Unity×トヨタ|次世代デジタルコックピット開発で協業 – ゲームエンジン技術が車載UIを変革

 - innovaTopia - (イノベトピア)

トヨタ自動車は2025年2月6日、次世代車載ヒューマンマシンインターフェース(HMI)の開発においてゲームエンジン開発企業のUnityと協業することを発表した。

この協業では、以下の内容が明らかにされた:

– トヨタは社内で「デジタルコックピット」と呼ばれる次世代HMIを開発中
– 開発には数百人規模のソフトウェアエンジニアが従事
– 計器類やインフォテインメントシステムにUnityの3Dグラフィックス技術を活用
– 開発効率の向上と手戻りの最小化が期待される

発表を行った主要人物
– トヨタ自動車 デジタルソフトウェア開発センター チーフプロジェクトリーダー:今井隆氏
– Unity最高執行責任者(COO):アレックス・ブルム氏

トヨタは本協業を通じて、ドライバー、車両、社会をつなぐユーザーインターフェースの開発を進める。新システムは、高性能なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)体験を提供する予定。

from Unity is working with Toyota on the next-gen human machine interface for cars

【編集部解説】

トヨタ自動車とUnityの協業は、自動車業界におけるユーザーインターフェース開発の新たな潮流を示すものとして注目に値します。

この協業の背景には、自動車のデジタル化が急速に進展している現状があります。現代の車載システムには、3Dグラフィックスを活用した高度なインターフェースが不可欠となっています。

特筆すべきは、トヨタが「デジタルコックピット」と呼ぶ次世代HMIの開発アプローチです。従来の自動車メーカーは外部ベンダーに依存することが多かったのですが、トヨタは数百人規模のソフトウェアエンジニアを投入し、内製化を進めています。

Unityの採用は、開発効率の向上だけでなく、新人エンジニアの育成にも大きな意味を持ちます。3Dグラフィックス開発には専門的なスキルが必要でしたが、Unityの導入により、より多くのエンジニアが開発に参加できるようになります。

この動きは、モビリティ産業全体のソフトウェア開発手法に影響を与える可能性があります。特に、ゲーム業界で培われたリアルタイム3D技術が自動車産業に本格導入される転換点となるかもしれません。

一方で、課題も存在します。車載システムには高い安全性と信頼性が求められます。ゲーム開発用プラットフォームであるUnityをミッションクリティカルな車載システムに適用するには、品質保証や認証の面で新たな取り組みが必要となるでしょう。

【用語解説】

HMI (ヒューマンマシンインターフェース)
人間と機械の間で情報をやり取りするための手段や装置の総称です。スマートフォンでいえば、タッチパネルやスピーカー、画面表示などが該当します。

デジタルコックピット
従来のアナログメーターやスイッチをデジタル化した運転席周りの空間です。スマートフォンが従来の携帯電話から進化したように、車の運転席もデジタル化による高機能化が進んでいます。

【参考リンク】

  1. Unity Technologies(外部)
    世界最大規模のゲームエンジン開発企業。自動車産業向けソリューションも提供
  2. トヨタ自動車(外部)
    世界最大級の自動車メーカー。デジタルトランスフォーメーションを積極的に推進

【参考動画】

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