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Tyffonium:日本発の次世代VR体験施設が提供する没入型エンターテイメントの世界

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2025-04-10 10:46 by admin

Tyffoniumは、日本のVRスタジオTyffonが運営するVRアトラクション施設で、現在、東京の新宿と台場に店舗を展開している。2024年8月30日に新宿京王プラザホテル内に新店舗をオープンした。

Tyffoniumでは、以下の5つのVRアトラクションを提供している:

  • Fluctus:海底探索をテーマにした座席型アトラクション(台場店のみ)
  • Kaiju Haven VR:ウルトラマンIPを使用した怪獣探索アトラクション
  • Tarot VR:タロットカードの世界を3D体験できるアトラクション
  • Corridor:自由歩行型のホラーアトラクション
  • It Chapter Two: Carnival:映画「IT」の前日譚を描いた自由歩行型ホラーアトラクション

料金は、座席型アトラクションが約2,400円、自由歩行型アトラクションが約3,450円である。各アトラクションの所要時間は、準備時間を含めて約25分となっている。

Tyffonは2018年10月に217万ドル(約2億3,000万円)の資金調達を行い、セガサミーホールディングスや東急レクリエーションなどが出資した。また、ディズニーアクセラレータプログラムにアジアから唯一選出された実績も持つ。当初は2019年にアメリカ進出を計画していたが、新型コロナウイルスの影響で延期された。

2019年11月22日には、渋谷PARCOの地下1階に「ティフォニウム・カフェ」をオープンし、ARを活用した「魔法パフェ」などを提供していた。しかし、このカフェは2020年夏に閉店し、渋谷店も2021年初めに閉店した。

現在、Tyffoniumは観光客や若いカップル、友人グループで賑わっており、日本でしか体験できないVRアトラクションとして人気を集めている。

from Should You Make A VR Trip To Tyffonium During Your Vacation To Japan?

【編集部解説】

Tyffoniumの事例は、VR技術が単なるゲームやエンターテイメントを超えて、実空間と仮想空間を融合させた新しい体験価値を創出している好例です。特に注目すべきは、彼らのビジネスモデルにおける垂直統合戦略です。ハードウェア、ソフトウェア、物理空間設計、運営までを一貫して手がけることで、家庭用VRでは実現できない高度な没入体験を提供しています。

日本のVR市場は世界的に見ても先進的で、特に「体験型エンターテイメント」としての発展が顕著です。Tyffoniumのような施設は、VR技術の普及において重要な役割を果たしています。まだVRヘッドセットを所有していない一般消費者に高品質なVR体験を提供することで、技術への理解と関心を高める「入口」となっているのです。

また、IPとのコラボレーションという点も戦略的です。「ウルトラマン」や「IT/イット」など既存の人気コンテンツとVR技術を組み合わせることで、ファン層を取り込みつつ、新しい体験価値を提供しています。

一方で、このような高度なVR体験施設の普及には課題もあります。高額な設備投資や専門的な運営ノウハウが必要なため、地方都市への展開や中小企業の参入障壁が高くなる可能性があります。

また、VR技術の急速な進化により、施設の設備が陳腐化するリスクも考えられます。Tyffoniumのように常に最新技術を取り入れ、魅力的なコンテンツを提供し続けることが、長期的な成功の鍵となるでしょう。

さらに、VR体験の安全性や健康への影響についても注意が必要です。特にホラーコンテンツなどでは、過度のストレスや恐怖を感じる利用者もいる可能性があります。Tyffoniumでは年齢制限(13歳以上推奨)を設けるなど、適切な対応を行っています。

Tyffoniumの成功は、今後のVR産業全体の発展にも大きな影響を与える可能性があります。彼らのビジネスモデルや運営ノウハウは、他の企業にとっても参考になるでしょう。また、このような施設の普及により、VR技術に対する一般の理解や受容性が高まることが期待されます。

【用語解説】

VR(バーチャルリアリティ): コンピュータによって作られた仮想世界を体験できる技術。ヘッドセットを装着することで、360度の視界で仮想空間に没入できる。

AR(拡張現実): 現実の世界にデジタル情報を重ね合わせる技術。例えばスマホのカメラを通して現実の風景に仮想のキャラクターを表示するなど。

MR(複合現実/マジックリアリティ): VRとARを組み合わせた技術。Tyffoniumでは「Magic-Reality」と呼び、現実世界と仮想世界を融合させた体験を提供している。

4Dモーションセンサー: 動きを検知するセンサーに加え、振動や風などの物理的効果を組み合わせた技術。映像だけでなく、体感的にも没入感を高める。

自由歩行型VR: VRヘッドセットを装着したまま実際の空間を歩き回れるVR体験。通常のVRが座ったままか限られた空間での体験であるのに対し、より広い行動範囲と没入感を提供する。

【参考リンク】

Tyffonium 東京公式サイト(外部)東京お台場と新宿のTyffoniumで体験できるVRアトラクションの詳細情報と予約方法

Tyffon株式会社 公式サイト(外部)Tyffoniumを運営する企業の情報。VR/AR/MR技術を活用したコンテンツ開発の実績

【参考動画】

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乗杉 海
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