9月7日の夕方、円が一時1ドル=154円台前半まで急伸しました。2月下旬以来、半年ぶりの円高水準です。ただし動いたのは円の値段であって、円の量ではありません。JPYCもPayPayの残高も、日銀の統計上は通貨として数えられていないからです。
日本銀行のマネーストック統計は、通貨を発行する主体を日本銀行と全預金取扱機関に限っている。資金移動業者や前払式支払手段の発行者は、ここに含まれない。このため円建てステーブルコインのJPYCも、PayPayなどにチャージされた残高も、M1・M2・M3・広義流動性のいずれにも計上されない。利用者が銀行預金でこれらを買うと、預金は発行会社へ移る。発行会社は一般法人であり通貨保有主体にあたるため、統計上の合計は動かない。2026年7月のM3平均残高は1641兆2000億円、JPYCの流通量は8月18日時点で約28億3000万円だった。金融審議会は2025年1月の報告で、預金取扱金融機関による1号電子決済手段の発行を論点のひとつに挙げている。
9月7日の夕方、円が急に動きました。日中は1ドル=156円前後だった円相場が、一時154円台前半をつけます。2月下旬以来、およそ半年ぶりの円高水準でした。主な材料のひとつは、日銀の利上げ観測です。植田和男総裁は9月1日、G20財務相・中央銀行総裁会議のあとの共同記者会見で、利上げは次回会合を含め毎回の会合でしっかり議論したいと述べています。次回の金融政策決定会合は9月17日と18日、政策金利は6月に0.75%から1.0%へ引き上げられ、7月は据え置かれていました。
金利が動けば、通貨の対外的な価値が動く。ここまでは教科書どおりです。ただし、この日動いたのは円の値段であって、円の量ではありません。
では、その量のほうは、いま何によって増えたり減ったりしているのでしょうか。
日本円建てのステーブルコインJPYCが発行され、PayPayには残高が積まれ、世界ではステーブルコイン全体で3,000億ドルを超える規模が流通しています。「発行された分だけ、通貨のストックが増えているのではないか」と考えるのは自然です。
この問いは、統計の定義まで降りていくと、答えの輪郭が見えてきます。そして答えは、少し意外な形をしています。
通貨を発行できるのは、誰ということになっているのか
日本銀行は毎月、マネーストック統計を公表しています。M1、M2、M3、広義流動性という4つの指標で、「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」を測るものです。
この統計には、通貨発行主体という考え方があります。統計の対象となる金融商品を発行している経済主体のことで、M1とM3の場合は日本銀行と全預金取扱機関です。国内銀行、ゆうちょ銀行、外国銀行在日支店、信用金庫、信金中央金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用組合、労働金庫、農協、漁協とその連合会。日本銀行が2026年3月に更新した「マネーストック統計の解説」には、この顔ぶれが列挙されています。
ここに、資金移動業者は入っていません。前払式支払手段の発行者も入っていません。
つまり、JPYC株式会社もPayPay株式会社も、M1やM3の統計上は通貨を発行していないことになっています。
では両社は統計上の何なのかというと、「一般法人」として扱われていると考えられます。マネーストック統計の通貨保有主体は、一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業と定められています。中央政府、中央銀行、預金取扱機関、保険会社、持株会社、政府系金融機関、証券会社、短資会社は除かれますが、決済事業者を除くという規定はありません。
通貨を発行する側ではなく、通貨を持つ側。ここが、この記事の答えの半分を決めています。
もう半分は、指標の組み立て方にあります。マネーストックの範囲は、発行主体だけで決まっているわけではありません。金融商品の種類、発行主体、保有主体の組み合わせで決まります。M3の外側にある広義流動性には、国債、投資信託、金銭の信託なども入り、そこでは中央政府や外債発行機関等も通貨発行主体とみなされます。
そのうえで確認できるのは、JPYCやPayPayの利用者残高そのものは、M1・M2・M3・広義流動性のどの構成商品にも列挙されていないということです。
1万円を追いかけてみる
具体的に追ってみます。あなたが銀行口座の1万円でJPYCを買ったとしましょう。
まず、あなたの預金が1万円減ります。これはM3を1万円分押し下げます。
