船外活動の主役となったSuni Williams宇宙飛行士は、当初の予定を大幅に超える7ヶ月以上のISS滞在を強いられています。これは、Boeing Starlinerの不具合により帰還が延期されたためです。しかし、この予期せぬ長期滞在中も、彼女は指揮官としての重要な任務を遂行し続けています。
技術革新への貢献
今回の修理作業で使用された特殊パッチの技術は、将来の宇宙機器の保守にも応用できる可能性があります。特に、アルファ磁気分光装置(AMS)の将来的なアップグレードに向けた準備作業も同時に行われました。
今後の展望
2025年1月23日には、Williams宇宙飛行士とButch Wilmore宇宙飛行士による2回目の船外活動が予定されています。この継続的な保守作業により、ISSの科学観測能力は着実に向上していくでしょう。
潜在的な課題
一方で、宇宙服の安全性には引き続き注意が必要です。2024年6月に発生した宇宙服の冷却システムからの水漏れ事故以来、NASA初の船外活動となった今回の作業では、特に安全面での慎重な対応が求められました。
商業宇宙開発への影響
この修理作業の成功は、民間企業による宇宙開発にも重要な示唆を与えます。SpaceXやBoeing社などの民間企業が開発する宇宙船の信頼性向上と、軌道上でのメンテナンス能力の重要性を改めて示すものとなりました。