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6月12日【今日は何の日?】「ヘルシーソイラテの日」ー宇宙はラテ色だった??

 - innovaTopia - (イノベトピア)

静寂の暗闇に浮かぶ煌めく星々―私たちは宇宙を、漆黒の闇に包まれた神秘的な空間として想像します。しかしながら、驚くべきことに科学者たちが明かした宇宙の真の色は、私たちが朝のカフェで味わうあの温かなラテそのものでした。本日6月12日の「ヘルシーソイラテの日」に、この美しい偶然について考察を深めていきましょう。

なぜ6月12日がヘルシーソイラテの日なのでしょうか

日本豆乳協会は、6月12日を「ヘルシーソイラテの日」として、一般社団法人日本記念日協会に登録申請を行い、このたび登録が承認されました。

その選定理由は実に洗練されています。「6」が「調和」を表す数字であることから、豆乳と他の飲料や食材との調和を図り、バランスを整えてソイラテを楽しんでいただきたいという思いが込められています。さらに、6月は梅雨に入り、熱中症を警戒する時期でもあり、体調を崩しやすくなることから、バランス(調和)の良い飲食を摂り、健康的な生活を送っていただきたいという健康への配慮も含まれています。

そして何より興味深いのは、「6」が「無」「ロー」とも読めることから、生活者の無糖志向やローカロリーとの語呂合わせ、さらに「12日」が10(とう)2(にゅう)の語呂合わせという言葉遊びの巧妙さです。こうした創意工夫の中に、現代の健康志向と日本人の言葉への愛情が見事に調和していることがうかがえます。

宇宙の平均色「コズミックラテ」の発見について

ジョンズ・ホプキンス大学の天文学者チームによって発見された、地球から見える宇宙の銀河の平均色―それがコズミックラテです。1997年から2002年にかけて行われた「2dF 銀河赤方偏移サーベイ」で観測されたデータから算出されたこの色は、ウェブカラーコード「#FFF8E7」で表現されます。

この発見の経緯は、科学研究における美しい副産物でした。この研究では、宇宙の平均色の発見自体を目的としていたわけではなく、星形成の研究のために異なる銀河のスペクトルが分析されていました。約22万個の銀河の光を合成し、銀河の平均的な色を可視化した結果、宇宙全体の星々の光を一つにまとめると、ミルクが薄く混ざったラテのような、温かみのあるベージュがかった白色になることが判明しました。

なお、この色は現在の宇宙を対象にした平均値であり、宇宙の歴史全体で見れば変化してきたと考えられています。たとえば星形成が最も盛んであった約100億年前には、青く若い星の割合が高かったため、宇宙全体の色もより青みが強かったはずです。

名前の由来に込められた詩的な美しさ

この名前の選定には、実に詩的な物語があります。当初、ドラム氏が提案した「カプチーノコスミコ」が最も多くの票を獲得しましたが、同氏による別の案である「コズミックラテ」が研究者たちの人気を集めることとなりました。

そして、その理由こそが科学者たちの感性の豊かさを物語っています。「ラテ」は、ガリレオ・ガリレイの母語であるイタリア語で「牛乳」を意味し、同時にイタリア語で「天の川」を意味する”Via Lattea”にも音韻的に近いのです。この色が天の川の平均色に似ているという事実も、命名において重要な要素となりました。研究者たちは、この選択を「カフェインバイアス」と呼んで軽妙に表現したとも伝えられています。

ガリレオが初めて望遠鏡で天体を観測した時代から400年余り。現代の科学者たちが宇宙の色を表現するのに、同じイタリア語で「牛乳」を意味する言葉を選んだということは、偶然を超えた、時空を越えた詩的な共鳴と申せるでしょう。

コズミックラテから生まれた商品の数々

この美しい名前は、様々な商品にインスピレーションを与えています。奈良醸造では、地元奈良のコーヒーショップであるANY B&B+COFFEEとのコラボレーションにより、「COSMIC LATTE」というクラフトビールを醸造しています。このビールのために特別に焙煎された浅煎りのコーヒー豆を使用し、タンパク質の多いオーツ麦と大麦麦芽をブレンドすることで、見た目はカフェラテのように濁りを伴った、ヘイジーなブラウンエールとなっています。

また、大阪の中津商店街では、「コズミックラテ」という名前のバスクチーズケーキとカフェラテの専門カフェが営業されており、宇宙の平均色を名前に冠したこれらの商品は、科学的発見が日常の美しい体験へと昇華された興味深い例といえるでしょう。

https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27131110

科学用語に宿る崇高な美意識について

科学者たちは時として、厳密な研究の中に驚くほど美しい表現を見出すものです。コズミックラテもその一例ですが、科学の世界にはこうした詩的な命名が数多く存在します。

数学の分野では「病的な関数」という用語があります。これは直観から外れた異常な性質を持つ関数を指し、たとえばワイエルシュトラス関数のように「至る所で連続であるが至る所微分不可能な関数」などがこれに該当します。また、「次元の呪い」は数値解析の用語で、モデル空間の次元が増加するにつれて解析時間が幾何級数的に増加していく現象を表現したものです。

さらに興味深いのは「エデンの園配置」という概念です。これはセル・オートマトンの時間発展において、初期配置以外では生成されない配置を指し、旧約聖書「創世記」のエデンの園―最初の人類であるアダムとイブだけがそこにいて、楽園を追放されてしまって二度とそこには戻れない―という物語から命名されています。

これらの命名に共通するのは、科学者たちが単なる現象の記述を超えて、その奥にある本質的な美しさや神秘性を言葉によって表現しようとする意志です。彼らは世界を、私たちがコーヒーカップの中にあるラテの甘さに期待するような、そんな崇高な自然の美しさとして捉えているのかもしれません。

数式や実験データの向こうに、詩人のような感性で宇宙の神秘を見つめる科学者たち。コズミックラテという名前は、そんな彼らの心に宿る美意識の結晶といえるでしょう。朝のソイラテを手にする時、私たちもまた、宇宙という壮大なカフェラテの一滴であることを思い起こしていただければと思います。

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野村貴之
理学と哲学が好きです。昔は研究とかしてました。
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