Last Updated on 2025-04-25 13:38 by admin
Meta社のVRプラットフォーム「Horizon Worlds」が、コンサートなどのストリーミングイベント向けに3D 180°ビデオをサポート開始した。この発表は2025年4月24日に行われた。
これまでSabrina Carpenter、Shawn Mendes、Doja Catなどのコンサートは、3Dで撮影され「Meta Quest TV」アプリでは3Dで視聴できたにもかかわらず、Horizon WorldsのMusic Valleyでは2Dでしか視聴できなかった。
現在、2024年に録画されたAlessoのコンサートとBleachersのiHeartRadioセッションがMusic Valleyで3D 180°形式で再生可能となっている。また、2023年にDetroitで録画されたDoja Catのコンサートも2025年4月24日の午後5時(PT)から3D 180°で再生される予定である。
この3D対応は歓迎すべき機能だが、Metaのコンサートイベントの解像度とビットレートには改善の余地があるとされている。記事ではAppleが提供するMetallicaコンサートの没入型ビデオと比較して、品質面での差があることが指摘されている。
なお、Meta Quest 3は2023年10月に発売された最新モデルで、日本での価格は512GBモデルが81,400円となっている。同デバイスは180度映像と360度映像に対応し、最大8K画質でVR動画を視聴できる機能を持つ。
from Horizon Worlds Now Supports 3D 180° Video For Events Like Concerts
【編集部解説】
Meta社のVRプラットフォーム「Horizon Worlds」が3D 180°ビデオに対応したことは、VR空間におけるエンターテインメント体験の質を向上させる重要な一歩です。これまでMetaは自社のVRプラットフォームを強くプッシュしてきましたが、コンテンツの視聴体験においては制限がありました。
今回の更新は、単なる技術的な改善以上の意味を持ちます。VR空間でのソーシャル体験と高品質な没入型コンテンツの融合は、メタバースの価値提案において核心的な要素といえるでしょう。友人と一緒に3D空間でコンサートを楽しむという体験は、物理的な距離を超えた新しいエンターテインメントの形を示しています。
検索結果から見ると、Meta社は2024年12月にもCharli xcxとTroye Sivanの「SWEAT Tour」をHorizon Worlds Music Valleyで3D没入型ビデオとして提供していました。このように、Meta社はコンサート体験をVR空間に持ち込む取り組みを継続的に行っているようです。
しかし、Reddit上のユーザーコメントを見ると、過去のコンサート配信では3D対応が不十分だったという不満の声もあります。ある投稿では「Horizon Worldsのひどい非3Dバージョン」と表現されており、今回の3D 180°ビデオ対応はこうした批判に応えるものと考えられます。
技術面では、Meta Quest 3が3D没入型ビデオに対応していることが言及されており、ハードウェアとコンテンツの両面で没入感を高める取り組みが進んでいることがわかります。一方で、記事が指摘するように解像度やビットレートの問題は依然として残っており、Appleの没入型コンサート映像との品質差は無視できません。
メタバース空間でのコンサートには、法的・規制的な課題も存在します。検索結果によれば、メタバースでのライブコンサートには、著作権、コンテンツ規制、データプライバシーなど、幅広い法的問題が関わってきます。特に国境を越えたデジタル空間では、地域ごとに異なる規制への対応が必要となるでしょう。
VRコンサートの可能性は今後さらに広がると予想されます。検索結果では、Shawn Mendesのバーチャルコンサートでは、実際のコンサートでは不可能な場所(ステージ上のアーティストの隣など)から体験できる没入感が強調されています。こうした体験は、従来の配信では再現できない価値を提供します。
技術の進化に伴い、将来的にはより高品質で没入感のあるVRコンサート体験が可能になるでしょう。現在の課題を克服し、リアルなコンサートに近い、あるいはそれを超える体験を提供できれば、物理的な制約から解放された新しいエンターテインメントの形として定着する可能性があります。
【用語解説】
VR(Virtual Reality): 「仮想現実」と訳される技術で、専用のゴーグルで視界を覆い、360°の映像を投影することで、実際にその空間にいるような感覚を得られる技術である。
3D 180°ビデオ: 180度の視野で左右に広がりのある立体映像。360°動画の半分の視野だが、より立体感を強く感じることができる。特にコンサートのような前方に焦点が集まるコンテンツに適している。
メタバース: 「Meta(超越)」と「Universe(宇宙)」を組み合わせた造語で、インターネット上に構築された3次元の仮想空間のこと。利用者はアバターを通して空間に入り込み、他者とコミュニケーションを取ったり経済活動を行ったりできる。
Horizon Worlds: Metaが開発したメタバースプラットフォームで、バーチャル空間の構築と他者との交流ができるVRサービス。2021年12月9日に米国とカナダでリリースされた。
Meta Quest TV: Meta Quest用のVR動画視聴アプリ。3D映像や360度映像などの没入型コンテンツを視聴できる。Horizon Worldsとは別のアプリとして提供されている。
【参考リンク】
Meta Horizon Worlds(外部)Meta社が提供するVRプラットフォーム。ユーザーはアバターを通じて様々な仮想空間で交流したり、コンサートなどのイベントに参加できる。
Meta Quest(外部)Meta社のVRヘッドセット。スタンドアローン型で外部機器を必要とせず、高い没入感を体験できる。