Last Updated on 2025-05-21 07:55 by admin
2025年5月18日、マイクロソフトはMS-DOSの伝説的なテキストエディタ「MS-DOS Editor」(通称:edit.com)のオープンソース版を現代のWindows向けに「Edit」として復活させた。
この新バージョンは、バージョン番号を1.0.0にリセットし、最新のWindows環境で動作する。元々のMS-DOS Editorは1991年のMS-DOS 5.0から登場し、Windows 10まで32ビットx86版のWindowsに同梱されていたが、64ビット環境では直接動作しなかった。今回の復活版は、シンプルながら効率的なテキスト編集機能を現代のOS環境に持ち込むことで、コマンドライン愛好家やデベロッパーに新たなツールを提供する。
References:
Microsoft revives DOS-era Edit in a modern shell
【編集部解説】
みなさん、懐かしのMS-DOS Editorが現代に蘇ったことをご存知でしょうか?マイクロソフトが2025年5月18日に発表した「Edit」は、かつてのDOS時代から多くのユーザーに愛用されてきたテキストエディタの現代版です。
このEditorは、MS-DOS 5.0が登場した1991年から、Windows 10の32ビット版まで長きにわたり提供されてきました。当初はQBasicの一部として動作していましたが、Windows 95からは独立したアプリケーションとなりました。しかし、16ビットアプリケーションであるため、x64やARM64などの64ビット環境では直接動作しないという制限がありました。
今回オープンソースとして復活した「Edit」は、そうした制限を取り払い、最新のWindows環境でも使えるようになっています。バージョン番号も1.0.0にリセットされ、新たな出発点としての位置づけが明確です。
なぜ今、このようなレトロなエディタが復活したのでしょうか?それは、シンプルさと効率性にあると考えられます。現代のテキストエディタは高機能化する一方で、時にはシンプルに文章を編集したいというニーズも根強く存在します。特にコマンドラインインターフェースを好むデベロッパーにとって、余計な機能がなく、必要最小限の機能を持つエディタは作業効率を高める重要なツールとなります。
元々のMS-DOS Editorは、テキストユーザーインターフェース(TUI)を採用し、カラースキームの調整が可能で、複数のドキュメントを同時に開けるマルチドキュメントインターフェースを備えていました。また、画面を垂直に分割して2つのファイルを同時に表示したり、バイナリモードでファイルを開いたりすることもできました。
今回の復活版「Edit」がこれらの機能をどのように継承し、さらに現代的な機能を追加しているのかは、多くのユーザーにとって注目ポイントとなるでしょう。シンプルながらも効率的なツールとして、プログラマーやシステム管理者など、テキスト編集を頻繁に行うユーザーにとって、新たな選択肢となることが期待されます。
【用語解説】
MS-DOS Editor:
MS-DOS 5.0以降およびWindows 10までの32ビットx86版Windowsに同梱されていたテキストエディタ。通常は「edit」または「edit.com」と呼ばれる。TUI(テキストユーザーインターフェース)を採用し、初期のバージョンではQBasicのエディタモードとして動作していた。
TUI(Text User Interface):
グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)以前に主流だったインターフェース形式。文字ベースの画面で操作を行い、マウスではなくキーボードコマンドを中心に操作する。
QBasic:
マイクロソフトが開発したBASICプログラミング言語の実装の一つ。MS-DOS 5.0から同梱され、初期のMS-DOS Editorはこれを基盤として動作していた。
オープンソース:
ソフトウェアのソースコードが公開され、誰でも自由に使用、修正、再配布できる開発モデル。コミュニティによる改良や拡張が可能になる。
【参考リンク】
MS-DOS Editor – Wikipedia(外部)
MS-DOS Editorの歴史、バージョン、機能などに関する詳細情報を提供しているWikipediaのページ。
FreeDOS(外部)
MS-DOSの互換OSであるFreeDOSのプロジェクトサイト。DOSのオープンソース実装として現在も活発に開発されている。
DOS関連ウェブサイトとリンク集(外部)
DOSソフトウェアやDOS関連ウェブサイトへの多数のリンクを提供しているリソースページ。
5 FreeDOS editors I love | We Love Open Source(外部)
FreeDOSで利用できる5つのテキストエディタに関する記事。DOSエディタの特徴や使い方を解説している。
【編集部後記】
みなさんは普段どんなテキストエディタを使っていますか?最近のエディタは機能が豊富で便利ですが、時にはシンプルに文章を編集したいと感じることはありませんか?
このレトロなエディタ「Edit」の復活は、そんなニーズに応えるものかもしれません。特にコマンドラインを愛用するデベロッパーの方々にとって、余計な機能がなく必要最小限の機能だけを持つエディタは、作業効率を高める強い味方になるのではないでしょうか。
シンプルさが持つ力を再評価する時代が来ているのかもしれませんね。みなさんはどう思いますか?