Last Updated on 2024-11-29 12:11 by admin
革新的なVRモッドが、20年前のFPSの古典をどのように変容させるのか。
Halo: Combat EvolvedのVR化は、レガシーソフトウェアの進化における重要なケーススタディとなるかもしれない。
オリジナルPC版Halo: Combat EvolvedのVRModは、開発者LivingFray氏によって開発され、2024年12月15日にGitHubを通じて無料配信が開始される。
このVRモッドの主な特徴は以下の通り:
- 2003年リリースのオリジナルPC版専用
- 完全な6自由度(6DoF)VRサポート
- モーションコントロールによる直感的な武器操作
- 物理的なリロードシステム
- デュアルウィールド対応
- 着座・立位両プレイスタイル対応
対応コンテンツとしては、オリジナルゲームの全キャンペーンミッション、マルチプレイヤーマップ、全ゲームモードが含まれている。
技術的特徴
このModの特筆すべき技術的成果は、20年以上前のゲームエンジンに最新のVR技術を統合したことにある。開発者のLivingFray氏は、このプロジェクトが自身初の逆コンパイルとモッド開発であったことを明かしている。
古いゲームエンジンを選択したことで、より複雑な現代のエンジンを回避し、効率的な開発が可能になった。その結果、頭を叩いてフラッシュライトを操作するなど、直感的な操作性を実現している。
制限事項
- オリジナルPC版が必要
- 車両操作時の視点の不安定さ
- 一部の技術的な課題が未解決
from Halo: Combat Evolved Gets PC VR Mod With Full Motion Controls
【編集部解説】
20年以上前に発売されたFPSゲームをVRで体験する—この野心的なプロジェクトは、一人の開発者LivingFray氏の挑戦から始まりました。
このVRModの最も革新的な点は、単なるVR視点の追加に留まらない完全な没入型体験を実現したことです。ヘッドセットを装着したプレイヤーは、武器を両手で構え、手の動きに合わせて照準を合わせ、頭を叩いてフラッシュライトを点灯するなど、直感的な操作が可能です。
技術的な側面では、このプロジェクトはLivingFray氏にとって初めての逆コンパイルとMod開発でした。古いゲームエンジンを選んだ理由について、氏は「20年分の技術進化や更新を考慮する必要がない、よりシンプルなプロジェクトとして取り組めた」と説明しています。
このModの完成度は非常に高く、スコープの画面内表示(PiP)機能や、左利き用のプリセットまで用意されています。ただし、車両の乗り降り時のカメラの挙動や、チェックポイントのリロード時の不具合など、いくつかの技術的な課題も残されています。
最大の課題は、2003年発売のオリジナルPC版が必要という点です。現在では入手が困難なこのバージョンですが、中古品のプロダクトキーでも動作するため、完全に道が閉ざされているわけではありません。
このModの成功は、コミュニティ主導のVR開発における新たな可能性を示しています。Half-Life 2、Portal 2、Far Cryなど、他の古典的なゲームでもVRModの開発が進められており、クラシックゲームの新しい楽しみ方を切り開いています。
【用語解説】
6DoF (6 Degrees of Freedom)
VRにおける完全な動作自由度を指します。前後・左右・上下の移動と、縦・横・傾きの回転を組み合わせた動作が可能です。
Flatscreen2VR
Impact Realityの一部門として2024年3月に設立。従来の2Dゲームを高品質なVR体験に変換する専門スタジオです
FPS(First Person shooter)
プレイヤーが主人公の視点(一人称視点)で進行するシューティングゲームの一種です。画面には自分の腕や武器のみが表示され、まるで自分自身がゲームの世界に入り込んだような没入感が特徴です
【参考リンク】
【参考動画】
本MODの紹介動画