次に、その1万円はJPYC株式会社の口座に入ります。同社は一般法人として扱われますから、この預金はM3に計上されます。1万円分の押し上げです。
差し引きゼロ。この単純化した預金の振り替えだけを見れば、M3は差し引き変わりません。動いたのは「個人が持っていた分」から「一般法人が持っている分」への振り替えです。そしてあなたの手元にある1万JPYCは、どの指標の構成商品にも入りません。
PayPayにチャージした場合も、この段階の構造は同じです。あなたの預金が減り、発行会社の預金が増える。残高そのものは統計の外側にあります。
ただし、話はここで終わりません。発行会社は受け入れた資金を、そのまま預金として置いておくとは限らないからです。JPYCは発行額に見合う預貯金と国債で裏付けを持ちます。国債を買えば、預金は国債に置き換わります。国債も広義流動性の構成要素なので、広義流動性の内部での資産の振り替えになり得ます。ただし国債を誰から買ったかによって、M3の動き方は変わります。
利用者資金の保全も同じです。資金移動業者には受け入れた資金と同額以上を保全する義務があり、前払式支払手段の発行者には基準日未使用残高の2分の1以上を保全する義務があります。保全の方法は複数あり、2026年の制度改正でさらに選択肢が加わりました。どの方法を採るかで、その資金がどこに置かれるかは変わります。
なお日銀自身は、こうしたバランスシートを使った分析について、あくまで事後的な恒等式であり、通貨需給を変動させる要因と現実のマネーストックの変動との因果関係を示すものではない、と解説に明記しています。統計上どう記録されるかと、経済に何が起きるかは、分けて考える必要があります。
「統計に載らない」は「影響がない」ではない
ここまでを読んで、「では影響はゼロなのか」と思われたかもしれません。そこは別の話です。
財務省財務総合政策研究所の「フィナンシャル・レビュー」は、金融仲介機能や信用創造(貨幣創造)機能をもたない、単なる決済手段としてのステーブルコインを想定する場合という条件のもとで、伝統的な銀行規制のような重装備の規制は不相当に重い、という整理を示しています。100%の裏付けを持つ設計であれば、銀行が貸出によって預金を生み出すような通貨の創出は起きていない、という考え方です。
一方で、日本総合研究所のレポートは、米国で提示された論点を紹介するかたちで、ステーブルコイン市場が大きく拡大すれば銀行預金からの資金流出が生じ、間接金融の信用創造機能が損なわれて、資金調達が困難になったり調達コストが上昇したりする恐れも否定できない、と指摘しています。
この2つは矛盾しません。発行そのものは通貨を増やさない。けれども、裏付け資産の置き方によっては、銀行システムの預金残高が細ることがあり得ます。そうなれば、銀行の金融仲介と信用創造のほうに効いてきます。増やす向きではなく、増える速さのほうに効くという経路です。
SBI金融経済研究所は、DeFiのステーブルコイン・レンディングを信用創造と呼ぶのは誤用だとも整理しています。担保を差し入れて、すでに存在するステーブルコインを借りる行為には、裏付け資産の新規預け入れとセットの新規発行がありません。質屋のカウンターで現金を借りるのと同じだ、という説明です。用語の使い分けが、そのまま論点の整理になっています。
PayPayマネーライトを現金に戻せない理由
「PayPay残高」と一口に言っても、法的な性質はひとつではありません。金融機関の口座へ払い出せるPayPayマネーは資金移動業型、払い出せないPayPayマネーライトは前払式支払手段です。同じアプリの同じ画面に並んでいますが、根拠となる制度が違います。
このうち前払式支払手段には、払戻しを原則として認めないという設計があります。
理由は制度の側にあります。自由に払い戻せるようにすると、預貯金と同様の経済的性質を持つことになり、銀行固有の業務である預り金や為替取引に該当するおそれが出てくる。銀行業との区別を保つための線引きです。
チャージした残高が現金に戻らないのは、事業者の都合ではありません。「これは預金ではない」という一線を、制度の側が引いているということです。
JPYCのような資金移動業型は、この点が違います。1JPYC=1円で日本円に償還できます。ただしJPYC株式会社は第二種資金移動業者なので、取り扱う為替取引は1回あたり100万円相当額以下に制限されます。同じ「デジタルの残高」に見えても、できることの範囲はかなり違います。
| 種類 | 根拠となる制度 | 現金への払戻し | 利用者資金の保全 | マネーストックへの計上 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行の普通預金 | 銀行法 | できる | 預金保険 | M1・M3に計上される |
