Google Android XR|パススルーカメラAPIを開放、Meta Questに続き実現へ – MR開発の新時代

 - innovaTopia - (イノベトピア)

2025年2月初旬、GoogleはAndroid向けXRデバイスのパススルーカメラ機能を開発者に開放することを発表した。

この機能は、QualcommとGoogleが共同開発したXR Runtime (XRR) OpenXR APIの新拡張機能「XR_QCOM_camera_access」を通じて提供される。パススルーカメラに加え、フェイストラッキングカメラへのアクセスも可能となる。

対応デバイスは以下の通り:
Meta Quest 3(549ドルから)
Meta Quest Pro(999ドル)
Samsung Project Moohan(2025年後半発売予定)

この発表は、元MetaのXR部門VPであるMark Rabkin氏が予告していたパススルーAPI公開と時期を同じくしている。

from Google Confirms Android XR Allows Passthrough Camera Access: an Important Tool for MR Devs

【編集部解説】

スマートグラスやVRゴーグルが、いよいよ私たちの生活に溶け込もうとしています。今回のGoogleの発表は、その大きな一歩と言えるでしょう。

これまでのXRデバイスって、現実世界を見るためのカメラ機能は「メーカーお墨付きのアプリ」でしか使えませんでした。例えるなら、スマートフォンでインスタグラムやTikTokが使えず、標準カメラアプリしか使えないような状態だったんです。

でも今回、Googleが「じゃあ、みんなで自由に作ってみよう!」と門戸を開いたわけです。これによって、開発者たちは自由な発想でアプリを作れるようになります。例えば、カフェで仕事をしているときに、目の前に好きな大きさの仮想ディスプレイを出したり、机の上を可愛いARペットが歩き回ったり…。そんな世界が現実のものとなりそうです。

特に注目なのが、Qualcommの新しいチップの性能です。このチップを使うと、現実世界をほぼリアルタイムで認識できます。つまり、仮想の物体が現実の物にぶつかったり、隠れたりする動きがより自然になるんです。まるでSF映画の世界が現実になるような感じですね。

2025年後半には、Samsungから新しいXRデバイス「Project Moohan」が発売される予定です。Meta Quest 3やApple Vision Proといった競合製品との違いは、より自由度の高いアプリ開発が可能という点。これによって、より多様で面白いアプリが登場するかもしれません。

仕事、学習、エンターテインメント…。私たちの生活のあらゆる場面で、現実世界とデジタル世界が溶け合う未来が、着実に近づいているようです。ただし、新しい技術は必ず光と影の両面を持っています。テクノロジーの恩恵を誰もが平等に受けられる社会を目指しながら、プライバシーやセキュリティにも十分な配慮が必要でしょう。

XR技術は、もはやSF映画の世界の話ではありません。2025年は、この技術が私たちの日常に本格的に入り込んでくる転換点となりそうです。今回のGoogleの発表は、そんな未来への重要な一歩と言えるでしょう。

【用語解説】

パススルーカメラ
XRヘッドセットに搭載されたカメラで撮影した現実世界の映像をリアルタイムで表示する技術。スマートフォンのカメラアプリのような感覚で現実世界を見ることができます。

OpenXR
クロスプラットフォームのXRアプリケーション開発標準規格。異なるXRデバイス向けの開発効率を大幅に向上させます。

【参考リンク】

  1. Meta Quest公式サイト(外部)
    Meta社が展開するVR/MRヘッドセット。最新モデルQuest 3の詳細情報を提供
  2. Snapdragon Spaces(外部)
    QualcommのXR開発プラットフォーム。企業向けXRソリューションの詳細を紹介
  3. Android Developers(外部)
    GoogleのAndroid開発者向けリソース。XR開発に関する技術文書を提供

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