Last Updated on 2024-05-15 10:19 by admin
GoogleのCEO、Sundar Pichaiは、OpenAIがAIモデルの訓練にYouTubeのコンテンツを不正使用したかどうかを調査し、問題があれば解決すると述べた。この発言は、OpenAIが以前に公開データとライセンスされたデータを使用してSoraモデルを訓練したと述べた後に行われた。また、OpenAIがYouTubeの動画を100万時間以上転写したと報じられている。Googleは、OpenAIがGoogleの利用規約に違反した場合の対応プロセスを持っているとPichaiは指摘した。
GoogleはI/O開発者会議で、合成ビデオを作成できる新しいAIモデル「Veo」を発表した。一方、OpenAIはGPT-4oモデルとChatGPTモバイルアプリの新機能を公開し、リアルタイムの音声会話やスマートフォンカメラで捉えたものの分析が可能になると紹介した。Pichaiは、Googleの「Project Astra」のマルチメディアチャット機能が今年後半にGeminiチャットボットに導入されると述べた。
さらに、GoogleはAIモデルをウェブ検索で提供するコストを80%削減したと発表。これはGoogleのカスタムTensor Processing Units(TPUs)とNvidiaのグラフィックス処理ユニットを使用することで実現した。また、Googleは米国の全ユーザーに向けて検索結果にAI Overviewsを表示し始めたとも述べた。
Pichaiは、Appleとの長年にわたる良好なパートナーシップについて言及し、GoogleがAppleのエコシステム向けに素晴らしい体験を提供することに注力していると強調した。Googleは、Safariブラウザからの検索広告収入の36%をAppleに支払っている。
【ニュース解説】
GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は、もしOpenAIが人工知能モデルの訓練にYouTubeのコンテンツを不正に使用していたことが判明した場合、問題を解決すると述べました。この発言は、OpenAIが以前に公開データとライセンスされたデータを用いて、Soraモデルを訓練したと述べた後、さらにOpenAIがYouTubeの動画を100万時間以上転写したと報じられたことを受けてのものです。Googleは、自社の利用規約に違反した場合に対応するプロセスを持っているとPichai氏は指摘しました。
この背景には、AI技術の発展とその訓練データの取得方法に関する広範な議論があります。AIモデルの訓練には膨大な量のデータが必要で、このデータの収集方法はプライバシー、著作権、倫理的な問題を引き起こす可能性があります。特に、公開されているコンテンツを訓練データとして使用する場合、そのコンテンツの著作権者の許可が必要になることが多く、この点が今回の問題の核心です。
GoogleとOpenAIの間で生じているこの問題は、AI分野におけるデータ使用の倫理的基準を確立する必要性を浮き彫りにしています。また、AI技術の急速な進化に伴い、既存の法律や規制が追いついていない現状も指摘されています。このような背景から、AI技術の発展を支えるデータの収集と使用に関して、より明確なガイドラインや規制の整備が求められています。
一方で、GoogleはI/O開発者会議で新しいAIモデル「Veo」を発表し、合成ビデオを作成できることを紹介しました。また、AIモデルをウェブ検索で提供するコストを大幅に削減したことも発表しました。これらの進展は、AI技術が私たちの生活にもたらす利便性と効率性を示していますが、同時に、その技術の背後にあるデータの取り扱いに対する慎重な検討が必要であることも示しています。
このような状況は、AI技術の発展とその社会への影響を考える上で、技術的な進歩だけでなく、倫理的、法的な側面も重要であることを教えています。今後、AI技術を取り巻く環境はさらに複雑化することが予想されるため、技術開発者、利用者、規制当局の間での対話と協力がより一層重要になってくるでしょう。
from Google CEO Pichai says company will 'sort it out' if OpenAI misused YouTube for AI training.