Last Updated on 2025-04-28 18:51 by admin
ベルリンに拠点を置くゲーム開発会社Thoughtfish GmbHは、2025年4月24日に新作VRゲーム「How to God」を発表した。このタイトルは、2001年にLionhead Studiosから発売された古典的な神シミュレーションゲーム「Black & White」にインスパイアされたVR専用のサンドボックス型神シミュレーターである。
「How to God」では、プレイヤーは神として世界を操作することができる。村を建設したり、クエストを通じて住民の問題を解決したり、教えに基づいて進化する生き物を育てたり、他の神々と戦ったりすることが可能である。プレイヤーはVRの特性を活かし、実際の手を使って世界を操作し、信者と交流することができる。
ゲームの特徴として、村の建設や住民の問題解決において複数の選択肢が用意されており、プレイの自由度が高い。例えば住宅危機を解決するために新しい家を建てるか、人口を減らすために村人を地図から追放するかといった選択ができる。また、錬金術システムで新しい要素を作り出したり、特定の手のジェスチャーでルーンを唱えて特殊能力を使用したりできる。村人たちはプレイヤーへの信仰を蓄積し、それを集めることで世界地図上の新しいエリアをアンロックできる。これらのエリアはエジプトやスコットランドなどの実際の場所に基づいている。
Thoughtfish GmbHは2013年に設立され、CEOおよびクリエイティブディレクターはChristina Barlebenが務めている。同社は昨年「Living Room」をリリースしており、AR技術や次世代技術の開発に力を入れている企業である。
「How to God」の正確なリリース日はまだ発表されていないが、2025年後半にMeta Quest 2およびQuest 3/3Sで発売される予定である。
from How To God Aims To Channel Black & White With A New VR Sandbox Sim
【編集部解説】
「How to God」は、古典的な神シミュレーションゲーム「Black & White」から影響を受けた新しいVRタイトルとして注目を集めています。Thoughtfish社が2025年4月24日に正式発表したこのゲームは、VRの特性を活かした「神体験」を提供することを目指しています。
「Black & White」は2001年にLionhead Studiosから発売され、プレイヤーが神として村人たちを導き、生き物(クリーチャー)を育成するという革新的なゲームプレイで高い評価を得ました。「How to God」はこの基本コンセプトをVR空間に持ち込み、さらに発展させようとしています。
VRの没入感を最大限に活用することで、プレイヤーは実際に自分の手で世界を操作し、村人と直接対話することができます。これは従来の神ゲームにはなかった体験であり、プレイヤーの存在感と影響力をより直感的に感じられるでしょう。
ゲームシステムの特徴として、善と悪の二つの道があり、プレイヤーは自分のプレイスタイルに合わせて選択できます。例えば、住宅問題を解決するために新しい家を建設するか、あるいは人口を減らすために村人を地図から追放するかといった選択肢があります。このような道徳的選択は、プレイヤーに「神としての責任」を考えさせる要素となっています。
また、生き物の育成システムも興味深いポイントです。プレイヤーの教えに基づいて進化する生き物は、特定のオブジェクトに関連する能力を学習し、時には村人を食べることもあります。しかし、水ボトルで噴霧するという面白い方法でこうした行動を制御できる点は、ユーモアのセンスを感じさせます。
錬金術システムや手のジェスチャーによるルーン魔法の発動など、VRならではの直感的な操作を活かした機能も実装されています。これらの要素は、プレイヤーに「神の力」を実感させるための工夫と言えるでしょう。
世界マップは実在の場所(エジプトやスコットランドなど)をモチーフにしており、それぞれ異なる課題とクエストが用意されています。これにより、プレイヤーは様々な文化や環境での「神」としての役割を体験できます。
VRゲームの進化という観点から見ると、「How to God」は単なるエンターテイメントを超えた意義を持っています。VR技術の発展により、プレイヤーはより直感的かつ没入感のある形で仮想世界と関わることができるようになりました。このようなゲームは、私たちが「力」や「責任」をどのように捉えるかについて、新たな視点を提供する可能性を秘めています。
Thoughtfish社はベルリンに拠点を置き、2013年の設立以来、現実世界のデータをデジタル体験に統合する技術の開発に取り組んできました。同社のCOALAサービスは、クリエイターが実世界のデータを開発プロジェクトに取り入れることを可能にしています。
「How to God」は2025年後半にMeta Quest 2およびQuest 3/3Sでリリース予定ですが、具体的な発売日はまだ発表されていません。VR市場の拡大とともに、このような革新的なタイトルがどのような影響を与えるか、今後の展開が注目されます。
【用語解説】
Black & White: 2001年にLionhead Studiosから発売された神シミュレーションゲーム。プレイヤーは神として村人を導き、クリーチャーを育成する。日本では「創造神ゲーム」とも呼ばれ、当時の革新的なAIシステムで注目を集めた。
サンドボックスゲーム: プレイヤーに高い自由度を与え、自分の好きなように世界を操作できるゲームジャンル。「砂場」のように自由に創造できることが名前の由来である。
COALA (Context Aware Location Assessment): Thoughtfish社が開発した独自技術で、ユーザーの実世界のコンテキスト(状況)を認識し、それに基づいてゲーム体験を提供するシステム。
Meta Quest 2/Quest 3/3S: Meta社(旧Facebook社)が開発・販売するVRヘッドセット。スタンドアロン型で、PCやゲーム機不要で使用できる。
【参考リンク】
Thoughtfish GmbH公式サイト(外部)「How to God」開発元の公式サイト。AR技術やコンテキストベースのサービスを専門とする企業。
How to God公式ページ(外部)「How to God」の公式ストアページ。ゲーム概要や特徴、リリース情報などが掲載。