| PayPayマネーライト | 前払式支払手段 | 原則できない | 基準日未使用残高の2分の1以上 | 計上されない |
| PayPayマネー | 資金移動業 | できる | 受け入れた資金と同額以上 | 計上されない |
| JPYC | 1号電子決済手段(第二種資金移動業) | できる(1回100万円相当額以下) | 受け入れた資金と同額以上 | 計上されない |
| JPYSC | 3号電子決済手段(信託型) | できる | 信託財産として分離 | 計上されない |
桁を並べてみる
規模の話をします。ここを飛ばすと、この論点は実物より大きく見えてしまいます。
2026年7月のM3平均残高は1,641兆2,000億円でした(日銀、8月12日公表の速報)。広義流動性は2,338兆4,000億円で、残高としては過去最高を更新しています。
一方、円建てステーブルコインはどうか。JPYCの流通量は、YourBrightが運営するオンチェーン集計サイト「JPYC Info」によれば、9月7日の確定値で約20億6,600万円です。8月18日時点の約28億3,000万円から、3週間で3割近く減りました。信託型の「JPYSC」は9月7日時点で約201億円相当。この2銘柄を単純に合算すると、約222億円になります。
前払式支払手段のほうは桁がひとつ上がります。日本資金決済業協会が金融庁提供の資料として公表している数字では、令和6年度の基準日未使用残高は3兆1,842億円でした。商品券やプリペイドカードを含む国内全体の残高です。
| 残高 | 金額 | 時点 |
|---|---|---|
| 広義流動性 | 2,338兆4,000億円 | 2026年7月(平残速報) |
| M3 | 1,641兆2,000億円 | 2026年7月(平残速報) |
| 前払式支払手段の基準日未使用残高 | 3兆1,842億円 | 令和6年度 |
| JPYSC | 約201億円 | 2026年9月7日 |
| JPYC | 約20億6,600万円 | 2026年9月7日(確定値) |
M3の1,641兆円に対して、これらはいずれも小さな数字にとどまります。
もうひとつ、比較の材料を置きます。財務省が8月28日に公表した外国為替平衡操作額は、7月30日から8月26日までで15兆3,993億円でした。当局が1か月で市場に投じた額は、この2銘柄の残高のおよそ700倍にあたります。
ただしこの倍率は、単純な規模感を並べたものにすぎません。介入額は期間中のフローで、ステーブルコインの流通量はある時点のストックです。為替への影響力が700倍だという意味ではありません。それでも、円建てステーブルコインが今日の為替相場を動かしているという説明は、この桁の差の前では成り立ちにくいと言えます。
ドル建てでは、話がすでに違う
ところが、ドル建てに目を移すと景色が変わります。
ステーブルコインの時価総額は2026年8月13日時点で約3,080億ドル。ピークは5月17日の約3,224億ドルで、足元はやや下回っています。そしてTetherは、2026年3月31日時点で米国債への直接・間接のエクスポージャーが約1,410億ドルあると開示しており、同社は自らを世界17位の米国債保有者と位置づけています。
短期国債の買い手として、すでに一国の外貨準備に並ぶ規模です。買い手が増えれば短期金利に、短期金利は日米金利差に、それぞれつながっています。為替へ波及し得る経路のひとつとして、視野に入れておく価値はあります。
円建ての側でも、入口は開きかけています。2026年6月に施行された制度改正で、信託型ステーブルコインの裏付け資産は、要求払預貯金だけでなく、満期および残存期間が3か月以内の日本国債などでも運用できるようになりました。組入比率の上限は50%です。そして9月7日、SBI新生信託銀行とSBI VCトレードは、JPYSCの裏付け信託財産のうち10億円を短期国債で運用し始めたと発表しました。発行残高約201億円に対して、およそ5%にあたります。円が154円台をつけたのと同じ日の出来事でした。
JPYCについては、岡部典孝代表取締役が、将来的に約8割を日本国債、約2割を銀行預金とする計画で、当初は短期証券を中心にすると語ったと報じられています。現時点の構成ではなく、計画として示された数字です。
境界を決めているのは、負債の性質
ここまで見てきた区別は、技術によるものではありません。ブロックチェーンかどうかでも、アプリの見た目でもない。かといって、発行者が銀行かどうかという一点でもありません。
金融審議会の「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」が2025年1月にまとめた報告に、この境界がはっきり書かれています。
同報告は、預金取扱金融機関に1号電子決済手段の発行を認めることは、要求払い性の負債でありながら預金ではないものの受入れを認めることになると整理しました。銀行が発行したというだけでは、預金にはならないということです。そして預金取扱金融機関による1号電子決済手段の発行については、当面は内外の情勢を見極めつつ、中長期的観点から検討することが適切だとしています。発行は望ましくないという意見が多かったことも、あわせて記されています。
一方で、銀行が同じブロックチェーン上で発行しても、本人確認済みの者にのみ移転でき、移転の都度発行者が関与するという条件を満たすものは、銀行預金の枠組みの中に置かれます。いわゆるトークン化預金です。こちらは預金なので、統計の内側にあります。
つまり、統計の内と外を分けているのは、トークンかどうかでも、発行者が銀行かどうかだけでもありません。そのデジタルな負債が預金として構成されているか、どのような移転設計を持つかで、制度上の位置づけが変わります。同じ技術で作られた同じ「デジタルの1円」が、その設計しだいで内にも外にも置かれます。
そしてこの整理も、固定されたものではありません。同じ報告は、預金は1号電子決済手段に該当しないという前提そのものを、今後の銀行実務や国際的議論の進展によっては見直すことも考えられる、と注記しています。
「ステーブルコインは通貨を増やすのか」という問いへの答えは、いまのところ「統計上は増えない」です。ただしそれは、通貨の定義が動かないからではありません。定義は金融環境の変化に応じて見直され得るもので、日銀自身も統計の整備・見直しを続けると述べています。
当時の日銀決済機構局長だった武田直己氏は、2025年7月の講演で、ステーブルコインは現代の通貨・決済システムを決済面から改善する効果は期待されるものの、それがコアな通貨・決済システムにまでなるとしたら、根本的な経済観の転換が必要になるような気がする、と述べています。
9月17日と18日、日銀は金融政策決定会合を開きます。円の対外的な価値が、そこで動くかもしれません。円の量をどう数えるかという議論は、もう少しゆっくり、けれど確実に進んでいきます。
【参考記事】
ステーブルコインに対する規制強化に向けた動きと今後の論点(外部)
米国で提示された論点を紹介するかたちで、銀行預金からの資金流出が間接金融の信用創造機能を損なう恐れがあることに言及する。
フィナンシャル・レビュー 令和6年第2号(通巻第156号)(外部)
金融仲介機能や信用創造機能をもたない単なる決済手段としてのステーブルコインを想定する場合の、規制のあり方について論じる。
ステーブルコインとトークン化預金とホールセールCBDC(前編)(外部)
DeFiのレンディングを信用創造と呼ぶのは誤用だと整理したうえで、ステーブルコインとトークン化預金の違いを解説している。
技術革新と地政学リスクの下での通貨・決済システムの未来(外部)
2025年7月31日のFISC講演。ステーブルコインが中核的な通貨・決済システムになる場合に何が問われるのかを提示している。
Yen stablecoin issuer predicts growing presence in Japan’s bond market(外部)
JPYCの岡部典孝代表取締役が語った、裏付け資産を将来的に約8割の日本国債と約2割の銀行預金とする計画について伝えている。
【関連記事】
PayPayは通貨なのか|LINE連携・ステーブルコイン・暗号資産で読む”円の主権”
決済手段の側から円の主権を論じた一本。今回の統計の話と重ねて読むと、円というシステムの内側と外側がより立体的に見えてくる。
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銀行間決済にトークン化預金を使う実証を扱った記事。本記事の終盤で触れた、預金の枠組みの中にあるトークンの具体例にあたる。
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改正金商法によって暗号資産の位置づけがどう変わったのかを扱う。本記事で触れた電子決済手段との制度上の区別を押さえるのに役立つ。
JPYSC:SBIとStartale Groupが日本初の信託型円建てステーブルコインを発表
本記事にも登場する信託型円建てステーブルコインJPYSCの、発表当時の記事。制度上の位置づけと設計の狙いを解説している。
【編集部後記】
JPYC Infoには、もうひとつ数字が並んでいます。発行開始からの総発行額が約78億円、総償還額が約57億円。累積の7割超が、すでに円へ戻された計算になります。
決済に使われて発行体に戻ったのか、資金が引き揚げられたのか。この数字だけでは分かりません。ただ、統計に載らない通貨は、載らないまま静かに増えたり減ったりしている。そのことだけは確かです。円の量を数える物差しは、いま何を測り、何を測っていないのでしょうか。
【用語解説】
マネーストック統計
日本銀行が毎月公表する、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量を示す統計。M1、M2、M3、広義流動性の4指標からなる。
通貨発行主体
マネーストック統計の対象金融商品を発行している経済主体。M1とM3では日本銀行と全預金取扱機関を指す。資金移動業者や前払式支払手段の発行者は含まれない。
通貨保有主体
統計上、通貨を保有する側として集計される経済主体。一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業が該当する。中央政府、中央銀行、預金取扱機関、保険会社、証券会社などは除かれる。
M3
現金通貨、預金通貨、準通貨、CD(譲渡性預金)の合計。発行者は全預金取扱機関。日本の通貨量を示す代表的な指標とされる。
広義流動性
M3に、金銭の信託、投資信託、金融債、銀行発行普通社債、金融機関発行CP、国債、外債を加えた指標。国債の部分では中央政府も通貨発行主体とみなされる。
電子決済手段
改正資金決済法上の区分。法定通貨に価値が連動し、額面での償還を約するもの等を指す。暗号資産とは制度上区別される。資金移動業者が発行するJPYCは1号、信託型のJPYSCは3号にあたる。
第二種資金移動業
銀行以外で為替取引を行うための登録区分のひとつ。取り扱う為替取引は1回あたり100万円相当額以下に制限される。
前払式支払手段
商品券、プリペイドカード、電子マネーなど、代金の支払いのためにあらかじめ資金を受け取って発行される支払手段。払戻しは原則として認められない。
基準日未使用残高
前払式支払手段について、毎年3月末と9月末の時点で発行済みかつ未使用の残高。この額の2分の1以上を保全する義務が発行者に課される。
トークン化預金
銀行預金の枠組みの中で、ブロックチェーン上のトークンとして発行されるもの。本人確認済みの者にのみ移転でき、移転の都度発行者が関与する設計を持つ。
信用創造
銀行が貸出を行うことで預金が生み出され、通貨量が増えていく仕組み。100%の裏付けを持つステーブルコインの発行は、これにあたらないと整理されている。
外国為替平衡操作
為替相場の安定を目的に通貨当局が市場で行う外国為替取引。いわゆる為替介入。財務省が実績額を月次と四半期で公表する。
【参考リンク】
日本銀行「マネーストック統計の解説」(外部)
M1・M2・M3・広義流動性の定義、通貨発行主体と通貨保有主体の範囲、統計の作成方法を解説した日銀の資料。本記事の土台にあたる。
日本銀行「マネーストック」(外部)
M1・M2・M3・広義流動性の毎月の計数を公表する日銀の公式ページ。統計の解説やFAQ、時系列データの検索先へのリンクも揃う。
財務省「外国為替平衡操作の実施状況」(外部)
いわゆる為替介入の実績額を、月次と四半期の二本立てで公表する。1991年以降の過去の全データもCSV形式で提供されている。
金融庁「資金決済制度等に関するワーキング・グループ」報告(外部)
2025年1月公表。信託型ステーブルコインの裏付け資産の柔軟化と、預金取扱金融機関による1号電子決済手段の発行を論じている。
JPYC株式会社(外部)
国内初の資金移動業型となる日本円ステーブルコイン「JPYC」を発行する。2019年設立で、2025年8月に資金移動業の登録を受けた。
JPYC Info(外部)
YourBrightが運営する、JPYCのオンチェーンデータ集計サイト。流通量、ホルダー数、発行・償還の推移を公開する。
SBIホールディングス ニュースリリース(外部)
信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」の裏付け資産の一部について、日本国債による運用を開始したことを発表したリリース。
一般社団法人日本資金決済業協会(外部)
前払式支払手段発行業と資金移動業の認定協会。制度の解説に加え、金融庁が資料提供した発行額や未使用残高などの統計も掲載している。
Tether(外部)
USDTを発行する。四半期ごとに準備資産のattestationを公表し、米国債への直接・間接のエクスポージャーを開示している。


















